導入
ようこそー、お姉さんの夢の中へ♪
え? こんなところに来た覚えはないって?
まぁ、そうよね。私が勝手に呼んだんだもの。
貴方が来た覚えがないのは自然なことよ。
大丈夫、大丈夫。うふふ。
自己紹介が遅れちゃったわね。
私はサキュバス。
そう、あのサキュバス。
色々と、私達のこと知ってるよね?
こっちの世界で有名みたいだし。
例えば、そうね。
夜に、男の人の夢に現れて、その精を奪っていっちゃうとか、ね。
そう、夢の中に現れて、ね。今の状況は理解出来たかしら?
このまま問答無用に、抜き取るようにしちゃっても良かったんだけど。
貴方がとっても私好みだったから、こうして話かけているの。
そう、私好みの、とっても淫乱で、可愛らしい魂をしてる。
思わず私の物にしたくなっちゃうくらいにね。
身に覚えがない? でも、とっても良い香りがするのよ。
心をかき乱されて、訳がわからなくなっちゃうのが、好きそうな香りがね。
だからね、貴方が良ければ、
これから私の言うとおりに行動してもらって、気持ち良く精を渡して欲しいの。
無理やりとか、正直私はそんなに好きじゃなくて。
それはそれで気持ち良いかもしれないけど、
私は相互に楽しめる行為が好みなのよ。
そう、お互いが、とってもとろける感じの交じり合い。それが私の好み。
どう? 私に協力して、ソウイウコトしない?
うふふ、するよね♪
大丈夫だよ。全部終わったら、無かった事にしてあげる。
安心して楽しんじゃって良いよ。
私じゃないと勃たなくしちゃうとか、ないから、
誰にも邪魔されないで、気持ち良くなっちゃって良いんだよ?
私も、そのために頑張っちゃうから、ね?
それじゃ、まずは深呼吸から始めましょう。
何故かって? それはね、まだここはとっても浅い夢の中だから。
私と、貴方の繋がりもまだ薄いの。完全じゃない。
これからもっと深い、深い場所へ行かないと、サキュバスの妙技を体験させてあげられないの。
だからね。その為に、私がその深い場所まで誘導してあげる。
深い深い、奥の奥の方にね。戻って来れないんじゃないかと思うくらい、深いところへ。
それじゃ、ゆっくり深呼吸して。
目は開けてるなら閉じちゃってね。
閉じて、暗闇を感じながらゆっくり深呼吸をするの。
貴方の好きなペースで良いわ。
体の準備を始めるのに必要だからしているだけなの。
私との対話は不快じゃない、私との対話が気持ち良いって思う準備。それが深呼吸。
だから、好きなように深呼吸をして良いの。
ただし、私が言ったから深呼吸をしているんだということは忘れないで。
そのことを忘れないように、深呼吸を楽しむの。
一つ息を吸うたびに、体に活力が満ち溢れる。
一つ息を吐くたびに、体から悪いものが抜け出ていく。
ゆっくり、深呼吸をする。
肺に空気が満ちるのを感じ、そして吐いた時に中の空気が抜けていくのを感じる。
どちらも気持ち良い。
そう、気持ち良いよね。
ゆっくり、体がリラックスしているのを感じるでしょう?
深い呼吸。吸って吐くという行為は、気持ち良い。そうだね。
それじゃあ、通常の楽な呼吸に戻って良いよ。
でも、もう一度言うから、忘れないでね。
深く、吸って吐くのは気持ち良い。ね、覚えたよね。
それじゃあ、次は体の力を抜いていきましょう。
体全身を、何となくで良いから感じ取ってみて。
そう、何となくで良い。
貴方は今、寝台に横になっている。
力を寝台に預けて、ゆったりとしている。
それは、腕や足だけじゃない。
腰や背中、果ては頭まで力を預けている。
全身、寝台に体を預けている。
柔らかく包み込んでくれる、そんな場所にいるわ。
そんな状態でも、まだ完全に力が抜けているわけじゃないの。そうでしょう?
だって、本当に力が抜けている状態なら、ふわふわとしていて、手の感覚がなくなっちゃってるはずだものね。
まだ、貴方は深いところまでは来れていない。だから、もっと深くへ行きましょう。
最初は右肩に集中して。右肩から、ゆっくりと腕全体を包み込んでいく。
二の腕、肘、手首、手の平、指。力が抜けていく。
力が抜けていくと、重たさを感じ取れるようになる。重たさ。そう、重たい。
腕は重たい。ズーンと重たい。それで良いの。
次は左肩、さっきと同じよう肩に意識を向ける。
そして、ゆっくりと腕全体が包み込まれていく。
二の腕、肘、手首、手の平、指。力が抜けていく。
そう、抜けていく。
力を抜いたら、腕は重力に逆らわない。
そうすると、どんどん重力に引っ張られ続ける。
だから重たい。常識だよね。
腕は動かさないと、重たくなる。
普通のこと。だから今、実際に腕が重たい。
次は右足の付け根。そう、付け根。
そこから、太もも、膝の裏、ふくらはぎ、かかと、土踏まず、そして指。
そういう風に、意識を移動させる。その中で、重たさを感じるの。
一つ一つが、重たい。何処も重たい。どんどん重たくなってくる。
そして、左足の付け根も意識する。
太もも、膝の裏、ふくらはぎ、かかと、土踏まず、そして指。
ゆっくり重たくなってくる。先ほどと同じように、重たくなる。
ねぇ、今までの部位を、もう一度意識して見て。
両腕、両足共に、重たいよね。全て、等しく重たくなっちゃってる。
だから、さらに両腕、両足が重たくなってきちゃう。
だって、他のところが重たくなっているのに、一箇所だけ違ったらおかしい。
他の場所が重たくなるんだったら、そこも同じように重たくなる。
そうなるよね? そうならないと、おかしい。
そう、なってしまう。望むとか、望まないとかじゃない。
貴方の体は重たくなってしまうの。
大丈夫、安心して。ただ重たいだけだから、ね?
それじゃあ、そろそろ深いところへ入っていきましょう。
今まで、私達がした準備は、全てそのため。
準備をしたから、貴方は簡単に深いところまで入っていける。
ここまで一緒に協力したんだから、深い夢に落ちることは自然なこと。
二人で頑張って深く入れるようになれなかったら、おかしいもんね。
だから、貴方は深い場所へ行く事が出来る。
その兆候は、もう始まっているの。
もしも最初に違和感を感じるとしたら……そう、指。
サキュバスの力が最初に影響を及ぼし始めるとしたら、指。
想像して。貴方の手の下に、ミルクの海がある。
それは、まだ手の下にしかない。しかも、面白い事に沈んでいかないの。
とっても重たいはずの貴方の体が、沈まない海。
ソレが目の前にある。それは、何でしょう?
それはね、入り口だから。
サキュバスに可愛がられる世界へと入るための入り口なの。
だから、簡単に入れない。
どれだけ体が重たくても、沈まない。
沈むのは私が合図をした時だけ。
私が合図をすれば、貴方は自然と沈んでいける。
そのための、準備だったんだから。
さぁ、右手の指に集中してみて。
貴方はこれからミルクの海へとゆっくり落ちていく。
そして、そこで重たさから解放されるの。
重たいのは、この浅い夢にいるから。
深い夢だと体は重たくなることはないぼ。
ふわふわしていて、心地よい世界に行く事が出来る。
とっても、楽しみ。
それじゃあ、始めるね。
ゆっくり、意識を右手の指に集中する。
親指、人差し指、中指、薬指、小指。
指に集中する。それらを、感じ取る。
……ほら、変化を感じるでしょう?
地面に接している指の先端が、ゆっくり沈み始める。
ミルクの海に、沈み始める。
暖かくて、真っ白い世界へと落ちていく。
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指が、完全に沈んでしまいました。
そう、貴方がカウントに気を取られている五秒の間に。
何のカウントかと、驚いたんじゃないかな。
このカウントに、意味はないの。
ただ、貴方の気を紛らわせるためにカウントしたの。
気付かないうちに、沈ませちゃうためにね。
意識があれば当たり前のことだけど、カウントを聞いちゃうでしょう?
今、1だ。今2だって思っちゃったでしょう?
それで良いの。
そうやって、意識が思わず変な方向にいってしまっている間に、貴方は深い夢へと落ちていく。
貴方が真面目だから、してしまう。そんなちょっとした行為。
そのおかげで、貴方は深く夢へ沈みこめる。
さぁ、今度は左手の指。意識を集中すれば、感じ取れるよね。
さっきと同じように、ミルクの海が貴方の手の下に現れている。
また、カウントが始まるよ。一緒に、心の中で数えてみましょう。
そうすれば、またミルクの海に落ちていく。
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3
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1
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ほら、言った通りになったでしょう?
ここまで来てしまえば、後は簡単。貴方はゆっくり落ちるだけ。
だって、もう沈み始めているんだもの。
ミルクの海も広がっている。どんどん、その範囲を広げて。
先ほどとは逆に、指から、手の平、手首、肘、二の腕、肩。
そして、肩から背中、腰。
そういう風に、どんどん沈んでいくことになる。
それじゃ、両足に集中しましょう。
同じように、ミルクの海へ浸って行きましょう。
ほら、気付かないうちに、もう足首まで沈んじゃっている。
ミルクの海は待ってくれない。貴方をどんどん飲み込んでいく。
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ほら、もう付け根まで来てしまった。
そうなると、残っているのは、お腹、胸、首、そして頭だけ。
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お腹が沈んでしまった。
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胸が、沈んでしまった。
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首まで、来てしまった。
そして、最後には……。
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頭まで、沈んでしまった。
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全部、沈んでしまった。
ミルクの海の中へ、ようこそ。