転落への予兆(4)
:聞き手との会話の中で、不良の話が増えてくる。
:それも彼に対して好意を感じさせるような内容ばかり。
:聞き手はそんな母の態度に不満を漏らすが……。
…でね、カレったらホントに面白いの。
前に逢いに行ったときだって――。
なぁに、その不満そうな顔は。
…カレのことを話すときの
わたしが楽しそう、って?
ふふっ…そうかなぁ…うん、そうなのかも。
実の息子と同い年の男の子なのに、
カレってスゴく大人びてるのよね…♪
あのチャラい感じの雰囲気も、
逆にちょっとイイかも…なーんて思っちゃう。
…だからぁ、そんなに"お友達"のことを
悪く言っちゃダメでしょう?
お母さん、カレじゃなくて
あなたの方をお説教しないといけないのかしら。
カレはカレなりに悩みごとがあるのよ。
わたしにも色々と気を使ってくれるし…
あんまりワガママ言わないで?
あなたもいい歳した男の子なんだから、
カレみたいにもう少し立派にならないと、ね。