Track 2

転落への予兆(1)

:幾度も不良と話をするも、のらりくらりと躱され続け、 :母は彼に対して強い憤りを覚えている。 :今日こそは、とこの日も不良の元へと出向いていくが、 :戻ってきた時の様子がおかしくて……。 …あの子、本当にどうしようもない子ね。 こんなことは言いたくないけれど、 きっと教育の仕方が悪かったんだわ。 目上に対する態度もなってなくて、 すごくチャラチャラしてて…。 わたしは真面目に話をしてるのに、 ず~っとニヤニヤとこっちを見てるのよ? わたしの身体を上から下まで 舐め回すみたいな露骨な視線で。 …あんな子、絶対にあなたには関わらせない。 大丈夫、今日こそはガツンとケリをつけてくるから。 大人相手にいつまでもフザけた態度は取れないってコト、 よ~く分からせてあげる。 じゃあ、行ってくるね! (少し間を置く) …ただいま。 あぁ…うん、ちゃんとお話…してきたよ。 …えっ、なにか元気がないって? ふふっ…平気よ、あなたは何も心配しないでいいの。 その…意外と話も上手くいきそうだし。 お母さんに任せていれば全部問題ないから…♪