『女』の目覚め
「今なら間違いなく警察沙汰になるような事だし、当時もそれがバレれば問題にはなっただろう……でも、きっと……私と同年代の子の中には多少形が変わっても、似たような体験をして、それを胸に秘めたままにしている人がいるだろう」
「面子といえば聞こえは悪いが、親や先生に対して相談する程の事じゃない……そういう意識が私にもあった。両親を心配させるからという事もあったし、もっと言えば身近にそれよりも生々しく、悲惨な話があったからだ。インターネットなんて無い時代でも一度噂になればそれは一気に広まる。今と違うのは、その噂は日本のどこかの誰かではなく……身近の誰かか、その知り合いという事だ」
「もちろん、全部の噂が本当とは限らないが事実である事も混ざっている……そしてそういう話と比べれば、確かに嫌な状況ではあっても、警察や両親や先生と言った人達を頼るほどではないと思ってしまっていたのだ……実際、彼は……彼なりにではあっても私を『自分の女』として大切に扱ってくれていたとは思う」
「私に悪戯を始めたのも、もしかしたら彼なりの恋心だったのかもしれないと今なら思える。もちろん、そんなかわいい物じゃない事になっていたのも確かだが……だが、彼は決して私とした事をあけっぴろげに誰かに話したりはしなかった。もちろん、匂わす程度の事を言ってたのは……当時の彼の取り巻き達が、私の胸やお尻をよく見ていたので判っている」
「それでも……彼以外の誰かに乱暴される事も無かったし、彼への嫌がらせの延長での悪戯もそうそう無かったのは彼なりに私を守ってくれていたからだろう……それともう一つ……彼は私のお願いを1つだけきちんと聞いてくれたのだ」
「それは彼だけの秘密基地に連れ込まれるようになってからしばらくして……いつものように身体をいじり回され、そして最後は彼のおちんちんを舐める……そんな事をしていたある時……彼はとうとう我慢出来なくなったのだろう、私を押し倒してセックスをしようとした……こうなる前は初心で何も知らなかった私も……それがどういう意味か、その時には理解出来るようになっていた」
「その時ばかりは必死にお願いをして処女だけは許してもらった……処女は結婚する人の為に……言葉には出さずとも、その意味は判ったのだろう……その場で怒ってこちらの意思を無視してレイプだって出来たはずだ……だが、彼は私の言葉に不満そうにしながらも頷いた……ただ、もちろん……お願いをしたのだから、代わりを要求される事にもなった」
「セックスをしない代わり、そう言われると私も断りづらい……言われるまま、四つん這いになり、お尻を突き上げるようなポーズを取る……それまでは正面から何かをしたり、お互いが見えるような体勢だっただけにこれがすごく不安だった……何をされるのだろうか……そう思っていると……お尻をつかまれ、ぐっと開かれる……え、と思う間すら与えられず……彼はお尻の穴を舐め始めた」
「訳が判らない、だって、そこはあそこじゃない。お尻の穴で汚い……やめて、とお願いするとおまんこ出来ないなら、こっちで代わりしろ、と言われる……知識としても知らなかったけど、それで理解した……女の穴は……全部、おちんちんを入れられてしまう場所なんだ、と……もちろん、抵抗すればどうなるか判ってる……その時は強引に処女を奪われるのだ」
「処女とお尻、どちらが良いか……判らない。判らないけど、処女は大切にしないと……そう思い、私は小さな声で判った、と頷き……私の了承を得ると彼はまた、お尻を舐め始める」
「気持ち悪い、変な感じ、ゾワゾワする……そんな感覚を覚えながらも、お腹の奥が熱くなってくる……あそこや胸を弄られ、私の身体は彼にされる事を快楽として受け止めるようになってしまっていた……痛いよりも、苦しいよりもその方が私も楽だったから……そう、最初に流された時点で……私の意思とは関係無く、私の身体は『彼の女』にされてしまっていたのだろう」
「それからはいつもの密会の最後に……お尻の拡張が加わる事になった。最初は指も入らないな、と言われたお尻は彼に舐められ、解されていく内に1本、2本と指を呑み込めるようになっていく……最初は不快感や気持ち悪さを感じていたはずが、次第に訳が判らない物へと変わっていき……それはあそこを弄られる時と同じか、それ以上の刺激となって私に甘い声をあげさせる」
「お尻を弄るようになってから一月ほどだろうか……私が彼の精液を飲めるようになり……いつしかおちんちんの味と形を覚えてしまった頃……その日、彼は私の口に射精する前に自分から抜いて……尻、こっちに向けろと言った……ああ、この時が来たんだと……私は恐怖すると同時に……お尻を弄られた刺激を思いだしてあそこが濡れるのを感じていた」
「言われるまま、ゆっくりといつも通り四つん這いになり、お尻を高く持ち上げる……まるで私からおねだりするような浅ましい格好に恥ずかしさを覚えるが、それすらも私の身体は悦んでいるようで……熱い物がお尻の入り口に触れる……彼が後ろから覆い被さり、いくぞ、と耳元で言われて……私は小さく頷いた」
「同時にお尻の穴が広がった……熱くて固い物で押し広げられていく……あ、あああ……と自然と漏れる声……耳元では彼の荒い呼吸と小さなうめき声……狭いな、という言葉だけはハッキリと覚えてる……ただ、その時の私は何かを言う事も、反応する事も出来ず……ただ、うめき声なのか、それとも気持ち良い声なのか……自分でも判らない声を漏らす事しか出来なくなっていた」
「全部入ったぞ、と言われてもこちらは返す余裕がない。自分の穴が広がる感じ……口でしている時は全く違う感じ……後ろから覆い被られて、体勢を何とか維持するので必死だ……私が反応出来ないのを察したのか、それ以上彼は何かを言う事もなく、腰を動かし始める……ズン、ズンとお腹の中がかき回される……良く判らない。でも、自分の中が男にメチャクチャにされてる、そんな感覚」
「艶っぽい声なんてあげてなかっただろう。むしろ、ケモノの様なうなり声だったと思う……私は彼の動きを必死に受け止める事しか出来なかったし、彼も余裕がなかったのか、無言で腰を動かし続ける……耳元にかかる彼の荒い呼吸が背筋をゾクゾクとさせる」
「それが変わったのは……ここもいじるからな、と彼が言うと同時にあそこを弄られた時だった……お尻の広がる感じと、あそこを弄られる気持ちよさが一緒になって……訳が判らなくなった……私は今気持ち良いのだろうか? それとも痛いのだろうか……わかんない、わかんない……そんな私の不安に気づいてないのか、彼は腰を止める事なく、荒い呼吸を私の耳や首に吹きかけてくる」
「衝撃や快楽以上のよく判らない物に私は怖いよ、わかんないよ……何とか言葉にする……すると彼は目をつぶってろと言い……言われるまま、目を瞑ると……今度はハッキリと……判ってしまった……彼によって開発された自分の身体……その一番奥……女の部分を……彼の物が突いてきている……ズン、ズンと……前後に揺さぶり、私の女を……荒々しく……揺さぶってくる」
「甘い声が漏れた……漏れて、しまった……目を瞑り、意識して……判ってしまった……確かに処女は守れた。処女は残っている……でも、これはセックスだ……判らなくなってたのは心と身体がバラバラの反応をしているから……じっくりと時間をかけて開発されたお尻は彼の物をすんなりと受け止めたし、意識してしまえば私の口からは自然と甘い声が漏れてしまうじゃないか」
「一度意識してしまうともう後は転がり落ちていくだけ……うめき声の様な声は徐々に徐々に甘い物へと変わっていき、それが彼を興奮させて更に動きを激しくする……するとお腹の中で私の女が悦んでまた私は甘い声をあげる……快楽だけじゃない多幸感……強い男に屈服させられ、自分の身体で満足させている……その充足感……ああ、そんな物で感じ始めてしまっている」
「出るぞ、と耳元で囁かれた時にはもう、私はお尻でしているのか、あそこでしているのか判らなくなっていた……ただ、中に……くださぃ……と喘ぎ声混じりにおねだりをして……その瞬間、彼の物が爆ぜて……私の中に熱い物が注がれるのを感じた」
「それは錯覚だったんだろう。寝る間際の夢が少しだけ現実味を帯びさせる、その程度の事……だが、私はお腹の中、女の部分に……何度も飲み下した彼の精液がかかるのを感じて……まるで彼に合わせるように達してしまった……その時の絶頂はそれまでに味わったどれとも違う物だった……単純な快楽からの絶頂では無く……充足感、満足感、多幸感……それらがない交ぜになって絶頂だった」
「彼が上から体重をかけてきて体勢が維持出来なくなる……そのままぐったりとうつぶせに寝そべり、彼が覆い被さる……お互い、しばらく荒い呼吸しか出来ず……ただ、あそこは……今まで以上に濡れていたのは覚えている」
「こっち向け、と顔をやや乱暴にむかされる……同時に唇を塞がれる……触れあった瞬間、唇が入ってきて……口の中を味見されるような……何度目か判らない乱暴な彼とのキス……それまではただの刺激しか感じなかったのに……その時は妙に幸せな気分になってしまい……タバコ、やめないと先生に怒られるよ……なんて……少し生意気な事を……初めて言った」
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