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お目覚めですか、センパイ。
お元気そうで何より……ううん、元気すぎるのも困りものですね?
ところで、どこまで覚えてます?
さっき私と出会って……それから……うん、そうですね。すぐに眠くなっちゃいましたね?
ホントに……うふっ、不思議ですよね?
何故こんな風にベッドに括(くく)りつけられているのかわからない……ですか。
私だってこんな形でセンパイを縛るなんて、昨日までは考えていませんでした。
でも仕方なかったんです。
センパイの妹・柚子(ゆうこ)ちゃんからあの話を聞いてしまったので……
私の中で膨らんでいく何かが抑えきれなくなって……気がついたらセンパイの紅茶に眠り薬を入れてしまいました。
何の話を聞いたのか知りたいですか?
センパイ……私に何か隠し事がありますよね?
早めに自分から切り出してくれたほうが私も嬉しいなぁ……
以前、お互いに告白してお付き合いすることになった時に約束しましたよね? 私には絶対嘘をつかないって。
うん? 嘘なんてついてない……?
私の目を見て言えますか、それ……
クスッ、どうしたの? そんなに怯えちゃって……そんなに可愛いリアクションされたら困ります。
私、センパイのこと……壊したい……
やましいところがないならそう言えばいいのに、何故言わないの?
このままじゃ私、センパイのこと……メチャメチャにしたくなっちゃうじゃないですか。
もっとみじめな言い訳する所、見せてください。
全部潰してあげますから。
ふ~ん、そう。あくまでも黙秘するつもり……ですか?
他の女の子ならともかく、私に対してその態度はお勧めできませんよ、センパイ。
あくまでも嘘を突き通す気なら、仕方ないですね。私、センパイを……全力で責めます。