05_解除

//■５.解除 「……そのまま……幸せなまま……深く、落ちる……３、２、１、ゼロ」 「……一番深いところに入ったお兄ちゃんは、これから、私の言うとおりに、元のお兄ちゃんに戻っていきます」 「このまま、眠ってしまってもいいです。気持ちいいから、このまま、眠りたい……それなら、眠ってしまっても大丈夫です。ここから先の言葉は、もう何も聞こえない……３、２、１、ゼロ。おやすみ、お兄ちゃん……」 「……まだ聞こえているのなら……今度は、０から１０まで数えます。数が増えると、お兄ちゃんの意識はだんだんはっきりしてきて、１０で完全に催眠が解けます」 「今、とても深い、ゼロの世界にいます……そこから、浮かび上がっていく……１……ほら、だんだん、浮かんでいく」 「２。体に力が戻ってくる。３。ぐしょ濡れで、べたべたするのもわかるようになってくる」 「４。まわりのことが感じ取れるようになってくる。５。もう、動こうと思えば自分で動ける」 「６。１０で完全に目が覚め、催眠がさめる……７……目が覚めた時には、私がかけた暗示はすべて消えて、すごくすっきりする。８。９……もう頭ははっきりして、催眠から覚めている」 「次で、完全に覚めるよ……１０！　はいっ！」 //■ＳＥ：手を叩く音 「……おはよ、お兄ちゃん」 「気分はどう？　体、動かせる？　腕を上げて、うーーんって、伸びをしてみて。ゆっくりね。う～～～ん」