Track 4

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顔射された精液は彼が綺麗に拭ってくれた。 そして、気持ち良かったよ、ありがとう、と何度も言ってくれた。 あまりに嬉しくて、私もクンニの快感や感謝を伝える……そして、その恥ずかしさに照れ笑う。 そんな私を見て彼はすぐに、また元気になった、と言った。 元気を出してもらえたなら嬉しい、と微笑む私に、彼は勃起したペニスを押し付けてくる。 それが何を意味しているのか、少しの間わからなかった。 キスをしたり、愛撫をしてくれたことで、まだセックスが終わっていないのだと知って驚く。 だって夫は、一度射精したら終わるから。 でもそんなことをわざわざ言わなくてもいいだろう。 私は彼の愛撫を受け入れ、そしてまたペニスに触れた。 フェラチオしたペニスには、愛おしさを覚える。 これを私に挿入してくれるのかと思うと、その予想だけで快感が体を駆け巡る。 してもいい? と問う彼に、笑顔で頷く。 ついに本当のセックスができるのね……感動する私に、彼は背を向けた。 そして何か小さなものを取り出して、それをペニスにあてがう。 首を傾げる私に、彼は着けないとまずいだろう? と言った。 そんな彼のペニスには、薄い幕がかかっている。 ……コンドームとは何だろう。 避妊についての知識だけはあっても、 それを実践したことのない私は、避妊道具の名称など知らなかった。 とにかく、幕のかかったペニスはどこか不自然で、先ほどまでのような興奮が感じられない……。 だけど彼がすることだから、とそれを受け入れた。 セックスすることに変わりはない。 初めて愛する人の男性器を挿入される。 その喜びに胸を躍らせ、はしたなくも進んで股を開いた。 彼ももう躊躇することなく、私に入って来る。 夫のものよりも大きなペニスが、膣口を割ってめり込んだ……愛液で濡れそぼっているのに、かすかな痛みが感じられる。 でも、それがいい。 まるで初体験のよう……そうか、私は今、初めてセックスをしているのかもしれない。 本当に愛のあるセックスを。 その思いが、痛みを消した。 強い快感が膣内からわき上がる……のだけど。 やっぱり、コンドームをしているペニスでは愛が感じられないような気がした。 夫のペニスと彼のペニスが違うのはわかる。 でも、男性器の感触が不自然に思えてならない。 それはやはり、コンドームのせいだろう。 私は彼にコンドームを外してくれるよう頼んだ。 それはつまり、膣内に射精してもいいというコトで、彼もすぐにそれを理解してくれた。 少しのためらいの後、彼は私の望みを叶えてくれた。 避妊具のかかっていない彼のペニスが膣内に挿入される。 その熱さ、脈動、そして快感は、段違いに強い。 やっぱり生の方がいい。 彼を直接感じられる方が嬉しくて、気持ちいい。 ペニスだけではなく、体全体が興奮を誘う。 厚い胸板、太い腕、雄々しい顔。 挿入からしばらくの間は正常位で、押し潰されそうな勢いで攻め込まれた。 その力強さにうっとりとしてしまう。 少しして、ひょいと体を持ち上げられた。 三十路の体はそんなに軽くはないはずなのに、簡単に持ち上げられて騎乗位の体勢にしてくれる。 パワフルで、優しいセックスに惚れ惚れした。 私はつい、彼の私生活のことを尋ねてしまう……女性関係のことを。 結婚していないのは何故なのか。 交際相手はいないのか。 まさか、離婚経験があるのだろうか……彼は、私の乳房を揉みながら照れ笑う。 結婚はしていないと。 交際相手はいたがしばらく前に別れたと。 そして……ゆうべの同窓会に、密かな期待をしていた、と。 彼はもう私が結婚したことを知っていたそうだけど、 それでも私と会いたいと思ってくれていたと言ってくれた。 それを鵜呑みにできるほど純粋な心の持ち主ではないけれど、嬉しさは込み上げる。 私も同じように思っていたと、 彼に口づけることはできる。 そして私は、訊かれてもいないのに自分のことを語った。 両親に言われるがままの結婚。 愛のない家庭。 世間体のために子どもは必要であること……。 愛する人とのセックスの最中に語ることではない。 けど私は、望まぬ結婚以来ずっとたまっていた不満を、彼に打ち明けた……腰を振り、彼のペニスを感じながら、夫との不快なセックスを語った。 何と言うことだろう。 語れば語るほど、彼とのセックスの良さが感じられて、私はつい言わなくてもいいようなことまで話してしまっていた。 夫のセックスのやり方、中出しされた回数。 そして、初夜のこと……今まさに抱いている女の、他の男性経験を聞かされるのはどんな気持ちなんだろう。 少なくとも、彼の性欲が萎えることはなかった。 そして私は……興奮していた。 だから今度は、彼のこれまでの女性経験を尋ねる。 ……初めての相手のこと、経験人数、好きなプレイや体位。 彼が望むプレイなら何でもしてあげたいと思えるし、私も経験してみたい。 夫とのセックスはつまらなくて、早く終わってくれることだけを願って無心でいるから、このセックスで性の悦びをもっと知りたい。 感じたい。 そして、私のことをもっと知ってもらいたい。 私のセックスが、私の体が、ちゃんと気持ちいいのかを教えてもらいたい。 そう言うと彼は、嬉しそうに、でも苦しそうに語ってくれる。 私のオッパイのこと、膣の……オマンコのことを。 フェラチオの何が気持ちいいのかを語り、オッパイでオチンチンを挟んで擦る方法を教えてくれる。 でも今はオマンコから抜きたくないので、また後でしてあげることにした。 そして、オマンコの良さについても話してくれる。 でも、理屈や医学的なコトについてわかっているわけではないからと、大ざっぱなことだけ。 要は、セックスは気持ちいいということ。 特に、愛する人とのセックスはどんなやり方でも最高に気持ちいいということ。 確かにそうだと思う。 ペニスの先端が膣奥に当たっている感覚はわかるけど、どこが快楽の源なのかはっきりとはわからない。 膣内全体で快楽を感じているのか。 それとも一部だけなのか。 入り口の方が気持ちいいのか、奥の方がより刺激的なのか。 どこがいいとは言えないけれど、確かに気持ちいい。 彼が気持ち良さそうにしてくれるのが嬉しくて、私を気持ち良くしてくれようとしてくれるのが嬉しくて……愛を語ってくれるのが幸せで、体も心も全部が幸福感に満たされていく。 私はもうためらうことなく、彼への愛を語っていた。 夫のと比べて、このセックスがどれほど気持ちいいのかを語り、性の快楽を教えてくれたことへの感謝をする。 ……私は、もうわかっていた。 夫のセックスと比べると、彼は興奮して激しく動いてくれる。 自分の方がより良いセックスができると、体で教えてくれる。 実際、彼の力強いセックスに、私は完全に堕ちていた。 はしたない喘ぎ声を漏らし、快楽の悦びを訴える。 もっと強い官能が欲しいとねだり……そして、膣内への射精をねだる。 困惑する彼に、何度も何度も中出しを求めた。 二度でも、三度でも。 何回でも射精できるのなら、このまま体力が持つまで何度でも。 私をあなたのセックスに溺れさせて欲しいと、あなたのモノにして欲しいと。 堰を切ったように溢れ出す、淫らな言葉たち。 私は自分が本当に淫らな女なのだと知り、それだけ彼を愛しているのだと知った。 膣内に射精される衝撃的な快感に絶頂し、セックスの真の悦びを教わる……何度も何度も、教わり続けた。 ……気が付けばもう夜が明けていた。 けど、慌てて帰る必要はない。 どうせ夫は私が外出していることも知らないだろうし、そもそも帰宅していないかもしれない。 愛人と過ごしているかも。 でも、それを責めることはできないし、それが当然だと思えるようになった。 愛のない家庭、愛のないセックスほどつまらないものはない。 私がそうであるように、夫も愛を求めたのだろう。 下腹部をさする……この中に、彼の精子がたっぷりと注がれている。 私はきっと、孕むだろう。 そのことが嬉しくて仕方がない。 彼との愛の結晶を授かる幸福に、今から胸を高鳴らせている。 夫にもいつか、誰かに、こんな幸せを与えられたらいいのに……もちろん、それは私ではないのだけれど。 それでも今の私はまだ、夫と暮らす家に戻らなければならない……いや、それとも。 この足で実家に戻ってしまおうか。 そして、私の今後についてを両親と話し合おう……私と、お腹の子の。 できたら、彼の今後についても共に話し合いたいけど……それはまだ気が早いかな。

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