第15話 メイドさんとプロポーズ
第15話 メイドさんとプロポーズ
夏のはじまりプール開き 遠くから
メイド「おーい、ご主人!プールに水が張れたぜー」
近づいて
メイド「えへへ、これにてプール掃除完了だな♪……お疲れご主人」
ハイタッチ
主人公「お疲れ様メイドさん」
メイド「よっしゃ、じゃあ早速プールに足でもつけて涼もうぜ」
二人で足をつける
メイド「ふぅー、気持ちいい……プール掃除すると夏って感じするよ……今日なんかもうほとんど夏みてぇな陽気だしよ」
主人公「そうだね」
メイド「おっと、こいつを飲まなきゃはじまんねぇよな……ほれ、ご主人もラムネ」
ラムネをぷしゅっと
メイド「さてと……何に乾杯すっか……プールに……青空もいいなぁ……うし、決めた」
メイド「……ご主人との出会いに乾杯」
乾杯する
メイド「んぐんぐ……ぷはぁー……ふふ、ご主人がはじめて屋敷に来たのが、ちょうどプール掃除してた日なんだよ」
主人公「そういえば、掃除してたっけ」
メイド「そうそう、ちょうど1年さ……いつも通りの夏が来て、プールで好きに泳いで、夏が終わればまたじっと夏を待つ……そんな何でもねぇような一年の始まりのはずだったんだがな……ご主人が来てすっかり変わっちまった」
メイド「元気のねぇご主人に毎日世話焼いてよぉ、泣き言聞いて、励まして……そしたら大好きな
夏がいつの間にか終わっちまった」
主人公「あはは、あの時はごめん……そしてありがとう」
メイド「礼を言うのはこっちさ……いつの間にか私の方が励まされちまったからな」
メイド「秋が来て、冬が来て、春が来て……いったいどんだけの楽しいことがあったか見当もつかねぇ……ご主人と過ごした毎日は泳いでるみてぇに幸せだった」
メイド「いや……泳ぐよりずっと幸せだったかな……小さい頃はさ、ずっと水の中にいてぇって思ってた……水の中は静かで、落ち着いて、気持ちよくて……だけど一人だった」
ニコリと笑って
メイド「今はご主人と一緒だ♪……何をすんのも二人だよな……私はよ、ご主人っていう海があればもうどこへだって行ける……そんな気がするんだ」
主人公「メイドさん……」
メイド「はは、ちっと喋りすぎたな……なんかこっ恥ずかしいや……(一呼吸置いて)……ありがとうご主人……愛してる(ここだけボソっと)」
主人公「……」
そっと手を握る
メイド「……何を言わず手を握ってくれんだな……嬉しいときも悲しい時も傍にいてくれる……
そんなご主人だから私は恋をしたのかもな」
メイド「ふふ……ここまできたらもう言葉なんかいらなかったかな……ん……手の中になんかあんぞ……なんだよ」
手を開けてみると指輪
メイド「指輪……なんだよこれ、くれんのか?(無邪気に)」
主人公「結婚しようか」
メイド「け、結婚しよう!?……私とか?……他にいねぇか……い、いきなりすぎねぇか……こうプロポーズっつーものは順序とかムードがよ」
主人公「メイドさんに全部先に言われちゃったからさ……気持ちは同じだよ」
メイド「え、先に私が全部言っちまったのか?……ご主人も気持ちは同じか……」
メイド「いいのか?こんな男勝りな嫁でよ。ご主人を尻に敷いちまうかもしんねぇぞ」
主人公「望むところだよ」
メイド「望むところか、はっはっは……ご主人とはいい夫婦になれそうだな!……断る」
主人公「え」
少しだけスネ気味のメイドさん
メイド「ちゃんと男らしくプロポーズしてくれやご主人、一生に一度のことだしよ……流れじゃなく
て、しっかりと私の目を見て……最初に教えたろ?な♪」
主人公「わかった」
正面を向いて
メイド「すーはー(深呼吸)……うし、いつでもこい」
主人公「結婚しよう、メイドさん」
メイド「……あぁ、結婚しようご主人」
メイド「……へへ、私の恋は見事、愛へと実ったわけだ……指輪、はめてくれよ」
主人公指輪をはめてあげる
メイド「薬指……ぴったりだ……なんか不思議な感じだな指輪なんてしたことなかったしよ……まぁすぐ慣れるか……だって一生するんだしな(照れ)」
メイド「……ご主人にもしてやるよ……これでおそろいだな」
メイド「……ぐすっ……あれ、なんか涙出ちまった……へへ、もう一人じゃねぇんだって……私にも
家族が出来たんだって思ったら……なんか泣けちまったよ……うれし泣きってやつだ」
抱きしめる主人公
メイド「あぁ、一緒だご主人……ずっと一緒だ……何があったって離してやんねぇからな覚悟しろよ……私はご主人と生きてくからな……うん」
目の前で
メイド「……ご主人……誓いのキス……しようぜ」
メイド「うーん、病めるときも、健やかなるときも……だっけ?……細かいことは知らねぇが一言だけ……あなたを一生愛します……んっ……ちゅっ」
メイド「末永く大事にしてくれよな……ご主人様」