14 VSバスケ部主将編8
14 VSバスケ部主将編8
ほぼ無人の電車に乗る二人。
チアの大会の帰り。
夕焼けがきれい。
葵は、念願の大会出場ができたということで、
感傷に浸りつつ、会話が交わされる。
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(ゴトンゴトン…夕方。電車に乗る音)
葵:
はぁ…。ほんと…ありがとね。
君たちの…、キミのおかげで…
念願の大会に出られたよ…。
ううん。いいのいいの…。
ミスなんて、気にしないで?
完璧にやることのほうが難しいんだし…。
私の眼には、君たちの演技、すっごい決まってたと思うよ?
気づいた? キミばっかり撮ってる、カメラマンがいたの。
男の子だなんて知ったらびっくりするだろうなあ…。
ふふっ…。
…
あー…、でも、ほんとに良かった。
私ももう、卒業だし…、
大会に出たって思い出、欲しかったの…。
あ…、うとうとしてるね…。
流石につかれちゃったよね。
バレてないかにも、神経使ったもんね…。
ほら、こっちに、身体預けていいよ。
私たちのほかに、乗客いないし…。
ん…。頭、なで、なで…。ふふっ…。
なで、なで…♪
あ、橋…渡るね…
私、この時間のこの景色…大好き。
黄金色に、水面が輝いて…まるで、物語の舞台のようで…。
ん…。
時間よ、とまれ……。
…
…そんなことは、言ってられないよね…。
私たちには、まだ、やることがたくさんあるもの。
さっ、今度は、キミの番だね。
チア部を助けてもらって、ブランク、ちょっと出来ちゃったから…。
メンバー総出で、大会に向けて、バスケ部の応援をしてあげるからね♪
そう、特別な応援ね…
すっごい、元気出ると思うよ…♪
練習の後にね…
お風呂で…”特別な”、やわらかぁいスポンジで、背中むにむに洗ってあげるし…、
この、指でも、いろ~んなとこ…丹念にマッサージしてあげる…♪
んふふっ…♪
さらに、大サービス…。
試合で勝つ度に…ア・レ・も♪ させてあげるから……♪
あれ…どうしたの?
はぁはぁしちゃって、目を輝かせて…♪
私なにか、変なこと言ったかなぁ?♪
あははっ…。やっぱり、キミは、かわいいね…♪
ほら、こっち向いて?
いいじゃない、誰もいないんだし。
唇つきだして…、ほーら…。
んーーー……。
ちゅうっ♪ ちゅっ、んむ…、んちゅっっ♪♪
ふふ、だいすき、だよ…♪
(14 VSバスケ部主将編8 おわり)