夢の螺旋 深化(2)
さて、またここに帰ってきましたね
深く、深くつづく螺旋の階段。
また、りていきましょう。ゆっくりと、ゆっくりとした足取りで。
さあ、
一歩、また一歩と、ボウヤは、足を進める。
すると、その度に、ふわっと、意識が浮かび上がるように、ふわっと。
不思議、体は下へ下へと向かっているのに、意識は昇っている。
どんどん、体は下へ。まるで、重力にでも引かれるように。
底の見えない、のかかった螺旋の階段。
なんだか、靄の色も、最初見た時より、薄く桃色のかかったような。
靄の中へ向かうように、コツコツ、コツコツ、と。
すると、頭の力が、下へ下へと落ちていく。
スルスルと、まるで衣服でも脱ぐように、下へ、落ちていく。
それは、当たり前のこと。ボウヤは、階段をっている。下へ向かっている。
だから、力も下へ落ちていくのは自然なこと。重力に引かれるように、あの、淡い靄の中へ吸い寄せられて、引き寄せられていく。
スルスル、スルスルと。
そっと、両肩の力が抜け落ちていく。すると、それに合わせて、両腕の力も抜けていく。
腕の力が抜けると、今度は手首の力が脱力する。
手首から力が落ちると、今度は、最後に指先まで力が下に、脱げていく。
吸い込まれるように、余分な力が抜ける。
今度は、胸から、力が抜ける。吸い寄せられるように下に、下に抜けていく。
すると、おなかの力まで一緒に。さらに、背中からも、お尻からも。
抜ける、抜ける。余った力、いま、この場に不要な力が、一緒になって落ちていく。
そのまま、太ももへ。太ももにまとわりついていた余分な力が抜かれていく。
どんどん、抜けて、抜かれて。すると、ふくらはぎからも。
ふくらはぎのまとっていた力が脱がされていく。スルスル、スルスル、と。
そのまま、足首、足先と、丁寧に残さぬように、抜かれていく。
重いから解き放たれたような、軽やかな感覚。
それでも、落ち着いた気持ちで、そのままゆっくりと降りていく。
ほのかに足元を照らす炎の色も、赤から、うっすらと桃色がかった色に。
その中、一歩、一歩と。そう、一歩、一歩と足を進め、意識を進め、降りていく。
穏やかな炎の揺らめきが、薄暗いところを照らし、ほんのりと心地よい気分に変えてくれる。
ふわふわとした足取りで、一歩、また一歩、と。
一歩、進むたび、とろ、とろ、っと。意識がまどろむ。意識がまどろむと、より吸い取られるよう。
それは、炎に、それは、足音に、それは、螺旋の底の底へと、落ちていく。
そして、残るのは、まどろみ、とろんと、した状態のボウヤ。
まどろんだボウヤを照らす淡い光、靄のかかった淡い光。それは、穏やかな炎の光かも。
炎は、何色かな?光は何色かな?
ここは夢の世界、ボウヤの心が現れる場所でもある。
ボウヤの心を反映して、炎は、光は色を変える。
最初は、鮮やかな赤。でも、だんだんとうすく、淡い色に。
今は、ほんのりと桃色が混じってる。
ふふふ、最後にはどんな色になるのかしらね。
じゃあ、そろそろ次の部屋ね。また、いっぱいお遊戯しましょう。