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ふぅ~……やっと委員会のお仕事も終わりましたね。
皆さんは……もうお帰りになってしまいましたか。
いつものことですよね、ふふっ……おかげであなたと2人きりになれました。
下校時間までまだもう少しありますから、少しお話ししましょうか……えぇ、昨日の電話の続きを……とは言いましても、こうして面と向かうと何を話せばいいのか悩んでしまいますね。
だ、だって恋人同士ですよ?
彼氏と彼女……昨日まで委員会の先輩と後輩でしかなかった私たちが、今日はもう恋人同士だなんて……不思議ですよね、本当に夢か幻のようです。
でも、私たちは実際にここにいます。
ほら、電話ではできませんでしたけど、一緒にいる時ならこうして触れ合うことも……ん、んん♪
あぁ、ドキドキしますね、はぁはぁ、はふぅ。
ほ、ほんの少し手が触れただけで、こんなに胸が高鳴ってしまうだなんて……こんな緊張、よほどのことでもなければしませんのに。
そうですね、ピアノの発表会でもこんなには……。
はぁはぁ、ごくん……これは、いけませんね。
恋人同士ともなれば、手を繋いで登下校するのも当たり前なのでしょうが、触れただけでこうドキドキしてしまっ……はぁん!
ん、んん。
んはぁはぁ、だ、大丈夫です、あなたの指がちょっとくすぐったかっただけで……いいえ、嫌ではありません。
私はその……少し肌が敏感なので……まぁ、肌も、と言いますか。
あぁ、いえいえ、独り言です。
それより、何かお話をしてください。
何を?
そうですねぇ……では、出生の秘密から……あら。
ふふっ、秘密なんてありませんよね。
冗談です♪
では、この学校を選んだ理由など……幼い頃のお話しは、これから遡って聞かせていただこうかと思います……わ、私を好いてくださった理由は、先日たくさん聞かせていただきましたので。
あぁでも、また聞かせてもらいたくなると思います、その時は、どうか照れずにお話しくださいね。
あなたに思われている理由を、しっかりと言葉で聞かせていただきたいのですから。
はい、何度でも聞きたいです。
あなたに好きだと言っていただけると、胸の奥が熱くなって……このドキドキが、とても心地良くて……とても、幸せな気分になれるのです、はぁ、はぁ。
そう思えたからこそ、あなたの告白を受けさせていただいたのです。
これまで誰に言われても温まらなかったこの胸が、あなたの言葉には反応した……これが恋なのだと、わかりました。
ですからっ……あ……いけませんね、もう下校時間のようです。
それでは、私たちも帰りましょうか。
途中まで、ご一緒してもよろしいですか?
……はい、ありがとうございます。
では……あっ、ひゃう!?
あぁ、手っ、手を握って……ごくん。
す、すみません、ちょっと痺れてしまって……えぇ、敏感なもので、つい……でも、もう大丈夫です。
手を繋いで帰りましょう♪