Track 6

注射

やっぱり、ちゃんと治療しないとダメみたいですね あんまり使いたくなかったんですけどぉ アレ、使うしかなさそうですね…♪ そう、「お注射」ですよ~♪ うーん、注射はおキライですか? でも、想像してみてください 今からあなたの血管に注射するのが 私の、とっても濃いフェロモン だとしたら ほら、想像してみましょう? 針が刺さった途端に感じる、甘い刺激 そのまま流し込まれる、イケない液体 私のフェロモンが、あなたの全身を駆け巡り その匂いに直接体内を犯されて 発情、しちゃいますよ そう、発情… 想像することに意識が向かうと 嫌いだったはずのお注射が、どんどん好きになっていく 早く、フェロモンを血管に流されたい 早く、早く… あなたは、注射が待ち遠しくてたまらない 大好き、大好き、フェロモン注射大好き… うふふ、 注射される前から発情しちゃ、ダメですよ それでは、私の指示通りに動いて 準備をしましょうね 右手に、意識を集中しましょう 右手を軽く握って 人差し指をゆーっくり、まっすぐ伸ばす 指の先端に意識が集中する まっすぐ伸びたそれは 先端が細く、ほそーくなっていって 針のように鋭くなる カウントが増えると、集中力も上がっていく ほら、いち にー さん しー ごー ろく なな はち きゅう じゅう さらに先端に意識が集まり、鋭さを増していく もし触ったら、ちくっとしてしまいそう その指先の感覚を残したまま もう一度 さらに右手の人差し指を、ゆーっくり伸ばす 指の先端にもっと意識が集中する 指の先端に意識が集中すると まっすぐ伸びたそれは 先端が細く、ほそーくなっていって 針のように鋭くなる カウントが増えると、集中力も上がっていく いち にー さん しー ごー ろく なな はち きゅう じゅう さらに、さらに先端に意識が集まり、 鋭さを増していく もし触ったら、刺さってしまいそう ふふ、もういいかな? ほら、注射器になったあなたの右手で お薬、注射しましょう? 今からお注射するのは、 私の匂い、フェロモン 注射されたところから とろけるような感覚が広がって その感覚はすぐに全身を支配し あなたを欲情させる それじゃあまた、私の言う通りに動きましょう 私の匂いを血管に打ち込まれるの、楽しみですよね? そうしてほしかったら、言う事聞きましょうね~♪ うん、いい子いい子 左腕に意識を集中 左手の手のひらを上に向けると あなたの左腕は、内側が上を向いていますね? そしたら、あなたの右手の注射器 その先端をもう一度意識して、 左ひじの関節のすぐ先に当てて下さい まだ針は刺さない、置いておくだけ では、私が合図をしたら 1回深呼吸をしましょう 息を吐くときに、同時に針を刺して お薬を注射しますよ はい 『吸ってー』 『吐いてー』  ちくっ、と針があなたの左腕に刺さる  注射器がずーんと重くなり、離れなくなる  中の液体が、あなたの身体に入っていく  とくん、とくんって…  中身が空っぽになるまで  注射器は抜いちゃだめですよ  とくん、とくん  とくん、とくん  すぐに左腕がおかしくなる  左腕の全体に、私のフェロモンが行きわたって  発情する  くねくねと、動き出しそうになるのを  注射器でしっかり押さえておきなさい  ほら、注射器を意識したから  ますますフェロモンが入っていきますよ  とくん、とくん  とくん、とくん じゃあ、そろそろ針を抜きましょう 私が5つ数えると、注射器に集中している意識が ふっ、と発散していき 注射器になったあなたの右手は、 左腕から離れます 同時に意識も発散し、身体の力が抜けてしまう いきますよー いち、にー、さん、しー、ごー はい、あなたの右手の人差し指が、 左腕からすっ、と抜け そのまま離れていき、右腕は元に戻る あなたの身体が元の姿勢に戻ると、 すぐに力が入らなくなる だらしなく力が抜けてしまったあなたの全身を、 私の匂いが内側から這い回る、犯す 全身の、快感を感じる神経に 私のフェロモンが絡みついて、 甘い刺激を与え続ける 頭に意識を集中すると ほら、大好きな匂いが あなたの脳を支配していく どんどん、思考が書き換えられちゃいますよ においかぎたい、もっとかぎたいって… いいんですよ、いくらでも匂いを嗅いで あなたは今、投薬治療を行っているんだから 与えられた薬に対して、 こうやってちゃんと反応を示しなさい もう、私のフェロモンが 身体の隅々まで巡っちゃったね 身体のどこを意識しても あなたの大好きな匂いでいっぱい ほら、全身が私の匂いで塗りつぶされちゃった まるで、あなたの全身の細胞ひとつひとつで 私のフェロモンを嗅いでいるみたい ほら、意識して? ほらっ、ほら、ほら、ほらぁ あは、あはははははは…♪ うん、うん 全身で私のフェロモンを感じて、 発情しちゃったんだね 心も身体も発情したあなたは、 ただ、ただ私の匂いを嗅ぎ求めるの そう、においかぎたい、かぎたい、かぎたい… いいんですよ、ずっとそうやってて はしたなく、私のフェロモンを求め続けなさい それじゃあ、バイタルチェックをしますね もしもーし、きこえますかー うふふ、ダメみたいですね 意識が混濁してます 匂いへの、依存傾向もみられますね もう、治療は絶望的ですね…♪