Track 8

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エピローグ 肉箱様に消化された私

ストロー状の触手が現れて 体液をすすってゆく 自分がどうなっているのか分からない 気持ちいいけど脳が作り出した幻なのかな 恐怖や痛みを和らげるために過剰に分泌された脳内麻薬物質 私はもうわずかな脳細胞の塊だけになってまったのかもしれない 肉箱様がドロドロに溶けた私の肉をすすっている 肉箱様の一部になれるんだ 永遠に生き続けるの この快楽がつづくのよ… とうとう私は肉箱様に消化されてしまった 全身ドロドロに溶かされ、ゆっくりと肉箱様に養分として吸収された 残りかすは、排泄器官を通って近くにある池の水面に浮かび上った この池の底には、チューブ状の肛門が無数に突き出しており まるで草原のようになっている 私の残りかすはそこから排泄された 私が肉箱様の奥に入って行ったことは地元の人々に知れ渡った あのとき、制止を振り切って肉箱様に入ったのだから そして、今日。新たな事実が判明した 肉箱様の排泄物が悪臭を放ったのだ ある人が思い出してつぶやいた あの子の母が蒸発したときも同じニオイがしたと おそらくは私の件もなかったことにされるだろう 肉箱様は古来よりこの地に伝わる守り神 人を食うなどあってはならないのだから…

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