第8話 メイドさんとクリスマス
メイド「こ、こうやって引っ張ればいいのか……んー……」
クラッカーを鳴らす
メイド「うわ、すごい音すんなこれ!?……ふふ、クリスマスを祝うなんてはじめてだ」
主人公「ないの!?」
メイド「あぁ、オッサンはこういうの無頓着だったからな正月ぐれぇか?……だからよくわかんねぇんだが……ツリーとケーキでいいんだよな……ツリーは観葉植物で代用だけどよ」
主人公「それでいいはず」
メイド「よしよし、じゃあケーキ早速食べてみてくれよ……はじめて作ったからちょっと不安だけど」
主人公食べる
メイド「どうだ?……うまいか!……えへへ、やった♪」
メイド「私も……はむっ……うーん、うまい……甘くて幸せだなぁ……ん……(近づいて)ほら、ご主人、クリームついてるぞ」
主人公「……なんか最近メイドさん女の子らしいよね」
メイド「なんだよご主人……え、最近女らしいか私?……ば、ばか、最初から私はいい女だ……やっと気づいたか」
メイド「……冗談だよ(照れ)……なんかよ、ご主人の前だと最近こうなっちまうんだ……こんなもんまで作っちまったし」
プレゼントを差し出すメイドさん
メイド「……マフラー編んだんだ……クリスマスプレゼントにやるよ」
主人公「わ……ありがとう、メイドさん」
メイド「へへ、最近寒いからな……ご主人様が風邪を引いちゃメイドとしての名折れだ」
主人公もプレゼントを渡す
メイド「え、ご主人もプレゼント用意してくれてたのか……ありがとう……なんだろ……『全国共通カニ券』……おお、カニ食べ放題じゃねーか!……って」
ちょっとむくれて
メイド「むっ、嬉しいけどよ……もうちょっと色気づいたのくれてもいいんじゃねぇか?……その……恋人に……だしよ」
主人公「え」
メイド「あ……ご主人は私を好きって言ってくれたから次は私の番だろ……まだ気持ちが変わってなけりゃ恋人かなって」
主人公「変わってない!メイドさん大好き」
メイド「えへへ、そうか♪……私も好きだぜご主人……すーはー(深呼吸)……認めるよ……もういつからなのかもわからねぇ……私はご主人に恋をした……惚れちまったんだ」
主人公「メイドさん……そういえば恋は重いって」
メイド「あ……覚えててくれたか……人魚の恋は軽くねぇ……ご主人も一つ覚悟を決めてくれ」
主人公「うん」
メイド「いいか……これから毎日……毎日だぞ……私と……その……ううっ……(もじもじ)」
主人公「?」
メイド「(覚悟を決めて)……私とキスしてくれ」
主人公「え……」
メイド「昔、教えられたんだ……人魚は恋をしたら毎日キスして貰わないと泡になっちまうって」
主人公「そんなことでいいの?」
メイド「そ、そんなことでいいって!キスだぞ!子供でも出来たらどうすんだよ!」
主人公「え……できないよキスじゃ」
メイド「ふぇ……キスじゃできないのか子供……ウソだろ?」
主人公「ウソって……誰から聞いたの?」
メイド「え……そりゃオッサンから小さい時に聞いたんだよ……恋したらキスしないと泡になって、キスしたら子供が出来るって……だから私はそれ信じて……笑うなご主人!」
主人公「ごめんごめん」
メイド「……まぁご主人を信じるよ……けどやっぱり泡になるのはウソかどうかわかんねぇし……それに、私はそんぐらい本気なんだよ……毎日キスしてほしいくらいご主人に惚れてる」
主人公「メイドさん……うん」
主人公キスしようとする(やや近づき)
メイド「ま、待て……いきなりキスしようとするんじゃねぇ……ムードっつーものがあるだろ……私は逃げねぇからよ……あとでちゃんとしようや」
主人公「うん」
メイド「うん、そんじゃクリスマスの続き楽しもうぜ……ご主人、メリークリスマス」