01_プロローグ
■プロローグ
:オタク同人作家の聞き手は、気になっている後輩の女の子に
:"コスプレ売り子をして欲しい"と頼み込む。
:迷惑そうに拒絶する彼女だったが――。
…えっ?
わたしにコスプレをして欲しい…?
売り子として手伝って欲しいって…
んんと、どういう意味ですか?
(少し間を置く)
…つまり、アニメのキャラの恰好をして、
先輩の作った本をイベントで売って欲しい…と。
……。
(※息を飲むような感じ、ちょっと引いてます)
えっと…申し訳ないんですけど、
わたしそういうのには興味なくって。
それに、即売会?でしたっけ。
オタクな人たちが沢山集まるんですよね、それ…。
ホント、興味ないです…。
なのでお願いするなら、誰か他の人に…
って、まだ食い下がるんですか?
しつこいですよぉ、先輩。
(少し間を置く)
…バイト代を出す?
う~ん…。
でも、なぁ…。
(少し間を置く)
えっ、そんなに出してくれるんですか!?
ん~…んん~…。
どうしよう、それなら欲しかった
バッグにも手が届きそう…。
……。
…わかりました。
コスプレとか興味ないどころか
恥ずかしいですけど…。
先輩のしつこさに免じて、お引き受けします。
けど、最低限のお手伝いしかしませんから。
それだけはよ~く覚えておいてくださいね、先輩。