爪切り~爪やすり
次にお爪のケアをしていきますね。
まずはじっくり爪の状態を見せてください・・・お手を失礼致します。
爪って栄養や健康の状態がダイレクトに出るんです。
詳しい人だと病気の兆候まで見抜けちゃったりするらしいですよ。
普段はどうやって処理なさってますか?
市販の爪きりで切るだけ・・・なるほど、わかりました。
ネイルにこだわる方以外は皆さんそうですよね。
今日はこちらの爪きりと爪やすりで丁寧に形を整えていきます。
お客様、パソコンよくお使いになるみたいですから、
キーボードでの作業に支障の無いように先は短めに致しますね。
あ、この爪切り・・・変わっていますか?
お客様が使っているのって・・・
えっと、この中に・・・ありました、こちらのタイプですよね。
そうですね、プラモデル作ったりなさる方には馴染みがあるかもしれません。
ニッパー型の爪切り、そのままネイルニッパーといいます。
プラスチックを切るものよりも柔らかい金属でできていて、
爪を切る専用の道具になっています。
爪が散らからないように、こちらの紙の上でやっていきますね。
刃物を使っての作業ですので・・・きちんと支えられるように、お隣失礼致します。
ふふ、こちらの手からお爪のケアを始めますね。
私の太ももにひじをおいてしまってください。
削って整えることを前提にしているので、ここではあまり短くは致しません。
小気味いい音ですよね。
切れ味のいいものを使うと軽く切れますし、
何より爪への負担が少ないんです。
無理矢理折るように切ってしまうのが一番良くないんですよ。
ところでお客様・・・ふふ、知っていますか。
爪を切って整えるのって・・・人間だけなんですよ。
他の生き物も爪を研ぎますけど、それはより鋭くする為。
そう、狩りの為・・・相手の命を奪ったり、相手を倒す為ですよね。
けれどあえて、そんなことにも使える爪を、
相手を傷つけないようにと・・・短く丸くするのは・・・
決して貴方を傷つけませんって意思表示のようで。
だから私・・・爪を整えている男性ってとても優しさを感じるんです。
この手になら安心して触ってもらえるって
ホッとして身を任せたくなっちゃうような・・・
くすくす、私って結構手フェチなんですよね。
はい、親指も・・・ふふ、パチンパチン・・・。
ええやっぱり・・・好みの手ってあったりするんです。
手を繋ぎたい手だなぁとか・・・髪を撫でて欲しいなぁとか・・・おかしいですか?
ふふ、照れちゃいます。
では削っていきますが・・・
削り始める前に爪やすりに・・・軽く粉をはたきますね。
この爪やすりガラス製でして、
そのままですと削れすぎてしまうことがあるので、こうやって・・・
わざと粉をつけて調整するんです。
お客様、再びお手を失礼いたします。
爪にやすりをあてて・・・少しずつ丁寧に削っていきますね。
一定の方向に・・・ん・・・ふぅん・・・・・・
ええ、左右に交互に動かすと二枚爪になりやすくなってしまうんです。
削ったところもギザギザになって
肌や服に引っかかりやすくなっちゃって大変ですし・・・。
滑らかな爪に仕上げたいんです。
それと・・・女性の方に多いんですけど・・・
あまり三角形に尖らせた形にするのもよくなくって。
角を少し丸くした四角形くらいがちょうどいいんです。
目の細かいものに持ち替えて・・・
完全にひっかかりを取ってしまいますね。
柔らかいものをつんつんってつついても大丈夫な指先に仕上げますから。
んぅ・・・・・・ここを、こう・・・ん、ふぅ・・・。
うーん、もっとかしら・・・ん、んんっ・・・。
あ・・・っ、顔が近かったですか?
ごめんなさい、私、つい熱中しちゃって・・・。
息がかかっちゃってましたか・・・くすくす、恥ずかしいです。
・・・あっ、ふふ・・・よかった。
お嫌でなかったのでしたら・・・ホッとします。
では、もう少し・・・は、ふ・・・・・・ん、この角を・・・滑らかに・・・。
はい、できました。
続いて甘皮の処理をしますから、少しお待ちくださいね・・・。
コットンをスティックに巻きつけて・・・
軽く化粧水を染み込ませます。
これで甘皮を押していきますね。
ああ、甘皮っていうのは・・・この、爪の根元にある薄い皮のことですよ。
爪が伸びる邪魔になってしまうこともあるので、
軽く押して処理をしていきますね。
ふぅ・・・ん、きゅ・・・ん・・・・・・
強くしすぎないように・・・優しくきゅっきゅって円を描くように。
ふふ、爪をより美しく見せる効果もあるんですよ。
だから私・・・この甘皮押しをしてあげるのが特に好きなんです。
最後の一本・・・ふぅ、ん・・・ふふ、きゅっきゅ・・・。
こちらの手は完了です。
一度、紙と甘皮押しのコットンを取り替えますね。
それと・・・やすりに付いた爪の粉もはたきおとして・・・。
では、反対側の手もお爪のケアをしていきますね。
お隣失礼します。
手を支えて・・・ひじは私の太ももに。
痛くないですから、大丈夫ですよ。体重かけても。
では、こちらも始めに適度な長さに切っていきますね。
最初に真ん中を真っ直ぐ切って・・・
次にサイドのとがった部分ををちょこんちょこんと取って・・・。
そうですね、端をあまりしっかり切ってしまうと
巻き爪になりやすくなってしまいます。
ふぅ・・・ん、は・・・この爪も・・・
まず真ん中を直線状に・・・はふ・・・それから・・・
・・・ん?疲れないか、ですか?
ふふ、この爪きりでしたらそんなに力は必要ありません。
ご心配なく。
もちろん、爪きりの自体も毎日きちんとお手入れしています。
お客様の爪をお切りする為の大事な道具ですから。
それに私自身の手も・・・
ええ、お客様に「この手ならケアを任せられる」って思ってもらえるように。
尖らせた爪にばっちりネイルアート・・・
そういうのにも興味が無いわけじゃないんですけど
私はやっぱり自然な爪が好きなんですよね。
ん、はぁ・・・爪が健康的で綺麗な人って、ふぅ・・・
体の中もエネルギーに満ちた人って感じがしていいなあって・・・。
逆に、爪に元気が無い方は・・・元気にしてあげたいって思います。
私の施術で少しでも手が健康になってくれたら、それが私の幸せなんです。
あ、あら・・・また私ったら熱中して話しちゃって・・・
くすくす、ごめんなさい。
削り始める前に・・・爪やすりに粉をはたきなおしますね。
ちょうどいい削れ加減を維持したいので
片手ごとに綺麗にしてつけなおすんです。
お粉をパフでポンポンと・・・。
それでは、爪を削りますね。
お客様の手を、私の手でしっかりと支えて・・・
くすくす、お客様ったら・・・また顔が赤くなっていますよ。
この角度でやすりを当てて・・・一定の力と速度で・・・
ん、はぁ・・・・・・ふぅ、んん・・・ん、っく・・・・・・。
丁寧に、慎重に・・・大切なものを扱うのですから、当然です。
・・・ふ、は・・・・・・ん、っしょ・・・・・・左右を整えて・・・
ここも・・・んんっ・・・もう少し・・・ん、んぅ・・・ふぅ・・・。
次はより細かなやすりで・・・
これで仕上げると断面が滑らかになります。
それこそ、引っ掻いてしまっても痛くならないくらい・・・
優しい、紳士の爪にしましょうね。
ふふ、ん・・・・・・はぁ、ふ・・・・・・丁寧に・・・。
一本一本、指に形を合わせて・・・ん、く・・・・・・
この場合は・・・こうかな・・・?
ううん、あとちょっとだけ・・・ふぅ・・・んんっ・・・ふふ、よしっ。
あと一本・・・うーん、ふふ・・・ん、んんっ・・・できあがりです。
ふふ、では甘皮押しを用意しますね。
コットンを半分に割って、中の柔らかい綿だけを使うんです。
スティックにくるっと巻きつけて・・・。
しっとり濡らして、固定して・・・はい、ではこれで押していきますね。
丸ーく動かしながら・・・ん、んっ・・・少しずつ・・・押していって・・・。
くすくす、そうですね。
お爪のケアって何事も少しずつですね・・・ふふっ。
やっぱり男性の方はそういうの・・・
面倒くさいって感じたりするんでしょうか?
私はこの時間がとても好きです。
お客様がこの指で、爪で、誰かを幸せにしてくれたら・・・
お客様が私の施術で幸せになってくれたら・・・
そんなことを考えながら丁寧に、少しずつ整えていくのは楽しいことです。
ん、くすくす・・・・・・きゅぅ・・・きゅ、ふぅ・・・・・・
ふふ、お客様もリラックスしていただけていますか?
良かったぁ・・・ん、ふぅ・・・きゅっきゅ・・・。
はぁ・・・ん、うん。
これでお爪のケアは完了です。
如何ですか?
普段の爪きりと違ってつるつるしてて綺麗・・・ですか?
ふふ、喜んでいただけたら何よりです。
では、私はちょっと、次のケアの道具を持って参りますね。