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■01 はぁ~~……あぁもう、すみません先輩。 こんなことに付き合わせてしまっ……あっ、ひゃう! あ、あはは、すみません。 足元の段差が見えなくて……は、はい、ありがとうございます。 こんな風に先輩と腕を組んで歩けるなんて、私幸せで……って、そ、そんなコト言ってる場合じゃないですよね。 何から何までお手数をおかけしてしまって、本当にすみません。 それもこれも私がお店で眼鏡を引っかけて落としてしまったから。 うぅ、こんなドジをするなんて恥ずかしい……でもそのおかげで先輩と腕組み♪ せっかくだからもっと。 へ? あぁいえ大丈夫です。 家に戻れば予備の眼鏡はありますから……ただ、眼鏡なしでは家に帰り着ける自信がなくてですね、あ、あはは、本当にすみません。 お手数を……。 はい、ありがとうございます。 先輩の優しさが身に沁みますね♪ だから好……あっ、いえ、その。 あ、あははっ、何でもないんですっ、何でも。 それに、その、ごめんなさい。 せっかく画材の買い出しに出たのに、私の不注意で結局何も買えずじまいでしたね。 あ、あはは、眼鏡のフレームは折れるわ、レンズは擦れて使いモノにならなくなるわで……。 本当に酷いものでした。 また新しい眼鏡を買ってもらわないといけなくなるので、両親にも迷惑をかけてしまいます……しばらく、部活を休んでアルバイトをいないといけないかも。 え。 どうしてですか? 何で先輩が寂しく……へっ!? わ、私だって、先輩と会えなくなるなんてイヤですっ、あの、えっと……で、ですけど、眼鏡って高いんですよね。 と言うか、私の場合レンズが高くて……えぇ、超の付くド近眼なので、レンズを薄く仕上げる加工料金などがかかったりして。 目の良い先輩にはわからないかもしれませんね。 私ですか? 視力は両方とも0.01です。 それに乱視も入ってるので……先輩は両目とも1.5でしたっけ。 夢のような世界が見えるんでしょうね、先輩の絵の上手さはそのおかげでしょうか。 私の絵なんて、先輩に比べたらまだまだですよ! ……っとっとっと、あぁすみません。 興奮して足元が……あ、そっか。 そういう言い訳をして、もっと腕をギュッと掴んで。 密着して、先輩の温もりを……あ、あぁいえ、何でもありません。 いえ、ありませんとも。 あはは……え、えっと何でしたっけ。 あぁそうそう、近眼の度合いでしたよね。 0.01だと、それはもう本当に何もかもぼやけた世界でして。 私の場合乱視も入ってますから、より一層ぼやけまくりなんです。 例えば、そこに一軒家があるのはわかりますけど。 表札なんてもちろん見えないし、瓦屋根なのかかやぶき屋根なのかもわからないくらいで……まぁ、かやぶき屋根なんてこの辺りにはないでしょうけどね、あはは♪ とりあえず、この辺りが私の家の近くであることは何となくわかります。 と言いますか、もうすぐそこです。 はぁ~、もう着いちゃいましたね……もっと腕組みしていたかったんですけど。 あぁいえ、とにかく、送っていただいてありがとうございました! お礼がしたいので、是非うちに寄って行ってください。 大丈夫ですよ、眼鏡をかければいつもの私ですから。 はふ~……やっと見えるようになりました~。 でも、眼鏡をかけても1.2くらいにしかなってないんですよ。 これでもまだ先輩よりも視力が下という……あぁ、そうですね。 さっきまでの眼鏡とフレームが違うので、少し変わった印象になるかも……え!? そ、そうですか? 先輩的にはこっちの方が……それは、眼鏡壊れてラッキーだったかも♪ それじゃ、次の予備に買っておくのも同じようなフレームにしますね。 だって、少しでも先輩に気に入ってもらいたいですし……へ? え、えっと……いえその、おかしな意味じゃなくてっ。 わ、私の話なんてどうでもいいですよねっ。 そ、それより、お茶淹れてきますっ。 先輩、クッキーは好きですか? お煎餅もありますけど、どっちが……は、はい……座ります。 はい、落ち着きます……ごくん。 あ、すみません。 やっぱり落ち着けそうにもないです……だって、先輩が私の部屋にいるなんて……えぇえ!? わっ、私の部屋なんて全然っ。 いえ、本当に、全然大したことなくてっ。 いつもはもうちょっと散らかってるんですけど、つい一昨日片付けたばかりで良かったですホント、そうじゃなかったら、部屋には。 いっ、いえいえっ、いつ来ていただいてもいいんです。 むしろ来ていただきたいですっ。 先輩に見られると思えば掃除も行き届きますし……いえ、そんな便利に使おうということではなくてですねっ。 は、はい、落ち着きますっ……はい、深呼吸しますっ。 す~、は~、す~、は~、す~……っぷはあ! はぁっはぁっ、あ、あはは。 なんだか暑いですね。 冷たい飲み物を……。 は、はい、座ります……ごくん……あの……その……せ、先輩? もう眼鏡はしてますから、手は、離していただいても、大丈夫……いえ、握っててもらってもいいんですけど。 むしろ……握っていてもらえると、とても……はい、嬉しい、です♪ え……好っ!? あのっ、えっと……す、スキって、何が……私!? あのっ、えっと、私が先輩をですか? それはもちろん! すすす好きに決まってっ……あ、そうじゃなくて? 先輩が、私を……好き、なんですか? えっと、それは……告白? こ、こくっ、はっ、はぁっはぁっ。 はぁはぁ、は、はい、落ち着き……ごっくん! むむむ無理です! 落ち着けるハズないじゃないですかぁ! わ、わたっ、わたわたっ……せん、せんせんっ、先輩が、私を! そそそそんなの嘘で……う、嘘じゃないなら、からかって……か、からかってもないなら……ないなら……わ、私の方が先輩を好きです! いいえ、私の方がずーっとです! え……両、思い? あぁ、えっと、両思いって言うと……お互い、好きで、いるという……あの、夢のような展開でしょうか。 ゆ、夢、じゃない? 夢じゃないんですね……。 は、ははは、ふはぁ~~ ……どっと疲れました……あぁ、すみません。 先輩も疲れちゃいましたよね。 あはは、顔真っ赤ですよ♪ そ、そりゃ、私は真っ赤に決まってます。 だって、先輩が告白してくれるなんて思ってもいなくて……あ、はい! ありがとうございます。 私も、先輩のことを思っていました。 好き、です♪ ずっと好きでした。 あはは、良かったのは私の方ですよ~。 まさか、先輩に思っていてもらえたなんて、夢みたいです。 私なんて、絵は下手だし、ドジだし……眼鏡だし。 だって、ド近眼ですよ? 眼鏡を外したら、この距離でも先輩の顔が見えなく……んっひゃあ! せっ、先輩っ。 いきなり顔寄せないでください! 眼鏡をかけてれば見えますから……え、何がですか? そうじゃなくて……? キス……しようと? した……ん、ですか? き……キス!? せせせ先輩! そういうコトは、恋人同士じゃないと……あ、そっか。 私たち、もう? 恋人同士になったっていうことでいいんでしょうか。 こ、恋人……先輩と恋人同士♪ あぁ、私が先輩の彼女……カップルになれたんですねぇ、あぁん、夢みたいですよ~。 あ、はい。 すみませんっ。 夢じゃないですよね、はい、現実です。 ……だから? それじゃあ? あ……きっ、キス、ですか! キスですよね。 恋人同士ならしても……ごくん。 そ、それじゃ、その……お願いしますっ。 んっ……っ……っ……あっ。 すみませんっ、眼鏡邪魔ですよね。 外しますから……んん、んはぁ。 はぁ、はぁはぁ……では、これで。 ……っ……っ……~~~~っぷはぁ! はぁっはぁっ、あぁ、す、すみません。 息止めちゃってて……あの、まだしてないですよね? ……肩の力を抜いて? そ、そうですね。 すみません。 初めてなので勝手がわからなくて……はい。 肩の力を抜いて、目もギュッと閉じすぎず、あぁそうですね、唇も……く、唇。 口づけぇ、はぁ、はぁはぁ、ごっくん。 はい、大丈夫です。 いえいえ! 私もしたいです! ファーストキスは、先輩とできたら嬉しいな~ってずっと思っていましたから♪ はい、だからとっても嬉しいです! では改めてお願いしますっ……んんっ、んっはぁ。 そ、そうでした、ギュッと閉じすぎず……あ。 でも、お互い目を閉じちゃったら、場所がわからなくなったり……え、えぇ? 先輩だけ見てるなんて、ちょっとズルイですよ……私だって先輩の顔見たいです。 あぁでも、眼鏡外しちゃうともの凄く近づかないといけなくって……あぁ。 これくらいなら。 って! は、恥ずかしいですね! あはは、ははっ……すみません。 やっぱり、私は目を閉じてますので、先輩、お願いします……はい……んん、んん……っ……っ……んっふ。 んん!? んっ♪ んっ……ん……んん……っ……っ……~~~~っぷはぁ! はぁっはぁっ、はぁはぁ、はぁはぁ……し、しましたよね? 今、くっつきましたよね。 わ、わぁ~♪ キスしちゃいました。 私たち、口づけしちゃったんですね~、あぁん。 先輩の唇……唇の感触……が、あんまりわかりませんでしたぁ。 うぅ、緊張しすぎてぇ。 も、もう一回ですか? はい、いいですとも。 頑張りますっ。 今度こそちゃんと、先輩の唇の感触を味わわせていただきますのでっ……ど、どうぞ! んん、んん、んっふ……。 ぅん、んん……ん♪ んん、んん、ん~……っふはぁ~、はぁ~、はぁ~、んっはぁ~……あぁ、今のはわかりました。 先輩の唇、プニプニで気持ちいいです。 んふふ、あはは。 はは、は~~ ……で、ですけど、すみません……私、もうパンク寸前ですぅ。 オーバーヒートです……焼け付いちゃいましたぁ。 はぁ~、は~、は~、んっはぁ~……。 あはは、先輩もまた顔真っ赤ですね♪ はい、ありがとうございます。 これから、先輩後輩だけではなくて、彼氏彼女としてもよろしくお願いいたします! っきゃ~~♪

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