Track 1

A 導入(初診バージョン)

おはよううございます。  はーい、お注射の時間ですよー。  え・・・はは~ん、また注射が怖いなんて言ってるんですね?  ホント仕方ないですねー、では今日は私が注射の怖くなくなるおまじないをかけてあげます。  だから、私の指示に素直に従って、さっさとお注射終わらせましょうね。  はーい、ではちゃんとベッドに寝てくださいね。  ちゃんとっていうのは、楽な姿勢で体重をしっかりベッドに預けてる形ですよー。  それでは目をつぶって身体の力を抜いて・・・はいはい、不意打ちなんてしないから大丈夫ですよー。  まだ身体こわばってますね・・・じゃあ深呼吸して落ち着いて力を抜きましょうか。  ちゃんと楽な姿勢をとって、鼻から息を吸って~、口から吐く・・・横隔膜をつかう複式呼吸がいいですね。  ゆっくりと吸ってー・・・。  静かに吐ーく・・・。   ゆったりした呼吸は、穏やかなリラックスを呼び起こすんですよー。  すーっと吸ってー・・・。  ふ~っと吐き出す・・・。  そのまま続けて~・・・。  ゆったりと穏やかな、気持ちのいい呼吸。  うふふ・・・大人になると、気持ちよく深呼吸する機会なんてあまり無いですよねー。  ですからついでに、こうやって深呼吸の気持ちよさを思い出して、リラックスの仕方を覚えていくのもいいと思いますよ。  ではあと一回、気持ちよく吸って~・・・。  力を抜きながら、ぜ~んぶ吐き出して~・・・。  ほら、す~っと力が抜ける・・・。  肩の力、腕の力、手の力・・・。  両腕は力が抜けるのを一番自分で感じやすい場所なんですよー・・・。  胸の力、背中の力、腰の力・・・。  身体の中心を支えてるこの場所は、力を抜いていくと、とってもいい気持ち。  太股の力、ふくら脛の力、足の裏の力・・・。  一日で一番筋肉を使ってがんばってる両足を、こうやって休ませてあげると・・・またす~っとリラックスが深くなります。  解りますよね?  そして、両足と同じくらいがんばってる首の筋肉・・・ココの力をす~っと抜いてあげると、肩が、背中が、そして顔や頭の力がさらに抜けていって、またとっ・・・ても気持ちいい・・・。  目の回り・・・す~っと抜ける。  耳の奥・・・ほわーんとしてくる。  顎・・・力が抜けて口が開いちゃうかもしれませんね。  でもそれって、とっ・・・ても気持ちよさそうでしょう?  は~い、終わりましたよー。  え?もちろんお注射が、ですよ?  気付かないほどリラックスしてましたかー?  リラックッスして、しっかり身体の力が抜けていれば、たいして痛くありませんし、すぐ終わってしまいますからー。  それではお疲れ様でしたー・・・うふふ・・・なにか残念そうな顔、してますね?  もしかしてもっとリラックスしていたかったんですか?    もっともっと、うとうととまどろみの世界に浸って、じーんと頭が痺れるような、深い・・・深ーい、気持ちのいい世界沈んで・・・。  いいですよー・・・ではもう二度と注射が怖くなくなるぐらい、気持ちのいい世界を体験していただきましょうか・・・。  ほら、目を閉じて・・・。  身体に辛い所は無いですか?  楽な姿勢を取ってくださいね。  楽な姿勢でリラックス・・・体の力を抜いて・・・さっきの感覚をまた思い出すと、いいですよー。  肩、腕、そして手の力がすーと抜けますよー。  力が抜ける気持ちのいい感覚・・・実感できますよねー?  胸、背中、さらに腰の力がじんわり・・・抜けていきますねー?  身体の中心から気持ちのいい感覚がじんわり広がっていきますよー。  太股、ふくら脛、その先の足の裏の力が抜けていきますねー?  両足の力が抜けていくと、疲れも一緒に抜けていきますよー。  首から頭、そして顔ですねー。  顎や頬、目の回り、耳の奥、あ・た・ま・の中の・・・力が抜けます。    どんどん抜けます。  もっともーっと抜けていきます。    そう、身体を動かす力も抜けます。  何かを感じる力も抜けます。  そして、考える力も抜けていきますよー。  あったかいお布団の中で、まどろんでいるようなー。  湯船に使って、体が温まっているようなー。  日向ぼっこしながら、うとうと・・・私の声が遠くから、子守唄のように聞こえるようなー。  そんな、とってもリラックスしている。  とっ・・・ても幸せな時間。  そんな気持ちのいい時間がさらにあなたを包んでいきます・・・。  あなたの周りに緩やかに流れる時間が、あなたを包むように感じられますよー。   あなたが、時間を緩やかに感じれば感じるほど、あなたを包む時間は柔らかく、暖かくなって行き、あなたの全身をほぐしていきますよー。  右手、右手の指の一本一本に時間が吸い付き癒していきます。  小指、薬指、中指、温かくて気持ちのいい・・・お湯に浸かってるような心地よさ・・・人差し指、親指。  手の甲、手の平、手首まで気持ちよく、ほぐれていきますよー。  あなたに絡みつく緩やかな時間は、どんどん増えていき、手首だけでなく、肘や・・・肩まで覆っていき、どんどんほぐしていきますよー。  そう、お湯の流れにマッサージされているみたいに、あなたの体や心、緊張をほぐしていきますねー。  さあ次は左手、左手の小指、薬指、中指、右手と同じように温かくて気持ちのいい心地よさ・・・人差し指、親指。  手の甲、手の平、手首までどんどん気持ちよく、ほぐれていきますよー。  そのまま、肘から・・・肩まで・・・。  両手からじんわりと、気持ちのいいリラックスが広がっていきます。  そして時間はあなたの両肩を軸に、胸や背中にも広がっていきます。  広がっていく穏やかな時間。  胸や背中がゆるまると、身体が布団にぴったりとくっ付いちゃうのが、解りますかー?  そのまま腰、お尻・・・そして両足が・・・お布団にすーっと吸い付いて、沈み込んでいくような感じが、わかりますかー?  もう全身が緩やかな時間に漬かって、暖められ、すっかりリラックスして行きますねー?  お布団に吸い付くように沈み込んだ身体からは、さらに、すーっと、力が抜けていきますよー?  首から下が暖かい時間に包まれて、まるでお風呂に漬かってるようですねー?    そう、お風呂につかってぼーっとくつろいでいる様な感覚・・・。  全身が温まって、お湯に身体を預けて、ゆったりふわふわ・・・。  目頭がぼーっとしてきましたかー?  口元が緩んできませんかー?  気持ちや心が自分の内側へ内側へ向いてきましたよねー?  あなたの頭のなかでぐるぐる回る雑念の流れが、ゆったりした時間に巻かれて、ゆったりゆっくりになっていきますよー。  考える力がゆっくり、ゆったりに、どんどんゆる;緩んでいきますよー。  わたしの言葉に絡めとられるみたいにぃ、ゆーっくり・・・ゆーったりに・・・なって・・・いきます・・・よぉ・・・。  とーってもいい気持ち、とーってもリラックス、とーってもゆっくり・・・。  あなたは・・・この、とーってもリラックスした時間の中に浸っていると、普段よりも、どんな時よりも、わたしの言葉を素直に受け入れられるようになりますよー。  頭に、心に、すーっと声が、言葉が、染みこんで行くイメージですねー。  たとえば・・・左手の人差し指・・・と私が言ったら、ほら、今あなたは左手の人差し指を意識していますねー。  ほらね、あなたは素直に、わたしの言葉を受け入れて反応できるようになっているんですよー。  それって凄く気持ちいいですよねー?  とっても幸せ・・・ですからー・・・もっともっと素直になっていいんですよー?  ほら、もっともっとリラックスしていきますよー?  もっともっと緩んでいきますよー。  もっともっと幸せになっていきますねー。  素直になったあなたは、わたしの言葉を素直に受け入れて、もっともっと素直になっていけますよー。  素直になったあなたには、わたしの言葉が頭に直接吸い込まれ、もっともっと素直になっていきますよー。  ほら、もっともっと素直になって下さいねー。  どんどん、どんどん、素直なあなたの心がわたしの言葉に埋め尽くされていきますよー。  私の声に包まれていきますよー。  さあ、あなたがもっともーっと、素直になれるように、心を空っぽにして私の言葉を受け入れられるように、いい事を教えてあげますねー。  深い、深ーい催眠状態に入るために・・・。  深い、深ーい催眠状態に入ったままでいるために・・・。  あなたの心にキーワードを刻みましょ。  あなたの心にキーワードを設定すると、めんどうな手順や時間をかけずに、スムーズにすーっと、深い催眠状態に入ったり出たりすることが、できるようになりますよー。  キーワード、そうキーワードを決めるだけで、あなたの気持ちのいい世界に、直接アクセスできるようになります。  簡単で、便利ですよねー。  そのキーワード自体には全く意味はなくても、いいえーむしろ意味が無いほうがいいんですけど・・・。  そうですねー、キーワードと言うより暗証番号・・・意味のない数字・・・の方が、余計なものを一切なしに、あなたを深い、深ーい催眠状態に導いてくれますねー。  たとえば・・・部屋番号・・・いっ;1とう;棟、17階、2号室・・・がいいかしら?  そう、1172(いち、いち、なな、にい)があなたの数字です。  あ、ではついでに、あなたの事も、これから1172さんって呼びますねー。  解りやすいですし、覚えやすいですし、なにより・・・名前を呼ばれるほど、深い、深ぁーい世界に入っていけるって、素敵じゃありませんかー?    1172・・・まっすぐに、あなたの奥に、奥に、ストレートにすって入っていく数字。  この数字を呼ばれると、心なしか私の声が心に大きく響いて行きますよね。  いいえー、だんだんその響きはハッキリ感じ取れるほど強くなっていきますよー。  1172さん・・・うふふ・・・ほら呼ばれれば呼ばれるほど・・・ね?  私が数字を唱えると、あなたはより深く自分と向き合うことができて、どんどんあなたの心の、精神の奥の奥のほうへと潜っていけます。  私が、1172と唱えるても、ほら、ずーんと深く潜る事ができる。   あなたが自分で唱えても・・・心の中で唱えるだけでもいいんですよー・・・その数字を足がかりに奥へ奥へと・・・ほら、ず~んと深く深く・・・潜っていけますからねー。  どんどん大きく、私の声が響いていきますよー。  不思議な数字、1172  ほら、深くなっていきますよー。  あなたの番号、1172  もっともっと深くなりますねー。  ね、気持いいでしょ?・・・1172さんっ。  では次は・・・自分の口でも言ってみてください・・・1172・・・って。  声を出すのがつらいなら、心の中だけでもかまいませんよー。  思い浮かべる事に意味があるのですから・・・。  はい、行って見て下さい。  もう一回。  言えば言うほどズンッ、ズンッと、入っていけますよー。  深くなっていきますよー。  もう一回。  もっと深く、深くなる感覚が染みこんで行きますよー。  もう一回。  こんどは瞼の裏に数字を思い浮かべながら唱えてみましょう。  いち、いち、なな、にぃ。  もう一回。  いち、いち、なな、にぃ。  ほら、1172。  深く・・・深く・・・。  いち、いち、なな、にぃ。  本当の あなたに 入って 行く・・・。  そのまま自分のペースで唱え続けててくださいね。  そうするともっともーっと、気持ちよくなっていくことができます。  唱えれば唱える度もっともーっと、深くに入っていくことができます。  もっと・・・もっと・・・ずっと深く、へ・・・。