AM9:00 あなたといっしょに目を覚ました。
んっ・・・どうしたの、大きな声を出して?
まだ午前中じゃない・・・ふはぁ・・・ふふ、おはよう。
ここはわたしの家よ、どこにいたっておかしくないでしょう。
それよりもほら、起きたならちゃんと挨拶なさい。おはようございます、よ。
どうして顔を逸らすの・・・?
え、この格好がどうかした?
可愛いでしょう、ピンクのネグリジェ。
買ったばかりなの。
眠っていたんだもの、寝間着を着ていることに何の不思議もないじゃない。
ただ・・・くすくす、いつも着ているものよりもすこーしだけ生地が薄いけど。
あ・・・待って。お嬢様という呼び方は正しくないわ。
はい、解雇通知。
あなたはうちの使用人では無くなったの。
今まで学校まで送り迎えしてくれて本当にありがとう。
でも・・・もう運転手さんって呼べなくなっちゃった。
くすくすっ、赤くなったと思ったら青くなって。面白い人ね。
ここもさっきまで寝起きだからか大きくなってたと思ったらへニョって縮んじゃったし。
昨日が何の日だったか覚えている?
そう・・・わたしのお誕生日。
わたしは正直、ひっそりお祝いする方が好きなんだけれど・・・
お父様のご趣味であれだけ盛大なパーティ開をいてしまって・・・疲れたわ・・・。
ま、それはどうでもいいの。
わたし・・・両親と約束をしていた「お付き合いをしていい年齢」になったの。
だからわたし・・・プレゼントに恋人をお願いしたわ。そう、あなたよ。
どういうことかわからない?
ずっと前から約束していたのよ。
あなたを住み込みの運転手として採用してくれって頼んだのはわたしなの。
あなたがまだ・・・お父様の会社の社員さんだった頃・・・
お父様を家まで送ってくださったあなたにお礼を言おうと話しかけたら
あなたが言葉を噛んでしまって・・・赤くなった顔が年上の男性なのに可愛くって・・・。
わたしね、好きになってしまったの・・・一目惚れってこういうのを言うのね。
だから欲しいってお願いした。
「2年後の誕生日まで恋愛感情が継続していたら」って条件をクリアして・・・
そして今、あなたに告白しているの。
もちろん・・・それを受け入れるのかを決めるのはあなた自身。
あなたがわたしのプレゼントとして・・・
わたしの恋人、未来の旦那さまになることを受け入れれば
住居も財産も将来だってすべて約束してあげる。
冗談?ドッキリ?
わたしは悪戯をするのは嫌いじゃないけど、これは本気よ。
あら、お嬢様の旦那様になる人は幸せですねって言ってくれたじゃない。
だから・・・あなたをその幸せ者にしてあげるの。
断らない・・・断れるわけないわよね。
住むところもお仕事もなくなって路頭に迷うのと
わたしの旦那さまになって全て手に入れるの。
どちらがいいかなんて、考える必要あるのかしら?
わたしのこと、可愛いって誉めてくれたでしょう。
それに・・・他に恋人になりそうな女性もいない。
ずっとあなたを見てきたもの・・・きちんと専門の方に頼んで調べてあるのよ。
ね、はいって言って?
わたしのプロポーズを受けるって言いなさい・・・。
くすくす・・・よくできました。
これでわたしたちは恋人同士ね。
そして今日は、恋人同士の初めての休日。
あなたと過ごすために色々と準備をしたの。
ペットボトルの飲み物に、お菓子にゲームにアニメのブルーレイディスク。
恋人同士の休日っていうのは二人きりで自堕落に過ごすものでしょう?
ベッドで一日中、テレビを見てゲームをしてゴロゴロしたままお菓子を食べて、
シャワーもトイレも部屋に備え付けられているし・・・一歩も外に出ないで過ごすの。
お互い以外の誰にも会わないで
お互い以外の誰とも話さないで
お互いがお互いをゆるゆると拘束し合うの。
わたしのこの格好だってそうよ。
他人はともかく、親にだって見せられないでしょう。
とてもね・・・憧れていたの・・・。
いやらしくて、だらしなくって・・・気持ちのいい、そんな休日。
また赤くなっちゃった。ほっぺた・・・
・・・何かしら、この手は?どうしてわたしが触れるのを邪魔したの?
・・・やっぱり、お付き合いしたくないのかしら・・・。
残念ね・・・じゃあ、そのまますぐにお屋敷を出て行って・・・。
今日はとても寒い日だけど、あなたがここにいる権利はもうなくなったのだから・・・今すぐによ。
嘘よ。大好きなあなたに酷いことするわけないじゃない。
じゃ、触らせて・・・くすくす、ほっぺたあったかぁい♪
ぎゅうって抱きつくと・・・わたしのほっぺたもあったかくなっちゃう。
ほぉら・・・耳まで真っ赤。
んぅ・・・ちゅ、ちゅぷ・・・何するのって、耳を舐めているに決まってるでしょ?
キスとセックスは結婚するまで駄目だって言われてるけど、
別に耳を舐めちゃいけないなんて言われてないもの。
もっと言えば・・・唇同士のキスと挿入行為以外はしてもOKだってこと。
屁理屈?
あはは、確かにそうかも。
でも・・・私ね、せっかく恋人ができたのに、その人にに何も触れずにいるなんて
そんなことが出来るほど我慢のきく良い子じゃないの。
くすくす・・・もっと清楚で可愛らしいお嬢様だと思ってた?
ごめんなさい。
わたしね、結構わがままで、オタクさんで、嫉妬深い女の子なの。
ルールを決められたなら、破らない範囲で屁理屈こねたっていいじゃない。
そんな風に考えている子なの。
んぷっ、ちゅぅ・・・れろっ・・・んぅ、汚いからダメだって?
くすくす・・・私は汚いなんて思ってないからいいじゃない。
それに耳は、ここが性感帯だって人もいるくらい、セクシャルな部分なんだから。
キスしたり舐めたりしたくなっても当然でしょう。
むー、強情ね。
それなら私が掃除してあげる。
いいでしょう、耳掃除・・・大人しくさせなさい。
汚いからやめてくださいって言うなら・・・綺麗にしてあげる。