⑭いつもと違った夏の終わり
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⑭いつもと違った夏の終わり
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【美崎】
「ほら、いきなさい……また来年があるから……ね?」
なかなか改札口を通ろうとしない塔也を優しく諭す……
離れたくないのは、私も同じ……
だけど、そうも言ってられないから……
私は「仕方ないなぁ…」といいながら、俯く塔也に近づいて、耳打ちした……
【美崎】
「バッグにイイモノ入れてあるから……
帰ってから楽しみなさい…誰にも見られないところでね」
何のことか分からないといった様子の彼の耳に、そのまま言葉を続ける……
【美崎】
「来年の夏休みがくるまで、浮気しちゃ…だめだよ?
ムラムラしたら、オナニーすること…いい?」
『オナニー』という単語で、なにが入っているか想像ついたようで……
私はニッコリ笑って肯定し、さらに言うべきことを伝える……
【美崎】
「来年は…もぉっとすごいこと、しようね?
約束…ゆびきりげんまん、しよ?」
顔を向かい合わせて、指を絡め……
【美崎】
「ゆ~びき~りげ~んま~ん…う~そつ~いた~ら、は~りせ~んぼ~ん、の~ます……ゆ~びきった!」
指を離し、そのまま送り出す……
そうしてようやく、彼は改札口を抜けた
途中、一度こちらを振り返って大きく手を振ってくれて……私はそれに笑顔で応えた
そして背を向け、足を踏み出す…
指に残った塔也の熱を、キュッと抱きながら…
今日の朝…出発前に見せてくれた、出来上がった宿題の中身…
自由研究には、私と一緒に遊んだことばかりが書かれてて…
まだ…胸の奥のほうがあったかい…
まぁ…さすがにエッチなことは書いてなかったけど…
【美崎】
「ん~~~…っ!
さぁて! 今日の夜は楽しむぞ~っ!」
昨夜、塔也が射精してくれたパンティを肴に、
私はひとりエッチの宣言をする……
今朝バッグに忍ばせた、生パンティで……
塔也も向こうで、オナニーしてくれることを信じて……
END