Track 3

03

おはよう、兄よ。もうすぐ朝食の準備ができるぞ。 ほら、早く起きて……わぁ!? こ、こらっ、いきなり引っ張るとは何ごと……んむっ、ちゅぷふっ、ん~っ、んむぅ! じゅるじゅる、ん~っぷはぁ! はぁはぁ、こ、こら……朝から何をする。 おはようのキス? なんだそれは、恋愛ドラマでも気取っているつもりか? しかも古くさい……ちゅぷ、んん。 ん~っちゅ、んはぁ! だ、だから待てと……昨日も父母が帰ってくるまでずーっとキスし続けていて、唇がふやけているのではないかと心配したくらいなのだぞ? それなのに……。 そ、それはまぁ、実際にはふやけてなどいなかったが……でも、ひりひりしたのは確かだ。 強く吸い過ぎということだぞ? 今朝になって腫れていたらどうしようかと……いや、まぁ。 ご覧の通り、なんの問題もないわけだが……だったらいいというワケではっ、あん! んっ、ちゅっ。 ちゅぷちゅぷ、ん~っちゅむん♪ んぅ、まったくもう……ちゅぷちゅぷ、じゅるん。 あん、ん~~んはぁ、はぁはぁ……起こしに来るだけでこんなに時間を取られていては、母に怪しまれてしまうぞ? 父と母には、私たちの関係を明かさないという約束だったろう? それに、無闇に人前で好きと言わないように。もちろん愛しているとも。 家族や親戚の前でもだ……わざわざ危ない橋を渡ることもないからな。 しかし、その代わり……っちゅ、んん♪ あぁ、分かっている。2人きりの時にはたくさん言い合おう、そう約束した……それが今? 確かにそうだが……居間にはまだ父も母もいて……あん、あふっ。 ちゅ、ちゅむ、んぅ~。っちゅ、んむ。あっふ、んはぁはぁ……ふぅ~、まったく。兄はとんだキス魔だったようだな。 覚悟を決めた途端にこれとは……いや? まったく悪いとは思わないな。むしろ好ましいぞ♪ 兄のキスは気持ちいい。兄の唇はとても気持ちいい……っちゅ、ちゅぷ。 私とて、時間が許すのならばいつまででもキスしていたい。 しかし、お互い朝の時間は限られているからな。 だからほら、そろそろ起きてくれ……ん? だったら、夜は時間がたっぷりあるかって? あぁ、それはもちろん……だが、父と母に……見つからないようにする? 寝静まった後? ふむ、あまり夜更かししすぎるのは良くないが……他ならぬ兄の頼みだ、頑張って起きていることにしよう。 え、眠気なんて消し飛ぶから大丈夫? ふぅ……何をする気なんだ、一体。 兄よ……忘れているかもしれないからもう一度言っておくが、私は兄の望む行為についてのおおよそは理解しているつもりだぞ? あぁ、キスだけが近親相姦ではない、分かっているさ。 望まれるのは嬉しいことだ。 だから、拒んだりはしない……だ、だが、何もかも未経験のことなのだ。 だからそう期待されても困る……特に私は、その……母のように胸がないしな……。 せ、成長期なのだ。これから毎日大きくなる……筈だ。 遺伝子の情報が上手く伝わっていれば、だが……え、そんなことは心配しなくていい? あぁ分かった、全部兄に任せるぞ♪