パート1 可愛いぼくちゃん♪
ただいま……ふふっ、ちゃーんと良い子にしていたかしら?
あらあらぁ、そんなに嬉しそうなお顔で近づいて来てぇ……ふふっ♡
わたしがいない間、寂しかったのかしら?
ふふっ、いっぱい頭を上下に振っちゃってる…♡
ぼくがどれだけ寂しかったか、もう十分伝わったよ。
でもぼく、何か忘れてなぁい?
ぼくの嬉しい気持ちは伝わったけどぉ…
理緒女王様がお家に帰ってきたんだよ。
言わなきゃいけないこと、…あるよね?
忘れちゃった? ほら、こう言うの。
おかえりなさいませ、理緒女王様……だったよね?
んふっ……そう、よく言えました♡
寂しくてぇ、お出迎えのご挨拶を忘れちゃってたのかな?
そんなに寂しがらせちゃってたかなぁ…?
ぼくってばと~っても寂しがり屋さんなのね♡
んん~~、……でもおかしいわねぇ~。
ぼくはそんなに寂しがる必要なんてないんじゃなあい?
だってわたしたち、こうやって同じマンションの一室に暮らしているんですから。
一緒に暮らし始めて、もうすぐ1ヶ月ってところよね。
もうそろそろこの生活にも慣れてくれたと思っていたけど……。
でもどうして寂しいなんて思うのかな?
ほんの一時間くらいしか家を空けていないわよ?
……もしかして、他の子の所に行ってしまったって心配になったりしちゃった?
ふふっ、図星だったみたいね。
誤魔化しても無駄よ、だってぼくはウソをつくのが下手なんだから。
それに理緒女王様にウソをつくなんて、そんなことしないはずよね?
……はい、正直でよろしい♡
でも心配してくれるのは嬉しいけど、ぼくは心配のしすぎね。
だって他の子の元になんて行くわけないでしょ?
わたしはぼくだけの女王様なんだから……。
……いくら言っても不安みたい。
大好きな人が傍にいないと心配になっちゃうのね。
だったら何度でも、安心するまで言ってあげるね。
こうやって理緒女王様に好かれるいい子は、ぼくだけなの。
だから他の子とは違って、ぼくは特別なのよ?
他の子にはしてあげないことも、ぼくにだけはしてあげてるの。
こうやって理緒女王様の部屋に一緒に住むのも、ぼくだけよ?
それにわたしも、ぼく以外にはこんなことしてあげないし、してあげたくないわ。
ぼくが特別だから……分かってくれたかしら?
……ふふっ、そう言われても寂しい?
そうやって寂しがってくれるところ、本当に可愛いんだから。
本当に理緒女王様のこと……私のことが大好きなのね♡
思わず甘やかしたくなっちゃうけど……それじゃダメよね?
だってそんなことしたら、ぼくを良い子に躾けてあげれないもの。
ぼくもそう思うよね?
理緒女王様にもっとも~っと可愛がってもらえる、そんな良い子になりたいわよね?
ふふっ……もうっ、そんなに頭を上下に振らなくても大丈夫よ。
ぼくを良い子に躾けてあげるために、わたしがいるんだから。
今でも十分良い子だけど、もっとたくさん良い子にしてあげるの。
そうしたらもっと、たくさんたくさん可愛がってあげる……。
そして色んな躾もしてあげる……。
ふふっ、嬉しい?
そんなに息を荒くして……もしかして「色んな躾をしてもらえる~」って想像して、興奮しちゃったかしら?
ふふっ、可愛いんだから♡
……あら、どうしたの?
可愛がってあげるって言って喜んで興奮してたのに、すぐに落ち込んじゃったりしちゃって。
……もしかして、この間のこと気にしてるの?
大丈夫よ、気にしないで。
誰にでも失敗はあるんだから。
それに、マッサージをお願いしたのは初めてだったからね。
初めから上手くできなくても落ち込まなくていいのよ?
みんな失敗を重ねていきながら上手になっていくの♡
少しずつ、少しずつね。
だから気にする必要なんて……。
んん~?……それでもまだぁ…落ち込んじゃってるのね?
さっきからずっと、悲しそうな顔しているもの。
気にする必要なんてないのに……。
だって上手く出来ない子ほど、躾のしがいがあって楽しいんですもの♡
それが理緒女王様の役目で、一番楽しい部分なんですから♪
そうやって今までも、わたしが色んな事を教えてあげたでしょう?
ほら思い出して?
最初から何でも出来たわけじゃなかったはずよね。
一緒に色んなことを練習して、ようやくここまでやってこられたんだから。
それに……そうやって失敗を真摯に受け止めてくれるぼく、わたしはとっても大好きなの。
だってそれだけ、わたしに喜んで欲しくて頑張ってくれているってことでしょう?
だとしたら、頑張ってくれれば頑張ってくれる程、嬉しいの♡
それが例え、失敗したとしても……。
大切なのは結果じゃなくって、努力した中身だと思うなぁ~。
私に喜んで欲しくて、あのときたくさん努力してくれたでしょう?
……ふふっ、思い出した?
だからそんなに落ち込まないで、出来るように頑張っていきましょう。
もちろん、ぼく1人で頑張る必要なんてないのよ?
わたしはぼくの理緒女王様なんだから、最後まで躾をしてあ・げ・る♡
だから安心して、頑張りましょ?
……ふふっ、やっ~と笑顔に戻ってくれた。
そうやっていつも笑顔でいてくれると私と~っても嬉しいわ。
さあ、そろそろ躾をする時間ね。
準備はいいかしら……ふふっ、やる気まんまんって感じね。
でも無理はしないようにね?
できるところから始めて、少しずつ頑張っていけばいいのよ。
それじゃあ早速、今日も始めて行きましょうね♡
ほら、いつもの場所に移動しましょう。