中二病妹の邪気眼マッサージ○
ふふ、見てくださいませ、お兄さま・・・いいえ、騎士さま!
このドレス、懐かしいでしょう?
・・・ゴスロリ服?
ち、違いますの!
これはユニコーンのたてがみを縫い込んで織られた聖女の法衣で
私たちが初めて会ったときに身につけていたものですわ!
そう・・・最初は敵同士だった二人・・・。
我が父を倒すための人質にせんと騎士さまが私をさらいに来たあの日!
突きつけられた刃、黒い甲冑の奥で光る野獣のような目、力強い腕・・・
怯えつつも私はその全てに惹かれてしまいましたの・・・。
父はサラリーマン・・・って現世の話じゃありませんわよ!?
おかしいですわ・・・封印はもう解けたのに何故記憶が戻らないんですの?
あまりに長い眠りの間に記憶の海の底に沈んでしまったのかしら。
安心してください、お兄さま!
私の力であなたの暗黒騎士の意識を呼び覚ましてさしあげます。
・・・何をためらっていますの?
戦いの日は近い・・・私たちが共に力を取り戻さなければ勝つことはできませんわ!
ふふふ・・・じっとしてくださいませ。
お兄さまの耳から頭へ私の法力を伝えます。
これを使って・・・ね。
このまあるい宝石、綺麗でしょう?
私の力を結晶化させたクリスタルですの。
こうやって・・・んんっ、んぅーっと・・・
クリスタルで刺激することで魔力を受け取りやすくなるのです・・・ふぅ、ん・・・。
冷たい?ん、くっ・・・ふぅ・・・そうですわね。
黒い炎を操る騎士さまにとっては、
私の力は冷たく感じられるかもしれません・・・。
でもこれは・・・あなたを傷つけたりはしませんわ。
ん、んんっ・・・ぎゅっ・・・ぎゅぅ・・・んん・・・ふぅ・・・ん・・・。
耳の周りを・・・ふぅ、ん・・・円を描くように、ゆっくりと・・・。
力の流れを感じてください、お兄さま。
私の手からクリスタルを介して・・・
お兄さまに伝わる流れを・・・んんっ・・・んぅ、ふ・・・。
私の聖なる力とお兄さまの闇の力が・・・んんっ、んーっと・・・ふぅ・・・
混ざり合っていくのが解るでしょう?
っしょっと・・・ふぅ、ん・・・・・・ん、っく・・・んー・・・。
ふふふ・・・んんっ、ほら・・・思い出してください。
天使の姫君と・・・暗黒の騎士さまの・・・悲しい恋の伝説をぉ・・・!
ふぅ・・・こんなものかしら?
私としたことが、つい意気込みすぎて汗をかいてしまいましたわ。
仕上げに・・・聖天使の印を耳に刻みます。
このダークロティオンで!
・・・ん?何を慌てていますの?
油性マジック・・・人間界ではそう言うみたいですわね。
水の精霊の守りを得ていますから、そう簡単に消えたりしませんわ。
お風呂も安心して入ってくださいませ。
はいはい、動いてはなりませんわよ・・・
ん、っしょっと・・・ここをこうして・・・こう・・・。
んんっ・・・平らじゃないから書きづらいですわ・・・
ん、っく・・・ここに・・・きゅっきゅーっと。
ふぅ!できましたわ!
これで常にお兄さまの耳に私の力が送られます。
早く目覚めて・・・二人でこの世界を守りましょうね。
愛しい暗黒騎士さまに聖天使の息吹を・・・ふぅー・・・。