Track 14

夢の螺旋、その終着

さあ、ボウヤ。これが、最後の階段。 ボウヤの意識は、さらに、さらに、深い所へ。 奥の底の底。一番深い所へ。 お姉さんの秘密の部屋。 そこへ行くまでに、あいまいに。おぼろげに。 意識が混濁して、混ざり、溶けあい。 自分の感覚があいまい。 もう、階段なんて感じられない。ボウヤは、浮かんでいるのか、沈んでいるのか。 それすらもあいまい。 ふわふわと、靄の中を漂い、引き寄せられていく。 意識がさらに、さらに、ぼんやりとしてくる。 ぼんやりとした意識に感覚が支配され、思考が回らなくなっていく。 体の感覚もあいまいに。すると、首と腰から力が吸い出される。 漂っているはず、なのに、重い。ズーンと引き寄せられる、重さ。 そして、首から今度はへ、腰から太ももへ、重さが広がる。 首から肩へ、腰からお腹へ、太ももからふくらはぎへ、顎から唇へ。 さらに、広がる重さ。どんどん、浸食されるように、広がる。 お腹から胸へ、ふくらはぎから足首へ、肩から腕へ、唇からへ、頬から鼻へ、鼻から目へ。 すると、広がった重さが、力も引きずり出していく。 ズルズルと、まるですするように、ボウヤの力を抜き取っていく。 引きずり出すように、すするように、奪うように。 濃厚な靄の中で、ボウヤの体は、心は犯されていく。 浸食され、一滴の雫がに広がるように。 胸から背中、足首から足先、腕から指先、目から額に、そして、頭まで。 内部、内側、表面、すべてを覆い、すべてを呑み込むように。 靄の浸食。ボウヤの体から、力が、完全に抜かれ、沈む。 沈み、沈み、深く、深く、深く。 3 2 1 ゼロ 一気に、落ちる、沈む、沈む。 速度が急激に早まり、濃厚な靄の中を落ちる、落ちる。 撫でまわす気体が肌をくすぐり、淫靡な感覚がく。湧き出る。 今までの記憶が、のように。 意識が落ちる。感覚が鋭敏に。思考が沈む。 そのまま、おいで。 お姉さんの部屋へ。 さあ、柔らかベッドに、ボウヤは沈んだ。 ふわふわのお布団の上で、最後のお遊戯始めましょうね。うふふ。