10話目 リベンジマッチ
[朝、ホテルの部屋・先に目が覚めてしまったので寝ている少女の頬をなでている主人公・ごく至近距離に顔がある状態]
んむ……ん……んふふ……んぅ……
ん……んふ…………ん……?
(目を覚ます少女)
ん……ふふ……おはよう……
(幸せそうな顔をしてる主人公)
なんだよ……そんな顔で人の頬を撫でて……
(主「幸せだなって」)
そうか。嬉しいよ。
わたしも、こんな朝を迎えられて、本当に幸せに思う。
(おはようのキスを交わす)
ん……ちゅ。ちゅっ……ちゅむ……
(主「ちゃんと眠れた?」)
ん、ああ。今日はゆっくり眠れたよ。
んちゅ……ちゅ……
昨日はいろいろあって、お互いに疲れていたからな。
だが今日はこうやって……ん……ちゅ、ちゅむ……ちゅ……
ふふふ……朝からのんびりしていられる……
んちゅ……ちゅ……んむ、ちゅぷっ……ちゅ……
(頬を撫でていた手を耳にやって弄ってくる主人公)
んv……んぷ……れる、ちゅ……んちゅ、んむっ……っふぅ……ちゅぷ……
んぁ……っふ……お前、耳触るの……ダメ……
ん……全く、朝から私をどうしようっていうんだよ……んむ……
(主「お腹すいたね」)
そうやってすぐ話題を逸らす……
うむ……だが、そうだな。
のんびりできると言っても帰りの準備とかもあるし、早めに朝食を取るに越したことはないよな。
だが、あと1回……ん……ちゅ……
んふふ……では、起きようか。
[簡単な着替えをし、ホテルのレストランで朝食をとる二人(ビュッフェ方式)]
んぅ……なんだか身体が痛い……お前が昨日、あんなにするから……
(自分の唇にふれつつ)まだ舌が覚えてるぞ……全く……
キスが好きなのは知ってるが、あんなに長くされたのは初めてだよな。
(主「なんかごめんね」)
いや、いいんだ別に。私だって、嫌だったらちゃんと拒否したさ。
少し溢れてしまったが、それでも、気持ちよかったし、愛を感じられたから……な。ふふ。
しかし、おかげさまでよく眠れたよ。今日も気持ちよく目覚めることができたしな。
今だけ生活リズムがちょっと朝型だ。帰ったらすぐに元に戻るんだろうけど。
昨日もそうだったが、たまにお前と同じ朝を過ごせると、本当に幸せなんだぞ?
それに、昨日はコンビニ飯で済ませてしまったが、今日はこんなに豪華な朝ごはん。
モーニングビュッフェ……と言うんだったか?
こう言う形式の食事は初めてだが、少食な私もたくさん食べるお前も、どちらも満足できそうだよな。
(主「言う割りにはいつもよく食べてる気がするよ」)
それは……!
んぅ……一応少食だと、自分では思っているんだぞ?
お前が作るご飯が美味しいからついつい食べてしまうだけで、それまでは1日に1回、ちょこっとだけとか言うのも普通にあったんだよ。
現に、昨日も朝にコンビニで肉まんを食べて、帰りがけに見つけたドーナツ屋で買い食いしただけで、それきりだったしな。
(主「そういえば昨日晩御飯食べさせてあげてなかったね」)
ふふ。お前、今頃気付いたのか?
まあ、別にお腹も空いてなかったし、それよりも、お前のことが心配でな……
昨日酔ってたの、大方会社の人間に強制的に飲みに連れて行かれでもしたんだろう?
そんなお前に、私だけのためにご飯の世話を乞うのも違うかな、と思ってな。
(主「ごめんね」)
謝るなよ。昨日はお前の愛で、私はお腹いっぱいだったよ。
それに、そのぶん今食べられるんだから、別に文句はないさ。
ここ、本当にいろんなメニューがあるよな。
ウインナーに焼き魚、サラダやオムレツ、フレンチトースト……
このスクランブルエッグは……私はお前の作ったやつの方が好きかな。
でも、なんだかテンション上がるよな、こう言うの。
そんなに食べられないからあまり興味はなかったが、こういう食べ放題みたいな形式の食事も、たまにはいいかもしれない。
たくさん食べてしまうと太ってしまいそうで怖いが……(ボソッと喋る感じ)
バラエティ豊かで、テーマパークみたいで、ワクワクさせてくれるよな。
(主「じゃあ僕も頑張るかな」)
あ、いや、別にお前に色々作ってくれと言ってるわけじゃないんだぞ?
こう言うところは徹底した効率化が行われているからこそ、こんなに様々なメニューを提供できてるんだ。
それをお前一人でやろうとすると、負担がとんでもないことになってしまうんじゃないか?
私は……たまにこう言うとこに連れてきてもらえたら嬉しいなって、そう思っただけだよ。
(少女の頭を撫でる主人公)
んふ……もう、撫でるなよ……人に見られるだろ……
一応な?こう見えても私なりにお前の事を気遣ってるつもりなんだぞ?
いつもは家でゴロゴロしてるだけの私にもできる事、何があるんだろうなって。
な、お前。今度私にも料理を教えてくれないか?
お前ほど上手くはできなくても、たまにお前が忙しい時に何か作ったり、手伝いができたらいいなって思ったんだ。
(主「いいよ。色々考えとくね」)
ああ、頑張るよ。いつまでたっても「できない」じゃダメだからな。ふふ。
(主「じゃあ、ちょっと取って来るね」)
あ、料理取りに行くのか?
ん……じゃあ、私も。
(主「まだ入るの?」)
あ、いや……もうお腹はいっぱいなんだが、見た所甘いものが置いてあったし、せっかくだから少しだけ頂いておこうかと思ってな。
ほら、甘いものは別腹って、言うだろ?
[食後、席に座ってのんびりしてるふたり]
ふふ。それにしてもお前、結構食べたな。
実は毎回思ってるんだが、お前の横で食べてるのを見るの、楽しい。
私が食べられないような量でもどんどん入って行くよな。
お前の胃袋はブラックホールだよ。ふふふ。
あ、お前、口のとこ。それ、わざとか?
さっきのトーストのジャム、ついてるぞ。
全く……人がいるんだからそう言うのはよしてくれよ……
(自然に近づき、主人公のほおを舐める)
ん……れる、ちゅ……んむ……
うむ……でも、甘酸っぱくておいしいな。
……好きだぞ。(ジャムも主人公のことも)
あ、んむっ……(主人公の突然唇を奪われびっくりする少女)
んむ、ちゅ……ちゅる、ちゅ……ん……
全く……
んふ……ジャム味のキス……そうか、このキスも含めてお前の朝食というわけなんだな、なるほど。
……まだ、チェックアウトまでは時間、あるよな?
どうせ今すぐにホテルを出ても、街が活気付くのは昼前からだ。
あとで、部屋に戻って、帰りの支度を済ませて……
もう少しだけ、私にもそのデザート(キスのこと)……食べさせてくれるか?
んふふ……