深化
貴方は今、真っ白いミルクの海にいます。
この世界へ、貴方はやってきました。
もう、とっても深い場所にいるの。
そうここがサキュバスの夢の世界。
ここは、どんなところ?
ここは、ふわふわしていて、気持ち良い。
この世界はとっても甘いの。
そう、甘い。甘く出来ている。
貴方が気に入るように、興奮しちゃうように出来ている。
ふわふわ甘くて、ほわほわしてる。
貴方の体はその甘いものに包まれている。
それが、とても安心感を呼び込む。
多幸感が支配する世界。幸せだと感じられる世界。
この世界は、そういう風に出来ているの。
甘いって言われても、あんまり想像出来ないかもね。
それに、甘いのが少し苦手な人もいるかもしれない。
けど、甘くてふわふわしているものに、暖かく包まれる。
優しく、抱きしめられるの。優しく、優しく、無理なく。
暖かさが、隣にある。ほわほわしているものが、ね。
安心、するよね?
とっても暖かい、包み込んでくれる。不快なわけがない。
安心して、どんどん感覚が甘さで冒されていく。
その気持ち良さに、少しだけ身を任せて見よう。
(15秒間を空ける)
ゆっくり包み込まれて、どうだった?
漂うだけで気持ち良い世界も、あるんだよ。
安心して、何も考えないで安心だけ出来る世界。
こういうの、体験したことないかな。
覚えてない、だけかもよ?
(10秒間を空ける)
どんどん、沈んで行く。
沈み込んでいく。そうすると、どうなる?
どんどん、水圧が上がるよね。
だって、海だもんね。
でも、貴方は苦しくない。
押し潰されるような不快感はないの。
とっても気持ち良い。
水圧があるような不快感はないよね。
でもね、変化はちゃんとあるんだ。
体が、小さくなっちゃうんだよ。
そう、小さくなっちゃうの。
気付かなかったかな。
言ってなかったから、気付くはずないよね。
だって、目を閉じていたんだもの。気付けるわけないよね。
夢の中に入って、深いところまで来て、気付けるわけない
驚いたかな? とっても唐突だったからね。
きっと、納得出来なくて、何で?と思ってると思うわ。
でも、言ったでしょう?
貴方がとっても好みだって。淫乱で可愛らしくて……。
思わず、私の物にしてみたくなっちゃたって。
そう、言葉通りの意味だったんだよ。
聞き流しちゃったかな。
覚えてないかもしれない。
けど、私は言ったよ。
貴方を私の物にしたいって。
うふふふ、もう遅いよ。引き返せないの。
というか返してあげない。
これから、とっても可愛がってあげるね。