夜1-おじぎさん(怪談
夜分遅く 失礼致します
本日は いかがな一日でしたか?
まだ お休みになれないてあれば
少々余興をご用意させていただきましたので
お付き合い願えないものかと
はい
それでは まずはご準備を
こちら 目隠し させていただきますね
出来るだけ 楽しんでいただきたいもので ご了承ください
はい
真っ暗ですか?
人は 大半の物ことを 目から仕入れてるそうで
それが塞がれば その分 他の感覚が 敏感になるそうです
触覚 味覚 嗅覚 聴覚 それから
普段は使っていない感覚も
想像力も 鋭くなるかもしれませんね
せっかくですから
このまま少し 私の思い出話でも いかがです?
道祖神で ご存知ですか
とこの道端にもある ありふれたものですよ
大抵は 立てた石に 何かが彫ってある見た目で
道辻や 村の入口に立っていて 災いが入り込まないようにする
言わば 門番さん みたい物です
この村にも いくつが点在しておりまして
その中に お辞儀さん と 呼ばれている物がございます
いつの頃からなのが 少なくとも 祖母の絶えより以前から
そう呼ばれていたそうです
お辞儀さんを通る時は 必ずお辞儀をしながら通ること
村んのお年寄り達は そう私達に教えておりました
しなかったらどう と言うこともなく
実際 若い人達はしないことも多いんですよ
ただ 信心深いのが ご年配人は 必ずお辞儀をすろんです
よく覚えて いますよ
その日は 朝から雨が降っていて
祖母と一緒 一つの傘て村役場からの帰り道でした
他愛のない話をしながら いつも通りの道を歩いて
そしていつも通り
祖母はお辞儀さんの少し前てお辞儀をして
私も一緒にお辞儀をしたんです
顔を伏せて 視界には自分とおばあちゃんの足と それから地面道端の雑草
と ちょうとお辞儀さんの前を通る時
石碑の前に 誰かが立っていたんです
ボロボロの白黒写真の人物が履いているような
古い靴は履いていたのが 印象的でした
さーと降る雨が その人の足元でも撥ねていたから
きっと傘も差していなかったですね
どうしたの と顔を上げようとした時
私の頭をぐっと何がに抑えつけられました
横目に祖母を見ると きゅっと口を一文字に結んで
私の頭と抑えています
不意に 隣て立つ人の手が
だら と地面に近づくのが見えました
その手は全く力が入っていない風て
小刻みにゆらゆらと 前かがみになって
こちらを覗き込もうとしているのか
私はとっでも怖くなり 強く目を閉じながら 祖母の裾をギュッと握り
その場を後にしました
角を曲がるまで 背中にぞわぞわと貼りつく様な圧迫感を感じながら
お辞儀さんは あそこて悪い物を食い止めていたんですね
立ち往生したそれは 通りかかる人に付いて来ようとする
だから 目を合わせないように 顔を伏せて前を通る
その格好から お辞儀さんと
ばあちゃんも 初めて見た と 笑ておりました
少し 続きがございまして
当然 お客様の様に 他所からいらしゃる方は
そんな話は知りません
先日 道中て鍵を落とした と言うお客様がいらしゃたんですよ
ご自分を通った道を じっと目と凝らしながら 地面を見つめて
ないそう ないそう と
すっと視界に割り込むように差しらされた手には
見慣れた鍵が ああ これは どうも ありがとうございます
少し 移動致しますので
手を引かせていただきますね
左手を
はい お立ちください
"Credit goes to hana from Bahamut (Taiwan site) for the JP Script."
- Hayate