01
あたしには弟がいる。
少し年が離れているから、昔は可愛かった。
あたしも可愛がってたし、弟もあたしに懐いてた……けど、やっぱり年頃になってくると、姉と仲良くするのは恥ずかしいんだろう。
いつの頃からか弟はあたしに反発するようになり、生意気な言動を取るようになっていた。
それは寂しくもあり、少し不愉快でもあったけど、姉と弟なんていうのはそういうもの……。
それが普通なんだと思って、あまり気にしないようにしてた……んだけど、進学してから更に生意気っぷりが加速。
ムカつき度合いが増してきた。
あたしはあまり慎み深い方ではないから、
すぐに口喧嘩になる。
思わず手が出そうになることもあるけど、年下とは言え相手は男。
力比べになればあたしに分があるとは思えない。
それに、とっくみあいの喧嘩になんてなれば、
姉弟仲(きようだいなか)を回復できるかどうかもわからなくなる。
慎み深くはなくとも理性がないわけではないので、年上らしく落ち着いた態度を取ってみせるわけだ。
我ながら、出来た姉だと思う。
……なんて言うけど、本当のところはこれ以上、弟と揉めたくないという思いがある。
あんな生意気な弟でも、まだまだ可愛いと思ってるんだろう。
実際、外見はあたし好みに育っているし。
もう少し背が伸びればいい感じになるだろう。
そんな弟を連れて街を歩くのがちょっとした夢だったんだけど……まぁ、それはもっといい彼氏でも見つければすむことだ。
……いないけど。
これまでも彼氏がいなかったのは、あたしの外見や性格に問題があるからじゃなくて、女子校に通ってるから出会いがなかっただけのこと。
友達とそんなことを話しているうちに何故か、
アルバイトをしよう、という話になった。
これまで、夏休みの短期バイトはしたことがあったけど、それ以外でのアルバイト経験はない。
でも、外に出会いを求めるのなら、ということで、
友達と二人、アルバイトを探したんだけど……決まったのは、何故か神社。
巫女のアルバイトだった。
ちなみに巫女はバイトと言わず、助勤(じよきん)と言う。
秋口の今から仕事を覚えて、
正月もしっかり働いてもらいたいらしい。
まさか、彼氏探しのためにバイトを始めた、なんて言えるはずもなく、真面目に働く日々。
だけど、地元の大きな神社なので、出会いがないコトもない感じだった。
巫女の仕事は結構大変だけど、やり甲斐はあった。
巫女服が可愛いのもいい。
参拝者……特に外人さんの受けがいい。
何度か写真を撮られたり、一緒に写って欲しいなんて言われたりもした。
だけど、彼氏探しの方は捗らなかった。
少なくとも弟以上の容姿でなければならない……なんて思いながら参拝者たちを眺めていた私の目に、好みの男が!
……と思ったら、あろうことか弟本人だった。
巫女の助勤をしていることを内緒にしていたワケではないけど、あえて話しはしなかった。
初めて見る、私の巫女姿に驚いたのか、弟はずっと目を丸くしたまま。
友達と一緒にいたので私から話しかけることもなく、その夜、帰宅してからも話したりはしなかった。
……けど、あたしと弟の関係は、この日から劇的に変わることになる。
それから、弟はよく神社に来るようになった。
最初は隠れるように……次第に堂々と。
けど、あたしと話すわけではなく、姿を見て帰るだけ。
あたしではなくて、他の巫女を見に来ているんだろうか?
でもやっぱり、他の巫女と話してる様子もない。
まさか、あたしの仕事ぶりが気になってるとか、心配しているとか?
年の離れた弟に心配される謂われはない……なんだか、少し不気味だ。
弟が神社に来てた理由がわかったのは、それから少ししてから。
あたしが自分の巫女服を家に持って帰って、ほつれを繕(つくろ)った時のこと。
巫女服が珍しいからと、両親の前で着て見せた。
その時の弟の顔は今でも忘れない。
驚きと感動、そして陶酔……弟は、あたしの巫女姿に完全に見入っていた。
幼い頃、弟にできなくてあたしにできることがあった時に見せた、尊敬の視線とはまた違う。
情欲のこもった視線。
およそ、実の姉に向けるものではない目の輝き。
あたしは……興奮した。
弟に熱い目で見つめられて、官能を覚えてしまった。
熱っぽい吐息が漏れ、胸が高鳴る。
背筋に甘い痺れが走り、うなじをピリピリとさせ……股間をうずかせる。
弟に性的に見られて、性欲を覚えてしまった。
これまで誰に見られても、写真を撮られても、こんな風になったことはない。
だけどもちろん、弟に手を出すわけにはいかない。
しかも両親の目の前だ。
あたしは平静を装い、巫女服ショーを終えた。
弟はこれからも神社に来るだろう。
それがとても楽しみだった。
……けど、その夜。
あたしの欲望はとどまるところを知らなかった。
弟の熱い視線が忘れられない。
見つめられる官能が、あたしの情欲をくすぐって仕方がない。
サディスティックな気分。
両親が寝静まったのを確認してから、あたしは弟の部屋を訪ねた……ノックもせず、いきなり押しかけようとドアに手をかけた瞬間、くぐもった声が聞こえてくる。
それは、弟の喘ぎ声。
瞬時に、オナニーしているのだと気が付いた。
そしてしばらく、ドアの前で耳をそばだてる。
やっぱりそうだ。
弟はオナニーしてる。
しかも、あたしを呼びながら!
姉ちゃん、姉ちゃんと。
時に名前を呼んでいる。
生意気なことに呼び捨てだ。
でもいい。
許す。
あたしでオナニーしているから。
あたしの名を呼んで、可愛いと連呼して、喘ぎ声を漏らしているから!
激情がわき上がる。
それは性欲であり、優越感でもあり……また、女としての喜びでもあった。
乳首が立っているのがわかる。
女性器が潤っているのにも気が付いた。
あたしは弟が気付くように、小さく声をかけながら、ゆっくりとドアを開けた。
可愛い悲鳴が聞こえ、慌てて衣服を直す姿を微笑みながら見下ろす。
怒って叫ぼうとするけど、声を出したらマズイとわかったようだ。
必死で声を抑える仕草もまた可愛らしい。
勃起を隠そうと腰が引けている姿には、絶頂感さえ覚えるほど。
弟がそうであるように、あたしも欲情してるのだ。
実の姉弟相手に!
それを認めてしまえば、もう怖いものはない。
あたしは巫女服を見せつけるようにしながら、ベッド端に座った弟に歩み寄る。
モジモジするばかりの弟の横に腰かけ、大きな乳房を当てて、
耳元で囁いた……あたしでオナニーしてたの?
と。
ビクンとするのが可愛くて、何度も尋ねる。
あたしをオカズにしてたの?
姉ちゃんを思ってオチンチン擦ってたの?
巫女服、好きなの?
始めは抵抗しようとしてた弟だけど、次第に涙目になって頷くようになった。
オナってたのを知られて恥ずかしいのだろう。
嫌っているはずのあたしを……実の姉をオナペットにしてることがバレたのが心苦しいのだろう。
あたしに怒られて、親にバラされて辱められて、軽蔑の眼差しを向けられる、と思っているのだろう。
……あぁ、なんて可愛らしいのか!
男らしくなってきたとは言っても、やっぱりまだまだ若い。
開き直ることもできず、さりとて詫びることもできないその態度に、あたしはまた強烈な優越感を覚えた。
姉として……女として。
そしてあたしは、躊躇なく弟の股間に手を伸ばした。
やっぱりまだ勃起したままだ。
部屋着のジャージの上からでもその質感がわかる。
弟は驚いて顔を上げ、目を丸くする。
あぁ、可愛い。
これは何?
わかっているのに訊く。
答えずに俯くから、強く握ってまた尋ねる。
この大きくなっているモノは何?
しばらくのためらいの後、チンコ、とか細い声で答える可愛さときたら。
あたしは背筋をゾクゾクと震わせて、チンコの先っぽを捏ね回す。
ジャージ越しでもその感触がわかり、強い嗜虐心に襲われる。
あたしは今、可愛い弟のチンコを弄っているのだ、と。
ねぇ、チンコ擦ってたの?
シコシコしてたんでしょ?
姉ちゃんとエッチする想像しながら、オナニーしてたのよね?
実の姉に欲情してたの?
それとも、巫女服に萌えてただけ?
ううん、そんなワケないわよね?
あたしの名前を呼びながらチンコ握ってたんだから、あたしとセックスしたいのよね?
そうでしょ?
姉ちゃんとセックスしたいんでしょ……。
この、巫女服姿の姉ちゃんと、近親相姦したかったのよね?
……耳まで真っ赤にして、涙目で、弟はもう頷くことしかできなかった。
だからあたしも、自分に都合のいいことばかり言う。
本当は姉ちゃんのこと好きなのよね?
近親相姦したいって思ってるんでしょ?
姉ちゃんのマンコに、このチンコ突っ込んでみたいんでしょ?
セックスのやり方くらいしってるわよね?
あたしが囁く度、弟は頷いた。
始めは弱く、次第に強く、激しく。
あたしはチンコを摘まんだまま、弟の性欲を焚き付け続けた。
ここ数年反抗的だった弟が見せる従順な態度に興奮した。
やばいくらい女性器が濡れてるのがわかる。
同じように、ペニスがヌルヌルしているのもわかった。
確か我慢汁というやつだ……いや、もしかするともう射精しているのかもしれない。
パンツの中で射精したのだとしたら、ちょっと可哀想だ。
こっそり洗濯に出すのも勇気がいるだろう……なんて殊勝な気持ちより、性欲と好奇心が勝った。
脱いで?
そう言うと、弟は情けない顔を見せつける。
恥ずかしさと絶望と、ほんの少しの期待感がにじんだ、これまで見たことのない哀れっぽい顔。
四度目の、脱いで、で弟は観念して、ジャージとパンツを一緒に下ろした。
勃起してるペニスを見るのは生まれて初めてだった。
だから、これが大きいのか小さいのかもわからない。
わかるのは、先っぽの方まで皮が被ってること……包茎、というのだったか。
ヌラヌラしてるものの、白い液体……つまり精液は出てないように見える。
興奮を抑えながら、もう射精しちゃったの?
と訊くと弟は首を横に振った。
やっぱりまだ射精はしてないようだ。
あたし自身はオナニーをしたことがないし、男の子のオナニーのやり方も詳しくは知らない。
チンコを握って擦るのだという大まかなことしか知らないので、弟にオナニーを促してみる。
チンコをさらけ出したことで観念したのか、意外にもすんなりとペニスを握り、擦り始める。
まず最初に、先っぽにまで被っていた皮を剥いた。
くびれた先端が現れる……亀頭、だったか。
亀頭が全部出るということは、真性包茎ではなく仮性包茎だ。
これならセックスに支障はないはず……あたしはもう、弟とセックスするつもり満々で、そのオナニーを凝視していた。