双子との会話(第一夜)
レンカ「あ、目が覚めたみたいだよ!」
セリカ「気分はいかが?どこか痛いところはある?」
レンカ「大丈夫?熱はないかな・・・って、避けないでよぉ。
むぅ、お前ら誰だって・・・命の恩人にそれは失礼なんじゃない!?」
セリカ「あなた、門の前で倒れていたの」
レンカ「二人でここまで運んであげたんだよ。
あのままだったら野犬に食べられちゃってたかもね」
セリカ「くすくす・・・謝らなくていいの、驚いただけでしょう?
別に気にしてないわ」
レンカ「まあ、驚いちゃったなら仕方ないよね。
あははっ、気にしてないって。そんなかしこまらないでよ」
セリカ「お礼を言われるのは嬉しいけどね・・・
どうしたの、首傾げて?ああ、私たちの名前?」
レンカ「そういえば、まだ名前言ってなかったね」
セリカ「名乗りもせずごめんなさい・・・私はセリカ」
レンカ「レンカだよ。ボクたち双子なんだ」
セリカ「二人でこの屋敷に住んでいるの」
レンカ「・・・うん。二人で、だよ」
セリカ「まあ、お話の続きはお茶でも淹れてからにしましょう?
お腹空いてないかしら、簡単なものならすぐに用意できるけど」
レンカ「ボクも手伝うよ。何か食べたいものある?
・・・え、早く帰らなきゃって・・・今から?」
セリカ「もう日も暮れてしまったし、帰るのは無理じゃないかしら?
今夜はうちに泊まっていって」
レンカ「あ!それいいね、泊まっていきなよ!部屋も空いてるからさ」
セリカ「食事もお風呂も用意するし、悪くない話だと思うけど」
レンカ「安心してよ。後から宿代払ってなーんて言わないからさ」
セリカ「そうそう、二人きりで寂しい私たちに
ちょっと付き合って欲しいだけなの・・・ね、いいでしょ?」
レンカ「お客さんなんて滅多にないからさ
ボクたち嬉しくて仕方ないんだ・・・だから、お願い」
セリカ「・・・ふふ、ありがとう。くつろいでいってちょうだい」
レンカ「うん・・・気が済むまで、ゆっくり、ね」