Track 5

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エピローグ

はい、耳かき終わったんだから、膝枕もおしまいなの。 んんっ、もうちょっとじゃないのぉ、はいはい、甘えん坊さん。 (体を起こしてもらう) ん、初めてだったし、ちょっと疲れちゃった…。 はいはい、頭外してねぇ。 だるかったらまた横になってればいいよ。 んしょ…あ、起きて並んで座るんだ。 ん…顔色は、もう大丈夫かな…(鼻を鳴らす)くんくん、すんすん…ちょっと汗のにおいするね…。 いや、くさいとかじゃなくって、やっぱり熱があったのは本当だったんだなぁって、思ったの。 ほら、熱の匂い、みたいなのあるじゃない。 ちゃんと後で着替えたほうがいいよ。 わーっ、あとで、あとでいいから! 今脱ごうとしないでっ! すぐ調子に乗る…そりゃ上半身とか見慣れてるけど、それは小さい時のお風呂やプールとか、そういう当たり前の時であって…い、今は…違うのっ。 あと、もう熱がないなら、シャワーは大丈夫らしいから、入ってもいいかもね。 ご飯もいっぱい食べてさ…いいなぁおばさんの料理おいしいもんなぁ。 え、食べていけって…そんないきなりだと、おばさんに悪いよ…準備とか一人分増えたら大変なんだよ? あ、カレーなんだ…じゃあその…およばれしちゃおっかな…。 う、うんっ(咳払い)! んぐんぐ(口ごもる)…え、風邪じゃないよ。 ん…んーと…(もじもじ)その…バレンタインだけど。 あ、関係ないって言ったのは、違うの、違うんだって…私には…今日学校で渡す相手がいないから…関係ないって言ったの。 わからないって…ホントに、理系の大学に入れるのかな…順序だてて考えたらわかるでしょ! 私の渡す相手…渡したい相手が学校休んでたからでしょ! だから…(バッグを漁る)こ、これ! ちょ、チョコレートだよ…バレンタインの…。 お母さんに手伝ってもらって、頑張ったんだから…残さずに、食べてよね。 とかして固めるだけだけど、それがすっごく難しいんだよ。 理系大学目指してるんだから、わかるでしょ…凝固点とか融点とか、分離とか…そうそう、温度管理がとっても難しいの。 ほら、それに…チョコって栄養満点だから、調子悪いのも、すぐになおっちゃうと思うし。 わ、ちょっと、そんな大声でありがとうとか叫ばないで! もぉ…そんな嬉しい、とか…むむ…(俯きでぼそりと)こっちが嬉しいじゃないかぁ。 よかった…頑張って、バレンタイン、手作りしてみて…。 ん、これで私のバレンタインは、やっと完了…かな。 休んでても、バレンタイン参加できてよかったね♪ 誕生日…誕生日は、耳かき、してあげたじゃない…拗ねないの。 もぉ…その…耳かきくらいなら、誕生日とか、特別な日じゃなくても、して欲しい時に、いつでもしてあげるから…。 あ、また、そんな大声で、やったぁとか言わないでよ…もぉ、恥ずかしいなぁ…(小声で)嬉しいけど…。 喜んでもらえたのは嬉しいけど…私も誕生日はまた別にって思ってたから…うーん。 (階下で玄関が開く音がする) あ、おばさん帰ってきた…私、お出迎えしよっと。 (立ち上がる) んー…誕生日…いっぱいくれた勇気のお礼…。 うん。 (腰を折って、素早く触れるだけのキス) んちゅ…。 耳かきも特別…だけど、もっと特別な誕生日プレゼント。 これからも、よろしくね♪ (ドアを開けて足早に出て行く)

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