プロローグ
(正位置・通常)
ふふ。
ごきげんよう。
私がこの第6帝国の総統、ベルベットだ。
国民からは総統とか閣下とか呼ばれているが、まあ、そんなに固くなるな。
(右・通常)
ん~?
怯えているのか?
ふむ、まあ、それもそうか。
まさか総統自らがお出ましとは、思ってもいなかっただろうからな。
(正位置・通常)
ふふ。
私は怯えた男が大好きでな。
これから貴様をたっぷり可愛がってやろうと思ってな。
覚悟したまえ。
まあ、スパイのキミのことだ。
その覚悟はあるんだよな?
(急に冷たく)
ふん。
とぼけても無駄だ。
(左・接近)
お前の素性など、とっくにバレているのだよ、スパイ君。
(正位置・通常)
表向きは日本からの観光客。
しかし、本当のキミは某国のエージェント、スパイだ。
本来なら、お前のような下衆(げす)の相手は士官に任せているのだが・・・。
(左・接近)
ちょうど今、私は暇を持て余しているのだ。
(左・通常)
せっかくのご対面だ。
私の暇つぶしに付き合ってもらうぞ?
ふふ、何をされると思う?
今からお前には、この私が直々に拷問をしてやろうというのだ。
光栄に思いたまえ。
(正位置・通常)
まず、貴様の視覚を奪わせてもらうか。
このアイマスクを付けてもらう。
そら、動くな。
(SE:アイマスクを付ける音/正位置・接近)
(正位置・通常)
ふふふ。
これで何も見えなくなったな。
人間は視覚から80%の情報を得ていると言われている。
つまり、視覚を奪われたお前は、今20%の情報しか分からないということだ。
(右・接近)
たったの20%。
ふふふ。
(正位置・通常)
さらにその20%のうち、10%は聴覚からの情報だと言われている。
視覚を奪われたキミは、そのたった10%の聴覚が全てということになるな。
不安になったかね?
(右・接近)
大丈夫だ。
安心したまえ。
死にはしない。
まあ、精神が参ってしまうかもしれないがな。
くくく。