夢の螺旋、その終着
さあ、ボウヤ。これが、最後の階段。
ボウヤの意識は、さらに、さらに、深い所へ。
奥の底の底。一番深い所へ。
お姉さんの秘密の部屋。
そこへ行くまでに、あいまいに。おぼろげに。
意識が混濁して、混ざり、溶けあい。
自分の感覚があいまい。
もう、階段なんて感じられない。ボウヤは、浮かんでいるのか、沈んでいるのか。
それすらもあいまい。
ふわふわと、靄の中を漂い、引き寄せられていく。
意識がさらに、さらに、ぼんやりとしてくる。
ぼんやりとした意識に感覚が支配され、思考が回らなくなっていく。
体の感覚もあいまいに。すると、首と腰から力が吸い出される。
漂っているはず、なのに、重い。ズーンと引き寄せられる、重さ。
そして、首から今度はへ、腰から太ももへ、重さが広がる。
首から肩へ、腰からお腹へ、太ももからふくらはぎへ、顎から唇へ。
さらに、広がる重さ。どんどん、浸食されるように、広がる。
お腹から胸へ、ふくらはぎから足首へ、肩から腕へ、唇からへ、頬から鼻へ、鼻から目へ。
すると、広がった重さが、力も引きずり出していく。
ズルズルと、まるですするように、ボウヤの力を抜き取っていく。
引きずり出すように、すするように、奪うように。
濃厚な靄の中で、ボウヤの体は、心は犯されていく。
浸食され、一滴の雫がに広がるように。
胸から背中、足首から足先、腕から指先、目から額に、そして、頭まで。
内部、内側、表面、すべてを覆い、すべてを呑み込むように。
靄の浸食。ボウヤの体から、力が、完全に抜かれ、沈む。
沈み、沈み、深く、深く、深く。
3
2
1
ゼロ
一気に、落ちる、沈む、沈む。
速度が急激に早まり、濃厚な靄の中を落ちる、落ちる。
撫でまわす気体が肌をくすぐり、淫靡な感覚がく。湧き出る。
今までの記憶が、のように。
意識が落ちる。感覚が鋭敏に。思考が沈む。
そのまま、おいで。
お姉さんの部屋へ。
さあ、柔らかベッドに、ボウヤは沈んだ。
ふわふわのお布団の上で、最後のお遊戯始めましょうね。うふふ。