独り言
「ふー。ベッドまで運んで、痕跡消すの、今回はかなり大変だったなぁ……」
「でも、ちゃんとすぐに気付いてもらえたから。きっと、間に合うよ」
「あっちに着いちゃうまで、それまでしっかり……魂のほうも抱きしめててあげる」
「この状態って、意識があるんだかないんだかわかんないんだよね……。だから、これはアタシの独り言。自己満足。アンタが聞いてたって、聞いてなくたって、どっちでもいいよ」
「……アンタが助けようとしてくれた子ね。実はアタシの姪にあたるんだ」
「姉としてのワガママだけど。あいつと、あいつの家族には、ずっと幸せでいてほしかったの」
「だからって、アンタが代わりに死んでくれて良かったなんて、そんなことは絶対言わないけど」
「お礼にこれくらい、してあげても、全然いいかなって思ったのは本当だよ」
「……だいぶ、過激になっちゃったけど、ね……」
「でも、きっと、こんだけ強烈だったらずっと、生まれ変わっても……、覚えててくれるでしょ?」
「……なーんてね」
「あー、もうちょっとスピード手加減すれば良かったかな。もう、着いちゃうね……」
「……じゃあ、ね。……ありがと。……そして……さよなら」