Track 2

導入

ようこそー、お姉さんの夢の中へ♪ え? こんなところに来た覚えはないって? まぁ、そうよね。私が勝手に呼んだんだもの。 貴方が来た覚えがないのは自然なことよ。 大丈夫、大丈夫。うふふ。 自己紹介が遅れちゃったわね。 私はサキュバス。 そう、あのサキュバス。 色々と、私達のこと知ってるよね? こっちの世界で有名みたいだし。 例えば、そうね。 夜に、男の人の夢に現れて、その精を奪っていっちゃうとか、ね。 そう、夢の中に現れて、ね。今の状況は理解出来たかしら? このまま問答無用に、抜き取るようにしちゃっても良かったんだけど。 貴方がとっても私好みだったから、こうして話かけているの。 そう、私好みの、とっても淫乱で、可愛らしい魂をしてる。 思わず私の物にしたくなっちゃうくらいにね。 身に覚えがない? でも、とっても良い香りがするのよ。 心をかき乱されて、訳がわからなくなっちゃうのが、好きそうな香りがね。 だからね、貴方が良ければ、 これから私の言うとおりに行動してもらって、気持ち良く精を渡して欲しいの。 無理やりとか、正直私はそんなに好きじゃなくて。 それはそれで気持ち良いかもしれないけど、 私は相互に楽しめる行為が好みなのよ。 そう、お互いが、とってもとろける感じの交じり合い。それが私の好み。 どう? 私に協力して、ソウイウコトしない? うふふ、するよね♪ 大丈夫だよ。全部終わったら、無かった事にしてあげる。 安心して楽しんじゃって良いよ。 私じゃないと勃たなくしちゃうとか、ないから、 誰にも邪魔されないで、気持ち良くなっちゃって良いんだよ? 私も、そのために頑張っちゃうから、ね? それじゃ、まずは深呼吸から始めましょう。 何故かって? それはね、まだここはとっても浅い夢の中だから。 私と、貴方の繋がりもまだ薄いの。完全じゃない。 これからもっと深い、深い場所へ行かないと、サキュバスの妙技を体験させてあげられないの。 だからね。その為に、私がその深い場所まで誘導してあげる。 深い深い、奥の奥の方にね。戻って来れないんじゃないかと思うくらい、深いところへ。 それじゃ、ゆっくり深呼吸して。 目は開けてるなら閉じちゃってね。 閉じて、暗闇を感じながらゆっくり深呼吸をするの。 貴方の好きなペースで良いわ。 体の準備を始めるのに必要だからしているだけなの。 私との対話は不快じゃない、私との対話が気持ち良いって思う準備。それが深呼吸。 だから、好きなように深呼吸をして良いの。 ただし、私が言ったから深呼吸をしているんだということは忘れないで。 そのことを忘れないように、深呼吸を楽しむの。 一つ息を吸うたびに、体に活力が満ち溢れる。 一つ息を吐くたびに、体から悪いものが抜け出ていく。 ゆっくり、深呼吸をする。 肺に空気が満ちるのを感じ、そして吐いた時に中の空気が抜けていくのを感じる。 どちらも気持ち良い。 そう、気持ち良いよね。 ゆっくり、体がリラックスしているのを感じるでしょう? 深い呼吸。吸って吐くという行為は、気持ち良い。そうだね。 それじゃあ、通常の楽な呼吸に戻って良いよ。 でも、もう一度言うから、忘れないでね。 深く、吸って吐くのは気持ち良い。ね、覚えたよね。 それじゃあ、次は体の力を抜いていきましょう。 体全身を、何となくで良いから感じ取ってみて。 そう、何となくで良い。 貴方は今、寝台に横になっている。 力を寝台に預けて、ゆったりとしている。 それは、腕や足だけじゃない。 腰や背中、果ては頭まで力を預けている。 全身、寝台に体を預けている。 柔らかく包み込んでくれる、そんな場所にいるわ。 そんな状態でも、まだ完全に力が抜けているわけじゃないの。そうでしょう? だって、本当に力が抜けている状態なら、ふわふわとしていて、手の感覚がなくなっちゃってるはずだものね。 まだ、貴方は深いところまでは来れていない。だから、もっと深くへ行きましょう。 最初は右肩に集中して。右肩から、ゆっくりと腕全体を包み込んでいく。 二の腕、肘、手首、手の平、指。力が抜けていく。 力が抜けていくと、重たさを感じ取れるようになる。重たさ。そう、重たい。 腕は重たい。ズーンと重たい。それで良いの。 次は左肩、さっきと同じよう肩に意識を向ける。 そして、ゆっくりと腕全体が包み込まれていく。 二の腕、肘、手首、手の平、指。力が抜けていく。 そう、抜けていく。 力を抜いたら、腕は重力に逆らわない。 そうすると、どんどん重力に引っ張られ続ける。 だから重たい。常識だよね。 腕は動かさないと、重たくなる。 普通のこと。だから今、実際に腕が重たい。 次は右足の付け根。そう、付け根。 そこから、太もも、膝の裏、ふくらはぎ、かかと、土踏まず、そして指。 そういう風に、意識を移動させる。その中で、重たさを感じるの。 一つ一つが、重たい。何処も重たい。どんどん重たくなってくる。 そして、左足の付け根も意識する。 太もも、膝の裏、ふくらはぎ、かかと、土踏まず、そして指。 ゆっくり重たくなってくる。先ほどと同じように、重たくなる。 ねぇ、今までの部位を、もう一度意識して見て。 両腕、両足共に、重たいよね。全て、等しく重たくなっちゃってる。 だから、さらに両腕、両足が重たくなってきちゃう。 だって、他のところが重たくなっているのに、一箇所だけ違ったらおかしい。 他の場所が重たくなるんだったら、そこも同じように重たくなる。 そうなるよね? そうならないと、おかしい。 そう、なってしまう。望むとか、望まないとかじゃない。 貴方の体は重たくなってしまうの。 大丈夫、安心して。ただ重たいだけだから、ね? それじゃあ、そろそろ深いところへ入っていきましょう。 今まで、私達がした準備は、全てそのため。 準備をしたから、貴方は簡単に深いところまで入っていける。 ここまで一緒に協力したんだから、深い夢に落ちることは自然なこと。 二人で頑張って深く入れるようになれなかったら、おかしいもんね。 だから、貴方は深い場所へ行く事が出来る。 その兆候は、もう始まっているの。 もしも最初に違和感を感じるとしたら……そう、指。 サキュバスの力が最初に影響を及ぼし始めるとしたら、指。 想像して。貴方の手の下に、ミルクの海がある。 それは、まだ手の下にしかない。しかも、面白い事に沈んでいかないの。 とっても重たいはずの貴方の体が、沈まない海。 ソレが目の前にある。それは、何でしょう? それはね、入り口だから。 サキュバスに可愛がられる世界へと入るための入り口なの。 だから、簡単に入れない。 どれだけ体が重たくても、沈まない。 沈むのは私が合図をした時だけ。 私が合図をすれば、貴方は自然と沈んでいける。 そのための、準備だったんだから。 さぁ、右手の指に集中してみて。 貴方はこれからミルクの海へとゆっくり落ちていく。 そして、そこで重たさから解放されるの。 重たいのは、この浅い夢にいるから。 深い夢だと体は重たくなることはないぼ。 ふわふわしていて、心地よい世界に行く事が出来る。 とっても、楽しみ。 それじゃあ、始めるね。 ゆっくり、意識を右手の指に集中する。 親指、人差し指、中指、薬指、小指。 指に集中する。それらを、感じ取る。 ……ほら、変化を感じるでしょう? 地面に接している指の先端が、ゆっくり沈み始める。 ミルクの海に、沈み始める。 暖かくて、真っ白い世界へと落ちていく。 5 4 3 2 1 0 指が、完全に沈んでしまいました。 そう、貴方がカウントに気を取られている五秒の間に。 何のカウントかと、驚いたんじゃないかな。 このカウントに、意味はないの。 ただ、貴方の気を紛らわせるためにカウントしたの。 気付かないうちに、沈ませちゃうためにね。 意識があれば当たり前のことだけど、カウントを聞いちゃうでしょう? 今、1だ。今2だって思っちゃったでしょう? それで良いの。 そうやって、意識が思わず変な方向にいってしまっている間に、貴方は深い夢へと落ちていく。 貴方が真面目だから、してしまう。そんなちょっとした行為。 そのおかげで、貴方は深く夢へ沈みこめる。 さぁ、今度は左手の指。意識を集中すれば、感じ取れるよね。 さっきと同じように、ミルクの海が貴方の手の下に現れている。 また、カウントが始まるよ。一緒に、心の中で数えてみましょう。 そうすれば、またミルクの海に落ちていく。 5 4 3 2 1 0 ほら、言った通りになったでしょう? ここまで来てしまえば、後は簡単。貴方はゆっくり落ちるだけ。 だって、もう沈み始めているんだもの。 ミルクの海も広がっている。どんどん、その範囲を広げて。 先ほどとは逆に、指から、手の平、手首、肘、二の腕、肩。 そして、肩から背中、腰。 そういう風に、どんどん沈んでいくことになる。 それじゃ、両足に集中しましょう。 同じように、ミルクの海へ浸って行きましょう。 ほら、気付かないうちに、もう足首まで沈んじゃっている。 ミルクの海は待ってくれない。貴方をどんどん飲み込んでいく。 5 4 3 2 1 0 ほら、もう付け根まで来てしまった。 そうなると、残っているのは、お腹、胸、首、そして頭だけ。 5 4 3 2 1 0 お腹が沈んでしまった。 3 2 1 0 胸が、沈んでしまった。 3 2 1 0 首まで、来てしまった。 そして、最後には……。 5 4 3 2 1 頭まで、沈んでしまった。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 全部、沈んでしまった。 ミルクの海の中へ、ようこそ。