転落への予兆(1)
:幾度も不良と話をするも、のらりくらりと躱され続け、
:母は彼に対して強い憤りを覚えている。
:今日こそは、とこの日も不良の元へと出向いていくが、
:戻ってきた時の様子がおかしくて……。
…あの子、本当にどうしようもない子ね。
こんなことは言いたくないけれど、
きっと教育の仕方が悪かったんだわ。
目上に対する態度もなってなくて、
すごくチャラチャラしてて…。
わたしは真面目に話をしてるのに、
ず~っとニヤニヤとこっちを見てるのよ?
わたしの身体を上から下まで
舐め回すみたいな露骨な視線で。
…あんな子、絶対にあなたには関わらせない。
大丈夫、今日こそはガツンとケリをつけてくるから。
大人相手にいつまでもフザけた態度は取れないってコト、
よ~く分からせてあげる。
じゃあ、行ってくるね!
(少し間を置く)
…ただいま。
あぁ…うん、ちゃんとお話…してきたよ。
…えっ、なにか元気がないって?
ふふっ…平気よ、あなたは何も心配しないでいいの。
その…意外と話も上手くいきそうだし。
お母さんに任せていれば全部問題ないから…♪