3夕暮れ夏色
(左耳が上で膝枕した状態)
(耳元で囁く声)
若様、若様。
起きて下さい。
もう、夕方ですよ。
いつまで寝てるんですか。
・・・あ、目が覚めました?
(通常距離)
おはようございます。
あ、おはようは変ですね。
夕方だし。
ほ~ら、起きて下さい。
(若様、何やらもぞもぞする音)
ん?
どうしたんですか?
・・・って、あ、あ、わ、若様、あの、あ、あの、その。
・・・む。
(小声で)
・・・息子さんが・・・おっきしてます。
あ、や、私は大丈夫なんですけど。
そ、そうですよね。
寝起きって元気になるんですよね。
お、男の人って大変ですよね。
うん。
えと、えと。
お、治まりそうですか?
(やや間)
・・・お、治まらない・・・ですか・・・。
困りましたね。
この後、大旦那様と一緒にお夕飯なのに、この状態で食卓に行ったら・・・。
へ、変な誤解されちゃいますよ~?
頑張って、治めて下さい。
(やや間)
・・・う、やっぱりダメですか。
そうですよね、若様、お若いですから、げ、元気なんですよね。
ど、どうしましょう。
え?
私が、て、手で治めるんですか?
あ、うう、た、確かに、その方法しか無さそうですね。
じゃ、じゃあ、わ、私が。
私が、そのお手伝い、します。