Track 11

実験後・初日

妹824「ぅ、ん……」 妹825「ん、んん~…………ん……」 妹826「ぁ……あさ、だ……」 妹827「兄ちゃんの、ベッド……。兄ちゃんの、匂いがする……」 妹828「兄ちゃん、は…………いない。もう起きたのかな……」 妹829「……」 妹830「昨日、ここで……兄ちゃんに、あたしの初めて、もらってもらったんだよね……」 妹831「どっちかというと、無理矢理押し付けた感じ、だけど……」 妹832「……」←泣きを堪える感じで。 妹833「ぁーぁ。せっかく想いをぶつけたのに、答えてもらえないって解っちゃうのは辛いなぁ……」 妹834「好きだって、やっと解ったのに……ぐすっ」 妹835「兄ちゃんと離れたくないって、やっと……わかったのにぃ……ずずっ」 妹836「ぐすっ……ぅー、だめだよ……朝から泣き顔なんて、見せられない……」 妹837「ん、んんーっ……」←顔をごしごし擦る。 妹838「起きなきゃ……。ご飯、食べなきゃ……」 階段降りてます。 妹839「今日は日曜日だし、どっか出かけよう……。家にいても、兄ちゃんとの思い出だらけで、辛くなっちゃう……」 妹840「ご飯、食べられるかな……」 妹841「ん、良い匂い……。もう、誰か起きてるのかな……?」 妹、ドアを開ける。 兄「おはようさん」 妹842「あ、うん」 妹843「おはよう、兄ちゃ――」 妹844「……えっ」 兄「どうした? 朝食の準備してるから、お前も手伝ってくれや」 妹845「えっ、にい、ちゃ。え。……え」 兄「食器出すくらいでいいから。頼むわ」 妹846「……あ、あの! 兄ちゃん!」 兄「なんだ?」 妹847「お、おはよっ!」 兄「あぁ。おはよう」 妹848「……!」 妹849「挨拶……返して、くれた……」 兄「何言ってる。挨拶は基本だろ」 妹850「ホントに……? ねぇ、夢じゃないの……? 本物の兄ちゃん? あたしの、大好きな――」 兄「なんだお前その顔。ぐしゃぐしゃじゃねぇか。ほれ、タオル」 兄、タオルを妹の顔に押し付ける。 妹851「むぐぅっ! タオル、顔に押し付け……むぐ!」 妹852「ちょ、ちょっと! そんな乱暴にすんなよ!」 兄「いいから顔洗ってこい。その後で食器出すの手伝え」 妹853「~~! 解ったよ! 顔洗ってくればいいんだろ、顔洗ってくれば!!」 兄「あとお前、今日の予定は?」 妹854「んー? 今日の予定? 今日は……」 妹855「……。なんの予定もない、ぞ?」 兄「そっか。ほじゃ、デート行くか」 妹856「へっ!? でででっ、デートぉぅぃ!?」 兄「ま、たまには、な」 妹857「たまにはな、って! 今まで一度もデートなんて誘ったことないじゃん!」 兄「小さいこと言ってんじゃねーよ。別に行かなくたっていいんだぞ」 妹858「ああ、ごめんなさい! 行く、行きます! 兄ちゃんとデートに行きたいです!」 兄「はいな。今日は、まぁ……なんというか。色々話したいこともあるしな」 妹859「はぁ~♪ 兄ちゃんと、デート……。え、何これ、嘘。嘘みたい……夢、夢かな?」 妹860「すぅー……、んーっ! タオルの兄ちゃんテイスト! 夢じゃないやっほぅ!!」 兄「おいこら聞いてんのか」 妹861「兄ちゃんっ!!」 兄「なんや」 妹862「だーいすきっ!!」 終われ。