道具実験(一部抜粋)
「11月22日、11時12分。……おはよう。実験を再開するわ」
「結果がどうあれ、あと12時間48分であなたは解放される。よかったでしょう?」
「と言っても……あなたの自我はそこで終わるのだから、安堵よりむしろ恐怖が勝るのかしら。……ふふ。どっち?」
「……え……? 笑っていた? 私が? そんなこと、意図せずしてあるわけがないわ。……妙な言動は控えて」
「……さて、今日はまず、この道具を使用した実験を行う」
「ええ。女性器を模した、自慰行為用のホールね。もちろん、知っているでしょう」
「これにたっぷりと……、ローションを注入する」
「使用する道具はもうひとつ、睡眠中に使っていたこのアイマスク……。さっき起こす前に外してあげたばかりだけれど、……また、暗闇の世界に戻ってもらうわ」
「……どう? 不安でしょう。眠るわけでもないのに、主だった情報源である、視覚が失われるというのは」
「……ねぇ。これから、何をされると思う? それは……ね……」
「覚醒したばかりでがちがちになっているペニスを……いきなりさっきのホールに……そうっ、にゅう……っ!」
「……ふ、ふ……いきなりで痛かった? ごめんなさいね」
「ローションを人肌に温めておいたから、冷たくはないでしょう。……どう? 実際に女性へ挿入しているように感じる?」
「……すぐに動かしていくわよ……。まずはゆっくりと……、じゅぽ……、じゅぽ……」
「挿入する前に目隠しをしたから、今あなたのペニスを包み込んでいるのが、さっきローションを注入していたホールだという確証は、あなたにとって、どこにもない、わね?」
「例えば、これが私の膣だと言うには、感覚的に無理があるかもしれないけれど……本当に違うと言い切れる?」
「じゅぽ……じゅぽ……、じゅぽ……じゅぽ……」
「……裸で四肢を拘束されて、視覚を奪われて、敏感な部位を刺激されて……この上なく無防備な状態。……いつ、どこから、どこを狙われるかわからない恐怖……」
「さぁ、これ以上、いったいどうされてしまうのかしら……?」
「じゅぽ、じゅぽ……。……残念でした。どこもいじってあげない」
「このまま他の場所を攻めたりしたら、すぐに終了してしまいそうだから。……おとなしく、ペニスの感覚……と、私の声だけに集中して、ね」
「……ん、んっ……ほら、どんどん、早くするわ。じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ、じゅぽ……」
「……あら。……なぁに。……もう、射精感が高まってきてしまったの」
「口にするのは今更だけれど……、あなたは、早漏の傾向が強い、のね」
「別に、それが悪いことなどとは全く言っていないわ。パートナーとの相性による問題」
「ちなみにこの実験を行う上では、早漏傾向、かつ、回復が早い、というのは……なかなかに適正があるわ。少なくとも、私の実験パートナーとしては」
「でも……そうね。PC筋の状態も見ておきたいわ。……恥骨尾骨筋。排尿や射精をコントロールする筋肉よ」
「これから、私が10数えて、ぜろと言うまで我慢できたら……、ごほうびをあげようかしら」
「念のため言っておくけれど、当然これは正確な10秒と同義ではないわ。ただ、目安としての数よ」
「じゅう……、きゅう、……じゅぽ、じゅぽって、どんどん速くしちゃうけど……」
「はち……、なな……、ごほうびが気になるなら、耐えて、ね……」
「ろく……、ごぉ……。顔が、赤くなって……、息も荒くなって……」
「よん……、さん……。とても、つらそうね……。がんばって」
「にぃ……。別に、ここで意地悪はしないわよ。……いち……」
「……よく我慢したわね。ごほうびは……、お耳よ。……さぁ、……イきなさい……! ぜろっ」
「じゅ、じゅじゅじゅっううう……ちゅぱちゅぱ……れろれろれろれろ……ちゅううう……じゅ、じゅぽっ……っ、ぱぁ……」
「っ、はぁ、……すごい勢い、ね……ホール越しに、熱が伝わってくるみたい……はぁ……ぁ……」
「………………。……ふー……。お疲れ様。目隠しを外すわ。……おかえりなさい」
「気分はどう? ここに来てから初めて、道具で射精した気分は。……ほら。あなたが犯していた穴はこれよ」
「あなたが挿入していたのは、順当に、目隠しする前に見せていたホール。ローションと、自分の精液でどろどろの中身、見える?」
「……ふぅ……そう。……おそらく、完全に道具のみの刺激にしておけば、少なからず虚無感が呼び起こされるはずだったのだけれど……」
「ごほうびなんてあげるべきではなかったかしら。……まぁ、まだまだ方法はいっぱいある」
「……一旦、休憩にするわ。これからもっと、様々な道具や器具を試していくから、覚悟しておくことね。ふふ……」
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