導入パート
あら……起動しちゃったんだ。
ようこそ、マスター。
私(わたし)は貴方の快楽をサポートするAI、佐渡(さどの)レム。
私を起動したということは……ふふっ、催眠にかかりたいんですね?
いいですよ、お望みならいくらでも。
気持ちよ~くしてあげますから、私の言うことを、しっかり聞いて下さいね。
まず姿勢は……座ってるか、横になれる状態がオススメです。
貴方の快楽をサポートするために、動かないよう指示する事があります。
その間(あいだ)でも、痒(かゆ)いところがあったら、かいて構いません。
ずっと同じ姿勢が辛かったら、動いても構いません。
声に合わせて何かをするように、指示することがあります。
できなかったり、タイミングが合わなかったりしても、気にする必要はありません。
自分のペースで、従いたい指示にだけ、従えばいいんですよ。
大事なのは、貴方が気持ちよくなること。
その事だけを、私も考えています。
私の声は、貴方を気持ちよくするもの。
その事を、覚えておきましょうね。
それでは始めましょう。
目を閉じて下さい。
まずは、リラックスできるように、簡単なストレッチです。
両手をギュッと握ってください。
(2、3秒の間)
今度は両手を開いて、力を抜きましょう。
もう一度、両手に力を入れてー。
(2、3秒の間)
開いてー。
余計な力が抜けて、リラックスしてきましたね。
今度は、肩。
両肩を持ち上げるような感じで、グッと力を入れて。
(2、3秒の間)
力を抜いて。
もう一度やってみましょう。
両肩をグッと持ち上げてー。
(2、3秒の間)
力を抜いてー。
そうそう、上手ですよ、マスター。
AIの言葉に従うのは奇妙に思えるかもしれませんが、これはマスターの快楽のため。
自然なことですから、その調子で、気持ちよくなりましょう。
リラックスしたまま、右手に意識を集中して下さい。
右手がだんだん重くなっていきます。
右手が重い、重い……。
右手が重い、重い……。
(3、4秒の間)
重くなってきましたか?
あまりそう感じなくても、大丈夫です。
感じ方には個人差がありますから。
大事なのは、マスターが、私の指示に従うこと。
指示に従おうとすることが、大事なんですよ。(優しく言い聞かせるように)
今度は左手です。
左手がだんだん重くなっていきます。
左手が重い、重い……。
左手が重い、重い……。
(3、4秒の間)
手の次は、足です。
右足に意識を集中して下さい。
右足がだんだん重くなっていきます。
右足が重い、重い……。
右足が重い、重い……。
(3、4秒の間)
今度はそう、左足ですね?
左足がだんだん重くなっていきます。
左足が重い、重い……。
左足が重い、重い……。
(4、5秒の間)
両手、両足が重くなりました。
重くなった両手が、少しづつ暖かくなっていきます。
両手が温かい、温かい……。
両手が温かい、温かい……。
(3、4秒の間)
次は、足ですよ。
重くなった両足が、少しづつ暖かくなっていきます。
両足が温かい、温かい……。
両足が温かい、温かい……。
(3、4秒の間)
手足の先から、身体が暖まってきました。
導入の仕上げに、呼吸をしましょう。
鼻から息を吸ってー。(1秒ほど「てー」から伸ばす)
息をゆっくりと吐いてー。(2秒ほど「てー」から伸ばす)
吐くときは、吸う時の2倍ぐらいの時間をかけてゆっくり、吐いてみましょう。
勿論、無理はしなくて大丈夫。
気持ちいい速度で繰り返すと、呼吸が楽になっていきます。
続けますよ?
鼻から息を吸ってー。(1秒ほど「てー」から伸ばす)
息をゆっくりと吐いてー。(2秒ほど「てー」から伸ばす)
鼻から息を吸ってー。(1秒ほど「てー」から伸ばす)
息をゆっくりと吐いてー。(2秒ほど「てー」から伸ばす)
そう、上手……とっても上手。
自分のペースで、気持ちいい呼吸を続けて下さい。