Track 2

転落への予兆(4)

:聞き手との会話の中で、不良の話が増えてくる。 :それも彼に対して好意を感じさせるような内容ばかり。 :聞き手はそんな母の態度に不満を漏らすが……。 …でね、カレったらホントに面白いの。 前に逢いに行ったときだって――。 なぁに、その不満そうな顔は。 …カレのことを話すときの わたしが楽しそう、って? ふふっ…そうかなぁ…うん、そうなのかも。 実の息子と同い年の男の子なのに、 カレってスゴく大人びてるのよね…♪ あのチャラい感じの雰囲気も、 逆にちょっとイイかも…なーんて思っちゃう。 …だからぁ、そんなに"お友達"のことを 悪く言っちゃダメでしょう? お母さん、カレじゃなくて あなたの方をお説教しないといけないのかしら。 カレはカレなりに悩みごとがあるのよ。 わたしにも色々と気を使ってくれるし… あんまりワガママ言わないで? あなたもいい歳した男の子なんだから、 カレみたいにもう少し立派にならないと、ね。