03-01・第1章 アオイから呼び出される〔あなた〕
03-01・第1章 アオイから呼び出される〔あなた〕
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放課後、〔あなた〕が机とカバンの中の教材をチェックしていると、ユズハが〔あなた〕の傍ら(かたわら)に来て言いました。
「今日は、来週のピアノコンクールに備えてサツキさんのお屋敷でレッスンしてくるから、お前は一人で先にお帰りなさい。」
〔あなた〕は立ち上げりユズハに向き直って言いました。
「はい、それでしたら、お先に失礼します、ユズハ様。コンクールが近いのであまり無理をなさらないでくださいね。」
ユズハが教室を去ると、女の子達が〔あなた〕の所に集まって来ました。そして、女の子達のリーダー的なポジションにいるアオイが〔あなた〕に言いました。
「ねぇ、君、今日は、放課後、ユズハさんと別行動なんでしょ?」
〔あなた〕はちょっと困ったような表情をした後(あと)、笑顔を作ってアオイに言いました。
「は、はい。ユズハ様はピアノのレッスンがありますので。」
アオイはニッコリと微笑んで言いました。
「それなら、今日は一緒に帰ろうよ。」
「あっ、でも、その前にちょっと君に話があるんだけどいいかな?すぐに済むと思うけど。」
〔あなた〕は話の内容が気になりましたが、すぐに済む、と言うことでしたし、アオイと二人きりでの話ではなさそうでしたので、〔あなた〕はアオイの提案を了承することにして言いました。
「はい、わかりました。場所を変えた方が良いでしょうか。」
アオイが言いました。
「君も知っていると思うけど、私(わたし)は吹奏楽部に所属しているので音楽室の利用が自由にできるの。だから、音楽室に行きましょう。」
アオイは外見も可愛らしく、裏表のない社交的な性格で」を「社交的な性格で立ち振る舞いに落ち着きがあることから同学年の女の子達から慕われており、紅陽台学園の人気者でしたが、彼女はユズハと同様にフタナリ少女でした。
その性(せい)か、アオイの〔あなた〕への接し方からは明らかに〔あなた〕を自分の欲望の対象と見なしているように見えましたので、〔あなた〕はアオイのことが少し苦手でした。
先日も、ユズハに習い事があった日、〔あなた〕はアオイと数人の女の子達と一緒に電車で帰宅しましたが、電車が揺れる度にアオイは〔あなた〕に抱きつき、その都度、彼女は〔あなた〕のお尻やペニスを触りました。
それと、以前のユズハと同様なのですが、アオイは期末試験に備えた勉強会とか、文化祭で上演する劇の練習とか、様々な理由で〔あなた〕を自分の屋敷に来るように促していました。
そのような経緯からアオイが〔あなた〕に話があると言うのは〔あなた〕にとっては少し警戒すべき状況でした。
結局、〔あなた〕はアオイのほか、数人の女の子達と連れ立って音楽室のある特別棟の3階に向かうことになりました。
〔あなた〕は〔あなた〕と一緒にいる女の子達にはフタナリ少女と噂のある娘(こ)が多いことに気づき、〔あなた〕は余計に不安になりました。
〔あなた〕は女の子達と音楽室に到着しました。〔あなた〕が音楽室の室内を見回すと、既に数人の女の子達がその場に来ていました。〔あなた〕にとって、ほとんど顔見知りの女の子達でしたが、〔あなた〕は合計して十数人の女の子達に囲まれることになったので、〔あなた〕の不安はさらに大きくなりました。
〔あなた〕を音楽室に招き入れたアオイは音楽室の入り口のドアを閉めると〔あなた〕に近づいて横目で〔あなた〕に視線を送ると少し妖艶な笑みを見せながら言いました。
「こんな所に呼び出してごめんね。君にちょっと確認したいことがあったの。」
「実を言うと私は君とユズハさんの関係に興味があって、色々と調べさせてもらったのだけれど、君はユズハさんの専属のお世話係(おせわがかり)として、ユズハさんに特別なサービスをしているらしいわね、ふふふ。」
〔あなた〕はアオイの口から、“特別なサービス”と言う言葉が出た時、ドキリとしましたが、〔あなた〕は冷静さを装って言いました。
「ぼ、僕はユズハ様にお仕えしている身ですので、ユズハ様のお世話をさせていただいていますが、特に変わったことはしていないと思いますが・・・。」
アオイはクスクス笑いながら制服のポケットから学生議会執務室のどこかの一室(いっしつ)の写真を取り出しました。ユズハは紅陽台学園で総務委員会委員長の要職を務めていますが、その写真は委員長室で男子生徒がユズハに抱かれているシーンが写された盗撮写真でした。男子生徒の後(うしろ)から撮影されているので、男子生徒の背中しか映っておらず、顔がわからないので誰なのかは特定できませんでしたが、〔あなた〕には極めて衝撃的な写真でした。
アオイは写真を見ながら青ざめている〔あなた〕の表情を楽しそうに見つめながら言いました。
「君ったら、ユズハさんのエッチなペットとして、すっかり調教されているみたいね。まさか、真面目な君がそんなにヘンタイだったとは知らなかったわ。君にはがっかりね。」
〔あなた〕は委員長室が何者かにより盗撮されていたことにショックを受け、内心冷や汗が出ましたが、自分の焦りを出来るだけ表に出さないように言いました。
「そ、その写真の背景は委員長室のようですが、もし、誰かが写真をとったのだとしたら、不法侵入です。それにユズハ様は総務委員長の執務室でこのようなことをなさる方ではありません。その写真は委員長室の背景を元(もと)に加工して作られた悪戯写真ではないでしょうか。僕も総務委員会のお仕事でしか委員長室に入ったことはないですし。」
アオイは実際のところ心中穏やかではない〔あなた〕の表情を楽しそうに観察しながら言いました。
「そうなの。つまり、総務委員でもある君はお世話係(おせわがかり)のお仕事ならユズハさんとエッチなことをするために総務委員長室に行くということなのね。だったら、私達もお金を払って君にお仕事させれば、君を自由に出来るってことよね、ふふふ。」
〔あなた〕はアオイの言葉に身の危険を感じ、音楽室から出て行こうとして言いました。
「す、済みません。そう言うお話でしたら、僕は失礼します。」
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