Track 5

炬燵で添い寝 (博多弁台本)

んぅ…お兄ちゃん、そろそろ寒くなってこん? それに…うち、ずっと正座しとるし、足が痺れてきちゃって… 膝枕も良いけど、こたつ…入り直さん? もちろん… 一緒に うん…ありがと じゃあ身体を起こして… 【遥】こたつの中に…んぅ はぁぁ…あったか~い やっぱり、冬はこたつに限るっちゃんね~ ん…んぅ……ふわぁぁ… うぅ…おっきな欠伸しちゃったばい …って、お兄ちゃんも欠伸しとーし ん…ふわぁ…何だか…眠くなってきたね まあお兄ちゃんは、うちのスペシャルコースを堪能したんやし、眠くなってもしょうがなかね うちは…その、さっき膝枕しとった時、お兄ちゃんの頭があったっかくて…眠気が… ん…ねえ、このまま、横になろっか こたつ、あったかいし…少しくらいなら、良かろ? やった、お兄ちゃんと二人で寝るなんて、何年ぶりやろ? というか、一緒に寝たこと、あったっけ? …あはは、憶えとらんってことは、初めて…かもね ん…しょ… 【遥】んん…はぁ、こうして横になると、気持ち良かね それに…お兄ちゃんの顔が、こげん近くにある ん…見つめて合っと~と、恥ずかしくならん? …お兄ちゃん、顔…赤いよ? 目…逸らしたら? え…うちの顔も、赤い? ほ、ほんとに? 嘘ついとらん? うぅ…ほんと、ったい まあ、頬が熱くなっと~気、したし… でも、目…逸らさんけん お兄ちゃんの顔、じぃっと見ちゃうね お兄ちゃんも…その代わり、うちの顔じぃっと見てよかよ ……ん、恥ずかしい…ね きっと、二人とも顔、真っ赤っかやと、思う… えっ、今…可愛いって、言った? …冗談? ……もう、へたれんでよ、バカ うちはね…お兄ちゃんのこと、かっこいいって、思うばい 嘘とか、冗談じゃなくて……ほんと さっき、言ったろ…大好きって ……やっと、分かったっちゃん 左胸の奥が、ドキドキしちゃう理由 …ん、お兄ちゃん うち…お兄ちゃんのこと、ばり好いとーよ お兄ちゃんは、うちのこと、好いとー? あ……両想い、やね 嬉しか…っ、嬉しかっ…! うち、きっと小さい頃から、お兄ちゃんのこと、好きやったんやと思う でも…ずっと子供扱いされとったし もしかしたら、異性として見られとらんのかなって… やけん、自分の気持ちに気付かんフリ、しとった… うちも、お兄ちゃんと一緒で、素直じゃなかね…ふふ ねえ、お兄ちゃん… そう言えば、うちが家に残った理由…まだ、話しとらんかったね …外が寒いからってだけじゃなくて… こうして、お兄ちゃんと話したかったけん、とよ …好きな人と、もっと一緒にいたいって思うのは、当たり前やろ? …それに、お兄ちゃん、何だか疲れてとったけん うちが癒してあげれたらなって…そうしたら、いつまでも子供のままじゃなくて… 異性として、うちに振り向いてくれるかなって… きっと、心の奥では…そう思っとった お兄ちゃん…うちが今日、最初にした質問、憶えとーお? そう…子供の頃に、戻りたいかって質問 あの答えやけど…やっぱり、変えちゃうね うち…もう子供に戻りたくなか、このままで…いたい だって、あの頃に戻ったら…お兄ちゃんの、恋人になれんけん ん…お兄ちゃん、顔……近か キス…できちゃいそう… このまま…うちとキス、しちゃう? ん…んむぅ、ん……ちゅっ ふふっ…キス、しちゃったね ちょっとだけ、甘酸っぱい…蜜柑の味…ばい ん……ちゅっ ふふ…幸せ、やね… 心の奥が満たされて、お腹がいっぱいになったような…そげな感じ、する ……ん、でも、さ…… お兄ちゃん、明日…帰るっちゃろ うん…分かっとる 仕方ないこと、やね… うちも子供やなかし、ちゃんと分かっとる…のに 寂しか… お兄ちゃんと、ずっと一緒に…おりたい …なんて、お兄ちゃんを困らせちゃうんは、いかん…ね やけん…今を、この時間を…楽しもうって思う たぶん…もうしばらくは、大丈夫かな 二人っきりじゃなくなるまで…お兄ちゃんの、隣で… ん…んぅ…すぅ、すぅ… お兄ちゃん…… ばり…好いとー…よ…… すぅ、すぅ……ん、すぅ…すぅ…すぅ