Track 3

上司と部下のオフ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 03.上司と部下のオフ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ //普通に語るシーンです。 //最初は正面【1~9】の間くらい 【瑠奈々】 「お疲れ様。  お風呂、汚れてなかった?」 【瑠奈々】 「先にいただいたから、  汚してはいけないと思って」 【瑠奈々】 「なんで立ってるんですかって言われても……」 【瑠奈々】 「……一人でいると、落ち着かなかったの。  それと……」 【瑠奈々】 「部屋着を貸してもらえたのは嬉しいけれど、  どうしてワイシャツなの?」 【瑠奈々】 「ジャージとかあれば、  それでも全然構わないのに」 【瑠奈々】 「まあけれど、お風呂上りだから、  涼しいと言えば涼しいわね」 【瑠奈々】 「そう言われても、  どうくつろいでいいのやら……」 【瑠奈々】 「え、ええ……じゃあ、とにかく座らせてもらうわ」 //右隣に来る。【3~11】 【瑠奈々】 「ええ、隣よ?  だってここにクッションがあったんだもの」 【瑠奈々】 「あ……貴方なりの定位置ってあるのかしら。  それなら言ってちょうだい」 【瑠奈々】 「あくまでも私は居候の身だから、  この家のルールがあるなら、それに従うわ」 【瑠奈々】 「……ここでいいのね?  なら、ここに座っているわね」 【瑠奈々】 「貴方確か、明日はお休みだったわよね。  予定があったんじゃないの?」 【瑠奈々】 「特にないって、気遣いはしないでいいのよ?」 【瑠奈々】 「そう、そうれならいいけれど」 【瑠奈々】 「あ、膝は大丈夫。  ただ、傷はないけど見事に紫色ね」 【瑠奈々】 「それほど大きくないのが救いだわ。  これ以上の大きさだったら、目だってしょうがないもの」 【瑠奈々】 「それにしても酷いわよね。  ひったくりなんて」 【瑠奈々】 「ただ、私が無事だっただけでも儲けものって、  そう思わないと」 【瑠奈々】 「ふふっ、心配してくれたの?  ありがとう」 【瑠奈々】 「……ふぅん…………」 【瑠奈々】 「わりと小ぎれいなのね。  私が来たから?」 【瑠奈々】 「じゃあそういうことにしといてあげるわ」 【瑠奈々】 「あら、信じているわよ?  貴方の仕事ぶりを見て、人格は把握してるんだし」 【瑠奈々】 「総合的な判断……とでも言えばいいかしら」 【瑠奈々】 「ふふっ、これからも頑張ってもらうわ。  期待してる」 【瑠奈々】 「上司に褒められて、嬉しい?」 【瑠奈々】 「あら、珍しいっていうのは心外だわ。  褒めるべきところでは、私は褒めてたと思うけれど?」 【瑠奈々】 「でしょう?  厳しいだけなんて、それこそ偏屈上司になっちゃう」 【瑠奈々】 「……まあ、周りからはそう思われているでしょうけれどね」 【瑠奈々】 「ふふっ、力強かったわねいまの。  そんなことないですっ! って」 【瑠奈々】 「……いいの。  今のプロジェクトが落ち着いたら、打ち上げでもしましょ」 【瑠奈々】 「私は一次会で帰るから、  みんなで私の悪口に花を咲かせればいいわ」 【瑠奈々】 「ひねくれて言っているわけじゃないの。  そういう団結のきっかけも必要なのよ」 【瑠奈々】 「今の部署のみんな、私は好きだもの」 【瑠奈々】 「いつかは私の気持ちをわかってくれる……とか、  淡い期待を持ちながら、私も頑張っていくわ」 【瑠奈々】 「って、部下の一人である貴方に話したら、  カッコ悪いわね」 【瑠奈々】 「でも、さっきの言葉を受け入れるなら……」 【瑠奈々】 「友達として、貴方に話したつもり。  どう? これでいいかしら?」 【瑠奈々】 「ふふっ」 【瑠奈々】 「そういえば、私を背負ってここへ来る間に、  貴方の知り合いとかには合わなかったの?」 【瑠奈々】 「ほら、誤解とかされたらまずいじゃない」 【瑠奈々】 「なに、自慢できるって」 【瑠奈々】 「……美人って私のこと?」 【瑠奈々】 「……本気で言ってる?」 【瑠奈々】 「ならどうしてモテないんでしょうね。  そんなに美人なら、勝ち組よね、私」 【瑠奈々】 「でもそうじゃない。  つまりは、美人じゃないってこと」 【瑠奈々】 「もらってくれるの?  貴方が? ふふっ」 【瑠奈々】 「ごめんなさい。  笑いながら言っちゃった」 【瑠奈々】 「……そうね。貴方みたいな優しい男性がいたら、  私も幸せなのかもね……」 【瑠奈々】 「ああ、それでさっきの話の続き」 【瑠奈々】 「おんぶの疲労はないの?  結構な距離を歩いたのよ? 貴方」 【瑠奈々】 「たくましいのね。  心強いわ」 【瑠奈々】 「それで、私に何かできないかしら。  お礼はしないとさすがに」 【瑠奈々】 「料理は?」 【瑠奈々】 「コンビニ弁当ばかりだと不健康よ?」 【瑠奈々】 「包丁も調味料もないの? マヨネーズと一味だけ?」 【瑠奈々】 「そこはなんていうか、男らしいというか……」 【瑠奈々】 「じゃあお掃除……って、  遅くに掃除機は近所迷惑よね」 【瑠奈々】 「ねえ、なにかできることないかしら。  このままじゃ落ち着かないわ」 【瑠奈々】 「……二人でまったり?」 【瑠奈々】 「ええ、こんな会話はしたことなったけれど……」 【瑠奈々】 「なんか、ちょっと恥ずかしいわね。  あらたまって、話そう、なんて言われると」 【瑠奈々】 「だって、さっきはおんぶされていたから、  顔も見えないし見られないしで……」 【瑠奈々】 「楽しかったって……こっちはひどい目にあったのよ?  もう」 【瑠奈々】 「そうじゃなくて、おんぶが楽しかった?」 【瑠奈々】 「……貴方、おんぶ好きなの?」 【瑠奈々】 「嫌いじゃないって、とぼけた言い方するのね。  いいのよ? 素直に言って」 【瑠奈々】 「あら、人の好みにとやかく言うような人間じゃないわ」 【瑠奈々】 「貴方が『それが好き』っていうものがあれば、  そこはしっかり尊重します」 【瑠奈々】 「ふふっ、それで、おんぶが好きなの?」 【瑠奈々】 「あそこであの返事なんだもの。  詳しく聞きたくなるじゃない」 【瑠奈々】 「それで、どぉなの?」 【瑠奈々】 「ふふっ、顔真っ赤よ?」 【瑠奈々】 「……後ろからしがみつけば、  おんぶした感じになるかしら」 【瑠奈々】 「しなくていいの?  私じゃ不満かしら」 【瑠奈々】 「美人って言ってくれたの、貴方よ?  その美人がおんぶしようって言ってるのよ?」 【瑠奈々】 「ぐいぐいきてるかしら」 【瑠奈々】 「そうだ、って、どうしたの?」 【瑠奈々】 「はい?」 【瑠奈々】 「ええ、商品にはインパクトとネーミングセンスが必要ね」 【瑠奈々】 「そこで、なに?」 【瑠奈々】 「……前からおんぶ……?」 【瑠奈々】 「…………ええっ?」 【瑠奈々】 「前からって、それはおんぶじゃなくだっこでしょ?」 【瑠奈々】 「ね、ネーミングセンスって……」 【瑠奈々】 「あるけれど、確かにセンスあるけれど……」 【瑠奈々】 「インパクトもあるけれど……」 【瑠奈々】 「……美人に、前からおんぶ、されたい……の?」 【瑠奈々】 「ぅぅ…………」 【瑠奈々】 「……そこに座って、壁に寄りかかってちょうだい」 【瑠奈々】 「貴方がそうして欲しいと言うなら……いいわ」 【瑠奈々】 「ほ、ほら、早く移動して」 //トラック03 おわり