深化
深く深く、沈んで行く。どんどん、甘い世界へと、浸っていく。
何もしなくていい。気持ち良い。
けれど、それだけじゃ足りないの。
もっともっと、幸せになれる……。
もっともっと、気持ち良く、なれるの、
お姉さんはね? その方法を知っているの。
だから、君も、素直に従って? ね?
次は……君の体にある、ストレスを、取り去ります。
疲れた全身から、疲れの元を絞り出すの。
今度は、何も頑張らなくて良い。
ただ、私の言っていることを聞いて、言われた通りのことが起きるだけ。
君の体は気持ち良さから、自然と従ってしまいます。
とっても簡単。何も考えなくて良い。
頭を真っ白にして、私の声に耳を傾ける。ただ、それだけ。
そうすれば、自ずとストレスは、体から消えていきます。
体から、流れ出てしまいます。まるで、魔法みたいに。
気付けば、夢心地になっているでしょう。
だから、安心して、私に全部を委ねましょう。
それじゃあ、重たくなって、気怠い。
その疲れた全身から、悪い物が取り除かれるイメージを、感じさせてあげる。
例えば……そう、腕。腕全体の疲れ。
疲労に支配されている腕の……指の先から、ゆっくり水が流れ出ています。
それは、悪いもの。疲労、そのもの。腕が気怠い、原因です。
悪いものが、どんどん流れ出ていく。指の先から、ちょろちょろと……。
甘い甘い蜜に、疲労が溶けていく。そして、浄化されて、何もない。
だから、君の疲労の全てを、出してしまって良い。
君の疲れ……ゆっくり、絞り出される。
肩……腕……手首……手の平、そして最後に、指。
集まって、集まって、体外に排出される。
悪いものが出て、腕が軽くなる。強張っていたものが消え去る……。
今まで以上に、気持ち良い。軽くなった腕が、ふわふわと浮いているよう……。
次は、足。さっきみたいに、足の先から、悪い物が出ていくの。
太もも……膝、膝の裏……足首、そして、指先。
上から下に、流れていく。足を支配していた疲労が、ゆっくり抜けていきます。
周囲の蜜に溶けて、消え去る……。
足も、軽くなる。空っぽ。疲労が、なくなって、ふわふわ。
とっても気持ちが良い。
次は、胸や、腰。背中全体から、悪い物が流れ出ていく。
集まった疲労の全てが消え失せて、軽くなる。
体のこわばりが消えて、ふわふわだけになる。
気持ち良い。体が、ふわふわになって、気持ち良い。
最後は、頭、いつも考え事したり、悩んだりして……日々、酷使している、頭。
ここは、特に疲労が溜まりやすいの。気付かないうちに、疲れが溜まっている。
毎日、毎日、使っているから、完全に疲労が取れない。
休んでも、目が覚めれば、すぐに使うことになってしまう。
だから、疲労が残ってしまう。少し重たくても、動かし始めてしまう。
身に覚えが、あるよね? 考え事、しちゃうでしょう?
しない日なんてない。だから、頭に疲労が、一番残ってしまうの。
それをね……今から、完全に取り去って、あげます。
真っ白になって……考え事をしなくて良くなる。
難しいことは何も考えず、私に、従うだけで良い。
無理に、色々考えなくて良い。ただ、従って、癒やされるだけ……。
そんな幸せの形も、あるんだよ?
そうしている間だけ、本当の意味で頭を休めることが出来る。
さぁ、疲労、とろとろと、出してしまいましょう……。
感じて下さい。頭の中に、水が溜まっています。
ポチャポチャって、音が出ちゃうくらい、いっぱい溜まっている。
頭の中が、そんなもので、満たされています。
今から、ゆっくりと、それを抜いていきます。
頭の後ろ。そこに、穴がある。でも、水は出て行かない。
それは、君の意識が、まだ大きすぎるから。
まだ、気付かないかもしれないけど、意識が強すぎる。
大きい、まだ、大きい。もっともっと、小さく出来る。
そのためには、お薬が、必要です。
今から、君の顔の上に、真っ白いクリームを乗っけます。
それは甘くて、ふわふわしていて、良い香りがする。
クリームは、とっても甘い。
息を吸えば、自動的に体中に満ちて、全身で甘さを感じる。
クリームは、とってもふわふわしている。
体に入れば、夢心地。体が、今よりもっと軽くなる。
まるで、自分がクリームになったかのように、ふわふわで、柔らかくなる。
クリームは、とっても良い香り。
甘い甘い香り。全身に香りが満ちて、気持ちよさだけが味わえる。
そんな、魔法のクリーム。
息を吸えば、自然と君は、クリームを食べてしまう。
そして、クリームに夢中になればなるほど、君の意識は小さくなるの。
……気付けば、頭の疲労が全部抜けている。意識も、とっても小さくなる。
気持ちよさだけ。それだけで、体が構成される。
疲労なんて残らない……癒やし空間。
そんな風になりたいよ、ね?
それじゃあ、今から、貴方のお顔の上にクリームを、置きます。
君は、普通に呼吸をしているだけで良い。
けど、常にクリームを食べていることを意識するために、
息を吸っている時は「クリームを食べている」
息を吐く時は、「疲労が抜ける」と、考えながら、呼吸をするの。
私は、それを邪魔したりしない。ただ、夢中で、食べていれば良い。
とても簡単。それだけで、意識は小さくなって……疲労は、いつの間にか抜けきっているの。
ふふ、待ちきれない?
はい、柔らかい、とろとろ、ふわふわの、魔法のお薬。
いっぱい食べて、疲れを、抜きましょう……。
(2分ほど放置)
……君は今、完全に疲労が、抜けてしまいました。
気付かないうちに、意識が小さくなって……頭から疲労がポタポタ漏れ出て、
頭、真っ白になれましたね。体に残っていた無駄な力もなくなって、
そこを埋めるように、全身に、クリームが入り込んでいます。
そう、ふわふわの、とろとろで、甘々な状態。
ここからは、疲労を抜くのではなく、純粋な快楽を楽しむ時間です。
疲労がない、まっさらな状態で得られる快楽。
特に、甘い甘い魔法のクリームを口にした君の体は、特別な物。
魔法のお薬はね、疲労を抜くだけじゃ、ないんだよ?
これから、君にたっぷりと味わわせてあげる……。