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*サンタが家にやってくる
;ピンポーン とチャイム音
;少し待って扉ガチャ
「やっほー、メリー、クリスマス-ーーー!! サンタがあなたの家にやってきたぞ」
;きたぞ、の間くらいでぶつんと切って扉を閉める音
;どんどん、と扉を叩く音をさせながら
「やーー、あけてー、無視はひどいよー、ていうか、寒いの、この格好で外に居ると外気も人の視線も冷たくて死んじゃいそうなの-、あけてー、あーけーてーーーーーーっ」
;ガチャ
「うう、ようやく開けてくれた……ひどいよ、まさかいきなり扉を閉めるなんて……ビックリして泣いちゃってるよ、私……」
「何をしに来たって……えーと、ほら、これ見て判らない? サンタサンタ、サンタのコスプレ。そして今日は12月24日、クリスマスイブ!」
「そうそう、サンタがやってきたのです! やー、おめでとうございます。全国128,057,352人(2010年10月1日の確定値)の中から選ばれた幸運な方です。いやー、お客さんツイてるなー♪」
;ツイテルなー のあたりでまた扉締める音
;どんどん
「だから、締め出しはやめてー、寒いの、冷たいの、周りの人が何の騒ぎだろうってこっち見てくるのーっ! あ、いえ、違うんです、私デリバリーヘルスとかそういうのじゃなくて、ここの家の親戚でしてサプライズパーティー用の演出をしていただけで」
;ガチャ
「はい、はい……ええ、そうなんです。怪しい人間じゃないんです……あわわわ、き、君からも言って、私が君の従姉妹のお姉さんだって、ほらほら、言って言ってっ!」
「……ぅ……いや、えーと……はい、そうです……まだ独身の寂しめなこの子の従姉妹のお姉さんです……くすん……なにもそこまで言わなくても良いじゃないのよぉ……」
「はい、すいません、お騒がせしました……いえ、大丈夫ですから、あう……はい……うぅ、何とか誤解は解けたけど……独身の寂しめな人とかいう注釈、必要だった……?」
「……うん、まぁね。うん、そうだね……クリスマスイブにこんな事してるくらいだもんね、そうですよ、どうせ彼氏なんて居ませんよ、うう、誰のせいだと……う、ううん、何でも無いっ!」
「と、とりあえず、おうちに上がらせてよ。もう、寒くて寒くて、出来ればおこたに入れて、人目の付かない場所に……覚悟していたつもりだったけど、身も心も凍えちゃいそうです……」
;少し間を置いて
;ガチャ、と扉の音でリビングに移動演出
「ふぃーーー……ぁぁぁぁぁ……いきかえったぁぁぁ……というか、死ぬかと思ったぁぁ……」
「んー、何しに来たって……おじさんとおばさんに言われて。おじさんとおばさん、今年もクリスマスは稼ぎ時で忙しいんでしょう? うんうん、毎年の事なのは知ってるんだけどね、でも毎年友達の家に行ったりしてるのに今年は一人なの気にしてたみたい」
;『』は母親の口真似です。
「で、おばさんから電話があって『あの子、クリスマス一人なんだけど良かったら瀬名ちゃんあの子と一緒に過ごしてくれたらおばさん、嬉しくて涙が出るわぁ』と説得されまして……なんて私得な提案だろうと……あ、いえ、なんでもありません、はい」
「それでせっかくだから、その……ほら、クリスマスイブにちなんでこんな格好をしてみたんだけど……えーと、その……似合ってない、かな?」
「ほら、えっと……結構ミニだし、胸元も見えてるし、頑張ったんだけど……あ、こら、目を逸らしちゃだーめ。君の為に着たんだから、ちゃんと見てよ、ね?」
;少し呼吸音。緊張した感じで
「……………………どう、かな……にあって……ない?」
「……似合ってる……ふふ、そう? ありがとう、ふふ、そっかー、似合ってるから……ふふ、うふふ……えへへ……」
「え、う、うん、嬉しいよぉ。だって君に見て貰う為に着たんだもの……君に似合ってるって言われて、嬉しくないわけないよぉ……えへへ……」
「え、もっと見たいの? うん、良いよ。ほら、こっちに来て、もっとよく見て……?」
;少し間