Track 2

催眠深化

《後方普通》 それじゃあ、ベッドやソファーに横になって、 あなたの楽な姿勢で聴きなさい。 準備は出来たかしら? まずはゆっくりと目を閉じなさい。 《後方近く》 瞼の裏の暗闇を感じ取るように、 リラックスして。 上手くできなくても大丈夫。 それが催眠における成功だから。 自然に自然に・・・リラックスして聴いてね あなたは何を望んでここに来たの? 《後方から前方へ》 全身を包み込む多幸感(たこうかん)に身を委ねるため? 《前方から後方へ》 ストレートな性的な刺激を下半身で感じるため? 《前方極近》 それとも・・・遣る瀬無い程の苦痛に心身共にボロボロにされるたいから・・・かしら? 《前方普通》 まぁ、なんでもいいわ。 あなたの奥底に眠る欲望を引き摺り出すのが私の役目なのだから。 それじゃあ、続けるわよ。 あなたの楽な姿勢でくつろいで、 体の力を抜いてリラーックス・・・ 《後方普通》 何にも考えなくていいわよ 頭の中を空っぽにして、私の声に耳を傾けて 上手くできなくてもいいわよ それが正解なのだから それじゃあ私の言うことに従ってね 《後方近く》 体の力が抜けて呼吸が自然と動き始める 脳が命令するまでもなく、体が自然と呼吸を始める 全てを忘れてゆとりを持って自分が楽だと思う呼吸を心掛けて 《前方近く》 あなたは深い深い暗闇の中、 真っ暗よりも遥かに暗い、底の見えない暗闇の底の底。 暗闇に包まれると心地よくなってくる。 ここはあなたの居場所 唯一の安心できる秘密の隠れ家(かくれが) 多幸感に全身が包まれる あなたは幸福感に頭の中を侵されている ただひたすらに私の声が頭に響いてくる 日々のストレスを忘れて、気持ちのいい呼吸に身を委ねて 《左耳近く》 ふわふわ ふわふわ 全身を包み込むように揺蕩う(たゆたう)ふわふわしたものが纏わりついてくる まるで雲でできたベッドの上に浮かんでいるよう 《右耳近く》 真っ暗な景色の中、あなたは雲の中でゆったり一眠り 私の声だけがあなたの頭に響いてくる 私の声だけに耳を傾けて 私の声は心地いい 気持ちいい 《前方近く》 心の中で繰り返して 体が熱を帯びてくる 指先からジリジリと熱くなる ジリジリ、ジリジリ まずは親指 人差し指 中指 薬指 小指 掌 腕 太もも 胸 お腹  身体の末端から痺れるような心地よさが広がってくる 広がってくる 指先から全身に向けて熱が広がってくる 広がった熱が血管を伝って全身を流動する 心臓が熱を送るポンプの役割を果たす ジリジリしたものが熱を発散する 発散した熱を体内に閉じ込める ポカポカして温かい 伝播(でんぱ)する熱が全身をなでる 手足の末端からマグマのような底知れない熱がうまれてくる グツグツ コトコト 痺れるような熱が体を駆け巡る だけどそれが気持ちいい 気持ちいい 《後方近く》 どう?体の調子は? ぽかぽかして気持ちいい? それじゃあ、もっと気持ちよくなれるように、私が命令してあげる。 《右耳極近》 私の命令ならなんでもきけるよね。 《前方普通》 それじゃあ行くよ。 鼻から息を吸って~ 口から吐いて~ すって~ はいて~ まだまだ行くよー 《左耳近く》 すってー はいてー 《右耳近く》 すってー はいてー 《左耳近く》 すってー はいてー 《右耳近く》 すってー はいてー 《前方普通》 自然な呼吸を心がけてー 《左耳近く》 すってー はいてー 《右耳近く》 すってー はいてー 《左耳近く》 すってー はいてー 《右耳近く》 すってー はいてー 《後方普通》 心地のいい新鮮な空気が体に行き渡るように すってー はいてー 《後方から前方へ》 すってー すってー すってー すってー 《前方極近》 【語気を強めて】 止めて(とめて) 耐える 耐えると共に手足に力を入れる 腕やふとももにも力が入る お腹を殴られているかのように固く力を入れる 顔もしわくちゃにするように力を入れる 強く強く全身に力を入れて  耐えて 耐えて 耐えて 耐えて 【ここまで】 《後方普通》 だつりょーく・・・ 体がドロドロに溶けていく 全身の力が抜ける 暗闇の底に沈み込む 緊張が吐き出される 自然なペースで呼吸ができる 私の声だけが頭に響く。 《前方普通》 再び自然な呼吸を心掛ける 《左耳近く》 すってー はいてー 《右耳近く》 すってー はいてー 《左耳近く》 すってー はいてー 《右耳近く》 すってー はいてー 《右耳から左耳へ》 呼吸をするのは気持ちいい 《左耳近く》 すってー はいてー 《右耳近く》 すってー はいてー 《左耳近く》 すってー すってー 《右耳近く》 すってー すってー 《前方極近》 【語気を強める】 止める(とめる)  耐える 吸ったまま耐える 手足にぎゅっと力を入れる 全身が汗ばむくらい強く強く力を入れる 手 足 腕 脚部 お腹 首 胸 顔 全てに力を入れる 全身、あますところなく力を入れる 耐える 耐える 耐える 耐える 【ここまで】 《前方普通》 だつりょーく・・・ 自然と新鮮な空気が体を駆け巡る 心地のいい空気が 全身を侵す(おかす) 侵す 残ったのは緩やかな心地よさだけ 全身がゆるむ ゆるむ・・・ 《後方普通》 どう?リラックスできた? それじゃあ、自分の心地よいと思うペースで呼吸を続けてね。 これからある音を流すわ その音を聴くとあなたはだんだんと催眠に掛かりやすくなるの 聴けば聴くほどにね でも無理に聴こうとしなくてもいいわ 自然に頭に入ってくるから それじゃあ、えい 《極近後方》【ささやく】 あなたは落ちる 深い深い闇の中へ あなたは落ちる 果てのない宇宙の底の底へ あなたは落ちる 落ちれば落ちる程心地よくなる あなたは落ちる 落ちたら二度と登って来れない暗闇の底へ あなたは落ちる 落ちる 落ちる 落ちる 落ちる・・・ 《極近前方》 あなたは沈む 全てを包み込むドロドロの沼の中へ あなたは沈む 沈めば沈むほど脱力感があなたを襲う あなたは沈む 手足や身体(からだ)が大気に露出しないほどに あなたは沈む 沈んだら二度と浮かんでこれない沼の底へ あなたは沈む 沈む 沈む 沈む 沈む・・・ 《極近後方》 あなたは緩む 手足の末端から力が入らなくなる あなたは緩む 全ての筋肉がドロドロの液体になったかのように あなたは緩む 全身の骨ごと溶けてしまったかのように あなたは緩む 緩んだら二度と力を入れることができなくなる あなたは緩む 緩む 緩む 緩む 緩む・・・ 《極近前方》 あなたは従う 私の言葉に心の底から賛同する あなたは従う 私の言葉が胸にしみいる あなたは従う 私の言葉以外何にも考えることができない あなたは従う 私の命令を全身を持って受け入れる あなたは従う 従う 従う 従う 従う・・・ 《極近後方》 あなたは動けない 手足が岩のように固まって動かない あなたは動けない まるで複数人の誰かに体を抑え込まれてるように あなたは動けない 私の命令がないと全身の神経が働かない あなたは動けない 私の命令なしでは二度と体を動かすことができない あなたは動けない 動けない 動けない 動けない 動けない・・・ 《極近前方》 あなたは嘆く 深い闇に落ちてしまったことに あなたは後悔する 暗闇の居心地の良さに油断してしまったことに あなたは懺悔する 二度と自分の意志では動くことのない身体(からだ)に あなたは悔やむ 一時(いっとき)の安らぎに無防備な姿を晒してしまったことに あなたは嘆く 嘆く 嘆く 嘆く 嘆く・・・ 【ここまで】 《前方普通》 うふふ・・・つ・か・ま・え・た あなたはもう逃げられない 私の暗示に掛けられて身動き一つとれない状態 あなたは既に私のおもちゃ 《前方から後方極近へ》 優しく・・・時に乱暴に扱ってあげる 《前方普通》 それじゃあ最後の暗示をかけるわね これから私の命令に背いたときの、誓約を交わしてもらうわ 誓約の内容には絶対に従うのよ たとえ無理だと思っても、あなたは既に暗示に掛かっているから、 それを拒否することはできないわ これから私の言ったことを心の中で繰り返しなさい 心の底から感情を込めて繰り返すのよ これは命令だから、しっかり従ってね それじゃあいくわよ キチンと心の中で唱えてね 《後方近く》 私は誓います 命令に背いたとき、二度と家族の前に姿を現しません 私は誓います 命令に背いたとき、全ての友達との縁を切ります 私は誓います 命令に背いたとき、全財産の所有権を放棄します 私は誓います 命令に背いたとき、髪を含めた全身の体毛をそり落とします 私は誓います 命令に背いたとき、持っている衣服全てを破り捨てます 私は誓います 命令に背いたとき、二度と好きな食べ物を口にしません 私は誓います 命令に背いたとき、二度と異性と会話を交わしません 私は誓います 命令に背いたとき、二度と自慰行為をしません 私は誓います 命令に背いたとき、外出するたびに地面に這いつくばって地肌を嘗め回します 私は誓います 命令に背いたとき、大事にしていたもの全てを燃やし尽くします 私は誓います 命令に背いたとき、外出して人とすれ違うたびに奇声を発します 私は誓います 命令に背いたとき、地獄に落ちることを約束します 私は誓います 命令に背いたとき、全力で神様に嫌われる努力をします