夢への入り口 導入
ふふ、じゃあ早速、ボウヤと、お姉さん、ふたりだけの夢の世界に移動しましょうか。
大丈夫ですよ。何も難しいことはありません。ボウヤは、ゆったりと横になったまま、お姉さんの声をただ聴いているだけでいいの。
何も考えず、ただボーっと聴いているだけで、ちゃんと、もっと深い夢の中に落ちていけますからね。
もっと深い夢の世界に落ちていくと、だんだんふわふわとした、とろっとした、夢のまどろみが、大きくなる。体の力も抜けてリラックスした状態に、どんどん変化していく。
それは、とっても素晴らしいこと。
心地のよいリラックスした状態。
ただ、声に身を任せていれば、楽しいところに、行ける。
でも、その前に、準備をしないと。ほら、最初はお姉さんの声に合わせて、ゆっくり、ゆ~っくり深呼吸しましょう。
さあ、
吸って~~。吐いて~~。
吸って~~。吐いて~~。
そう、上手よ、ボウヤ。
そのまま、自分のペースでゆったりと深呼吸を続けてね。おねえさんは、ボウヤにお話をするけど、ボウヤは呼吸に集中していてくれたらいいからね。そして、そのときにイメージもしてみましょうか。
息を吸うときに、おなかにだんだん力が入っていって、体全体の力が集まってくるイメージ。
そして、息を吐くときに、その溜まった力が、呼吸といっしょに外に抜け出していくイメージ。
風船がゆっくりゆっくり膨らんで、どんどん力が加わっていく。でも、空気が抜けるときには、一気に抜ける。ボウヤの体の力も息を吐くときに、一気に抜けて、脱力する。脱力すると、余分な力が抜けて、身体は軽くなる。でも、脱力するから、身体から力が抜けてベッドに沈み込んでいく。
ふふ、難しいことなんて何もないの。ただ、ボウヤは呼吸とイメージに没頭すればいいだけ。
お姉さんは、ボウヤの無意識に語り掛けるようにするから、ボウヤが聞こうとしなくてもボウヤの無意識がちゃんと聞いていてくれるの。
とっても簡単なこと。
ただ、風の囁きを聞くように、小鳥のさえずりを聞くように、ゆったりとした気持ちのままでいればいいの。
落ち着いた、穏やかな心地で、ただただ、流れる声を受け入れるだけでいいんです。
だって、ここはボウヤの夢の中。だから、ボウヤが頑張る必要はどこにもないの。夢の世界というのは、無意識の世界だから、ボウヤの無意識が私の声を聴くのは当然のこと。逆にボウヤの意識はだんだんとまどろみの中に溶けていって、それとともに考える力を失っていく。
別にこれは、不思議なことじゃないの。ボウヤの心の中には、ぼんやりとした境界線があって、意識も、無意識も、境界線を越えるととたんに力が弱くなってしまうの。
だから、ボウヤの意識がぼんやりとしてしまうのは、当然のこと。
意識がぼんやりと、してくると、だんだん、うとっ、うとっとした眠たい気持ちがやってくるのは、ボウヤも知っているよね。
例えば、暖かくて、おだやかな日。太陽が体をぽかぽかと温めてくれるお昼頃。
とても眠たい、そう思ったことはない。そういうときって、意識もまどろんで、ふわっ、ふわっ、どこかに飛んでいく感じで、からだ全体がぽかぽかしてくる。なんだか、夢見心地。
ぼんやりとした意識に、リラックスした状態で、ふわふわとしたまどろみ。体もだら~んとしてきて、幸せな感覚。
幸せなんだから、それはとてもいいこと。それは、無意識にとっても嬉しいこと。
ボウヤは、このゆったりした状態を、とても心地よく感じている。それは、ボウヤの心の奥で望んでいることだから、当たり前のこと。
ボウヤの心の奥っていうのは、無意識のこと。でも、ボウヤの無意識が、ちろ、ちろって表に出てきているから、ボウヤの表側でも、心地いいのを望んでいるっていうことかな。
そうすると、ボウヤの意識は、心の奥に隠れちゃって、なにも考えられなくなっちゃうんだったよね。でも、考えられなくなってしまっても、心地いい、穏やかで、眠くて、まどろんで、夢の中に落ちていくのは、気持ちいいから、いいよね。
夢の中で、とろ~ん、とろ~んって落ちていく。ゆっくり、ゆっくり、落ちていく。
なんで、ゆっくりなんだろうね。ふふ、それは、ボウヤがゆっくり、ゆっくり深呼吸をしているから。あれ?ちゃんと深呼吸してたかな。ふふ、いいよ、できてなくてもいいよ。だって気持ちいいから、しょうがないよね。
楽な呼吸をしていればいいからね。ボーっとまどろんだ意識のまま、どんどん深く深く落ちていく。ゆっくり、ゆっくり、落ちていく。意識がトロトロに蕩けて、考えられなくなっていく。
それでも、ここにいるのは、ボウヤが望んだから。
ボウヤが望んだから、夢の中にどんどん、浸っていくの。意識がまどろんでいくの。
意識がまどろむと、体の力も抜けていく。頭全体がぼ~っとして、重くなっていく。考える力がなくなって、スーっとベッドに吸い込まれていく。
まるで、ベッドがボウヤを吸い込んでいくように、包み込んでいくように。
頭がふんわりと包み込まれ、手や足も吸い込まれていくように、ズーンと。お尻、背中にシーツが吸いつく。呑み込まれていくように、ズーンと。
すでに、意識はずっと早く沈んでいっている。体だけが、ゆっくりと落ちていく。あれ、意識もゆっくり、ゆっくり、だったはずだよね。くすくす、ボウヤが気が付かない間に、意識はだいぶ深いところに沈んでいる。ゆっくり、ゆっくりだったから、気がつかなかったのよね。
ボウヤの意識は、もう、ずっと深いところに落ち込んでいる。
だって、それは、お姉さんが魔法を使えるから。
魔法って、知ってるよね。ボウヤもよく知っている、魔法。
魔法にもいろいろ種類があって、相手を気持ち良くする快楽の魔法、敵を敏感にしたりできる状態異常の魔法、自分の魅力を上げたりできる強化の魔法。
ふふ、サキュバスだからエッチな魔法ばっかり。でも、お姉さんの一番得意な魔法は、催眠の魔法。
夢の中でまどろんだ状態の相手に、どんどん暗示を吹き込んで、自分の夢に引き込んでしまう魔法。
ふふ、そう、今のボウヤみたいな状態。でも、ボウヤは嫌じゃないよね。だって、とっても、心地よくて、眠たくて、とろんとして、気持ちよさそうだもの。
大丈夫。何も、考えなくても、楽しいお遊戯のお部屋に行けるから。
ボウヤは、お姉さんの声を聴いているだけでいいの。そうすれば、おだやかな催眠状態に落ちていけるから。
それは、深い、深い夢の世界に落ちていくのと、同じ。
お姉さんの魔法は、催眠魔法。深い夢の世界へボウヤを導く不思議な魔法。
夢の魔法。それは、どういうことかわかる?魔法の夢なの?夢が催眠なの?催眠は魔法?
ふふ、どれがどれだっけ。いいのよ、わからなくたって、いいの。
全部、おんなじ。
ボウヤを心地の良い気持ちにしてくれるものだから。
さあ、もう少し深いところに降りていきましょうね。
ゆったりと、ゆっくりと沈み込んでいく、意識と体。
それらに、お姉さんがボウヤを導いてくれる数字をあげます。お姉さんの数字に引き寄せられていき、ゆっくりと落ちていきましょう。
お姉さんの言葉は、ふんだんに味付けをされた魔法の言葉。
魔法の数字は、ボウヤを優しく引っ張ってくれる。
じゅう
きゅう
はち
なな
ろく
ごー
よん
さん
にー
いち
ぜろ