実験後・初日
妹824「ぅ、ん……」
妹825「ん、んん~…………ん……」
妹826「ぁ……あさ、だ……」
妹827「兄ちゃんの、ベッド……。兄ちゃんの、匂いがする……」
妹828「兄ちゃん、は…………いない。もう起きたのかな……」
妹829「……」
妹830「昨日、ここで……兄ちゃんに、あたしの初めて、もらってもらったんだよね……」
妹831「どっちかというと、無理矢理押し付けた感じ、だけど……」
妹832「……」←泣きを堪える感じで。
妹833「ぁーぁ。せっかく想いをぶつけたのに、答えてもらえないって解っちゃうのは辛いなぁ……」
妹834「好きだって、やっと解ったのに……ぐすっ」
妹835「兄ちゃんと離れたくないって、やっと……わかったのにぃ……ずずっ」
妹836「ぐすっ……ぅー、だめだよ……朝から泣き顔なんて、見せられない……」
妹837「ん、んんーっ……」←顔をごしごし擦る。
妹838「起きなきゃ……。ご飯、食べなきゃ……」
階段降りてます。
妹839「今日は日曜日だし、どっか出かけよう……。家にいても、兄ちゃんとの思い出だらけで、辛くなっちゃう……」
妹840「ご飯、食べられるかな……」
妹841「ん、良い匂い……。もう、誰か起きてるのかな……?」
妹、ドアを開ける。
兄「おはようさん」
妹842「あ、うん」
妹843「おはよう、兄ちゃ――」
妹844「……えっ」
兄「どうした? 朝食の準備してるから、お前も手伝ってくれや」
妹845「えっ、にい、ちゃ。え。……え」
兄「食器出すくらいでいいから。頼むわ」
妹846「……あ、あの! 兄ちゃん!」
兄「なんだ?」
妹847「お、おはよっ!」
兄「あぁ。おはよう」
妹848「……!」
妹849「挨拶……返して、くれた……」
兄「何言ってる。挨拶は基本だろ」
妹850「ホントに……? ねぇ、夢じゃないの……? 本物の兄ちゃん? あたしの、大好きな――」
兄「なんだお前その顔。ぐしゃぐしゃじゃねぇか。ほれ、タオル」
兄、タオルを妹の顔に押し付ける。
妹851「むぐぅっ! タオル、顔に押し付け……むぐ!」
妹852「ちょ、ちょっと! そんな乱暴にすんなよ!」
兄「いいから顔洗ってこい。その後で食器出すの手伝え」
妹853「~~! 解ったよ! 顔洗ってくればいいんだろ、顔洗ってくれば!!」
兄「あとお前、今日の予定は?」
妹854「んー? 今日の予定? 今日は……」
妹855「……。なんの予定もない、ぞ?」
兄「そっか。ほじゃ、デート行くか」
妹856「へっ!? でででっ、デートぉぅぃ!?」
兄「ま、たまには、な」
妹857「たまにはな、って! 今まで一度もデートなんて誘ったことないじゃん!」
兄「小さいこと言ってんじゃねーよ。別に行かなくたっていいんだぞ」
妹858「ああ、ごめんなさい! 行く、行きます! 兄ちゃんとデートに行きたいです!」
兄「はいな。今日は、まぁ……なんというか。色々話したいこともあるしな」
妹859「はぁ~♪ 兄ちゃんと、デート……。え、何これ、嘘。嘘みたい……夢、夢かな?」
妹860「すぅー……、んーっ! タオルの兄ちゃんテイスト! 夢じゃないやっほぅ!!」
兄「おいこら聞いてんのか」
妹861「兄ちゃんっ!!」
兄「なんや」
妹862「だーいすきっ!!」
終われ。