上司と部下のオフ
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03.上司と部下のオフ
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//普通に語るシーンです。
//最初は正面【1~9】の間くらい
【瑠奈々】
「お疲れ様。
お風呂、汚れてなかった?」
【瑠奈々】
「先にいただいたから、
汚してはいけないと思って」
【瑠奈々】
「なんで立ってるんですかって言われても……」
【瑠奈々】
「……一人でいると、落ち着かなかったの。
それと……」
【瑠奈々】
「部屋着を貸してもらえたのは嬉しいけれど、
どうしてワイシャツなの?」
【瑠奈々】
「ジャージとかあれば、
それでも全然構わないのに」
【瑠奈々】
「まあけれど、お風呂上りだから、
涼しいと言えば涼しいわね」
【瑠奈々】
「そう言われても、
どうくつろいでいいのやら……」
【瑠奈々】
「え、ええ……じゃあ、とにかく座らせてもらうわ」
//右隣に来る。【3~11】
【瑠奈々】
「ええ、隣よ?
だってここにクッションがあったんだもの」
【瑠奈々】
「あ……貴方なりの定位置ってあるのかしら。
それなら言ってちょうだい」
【瑠奈々】
「あくまでも私は居候の身だから、
この家のルールがあるなら、それに従うわ」
【瑠奈々】
「……ここでいいのね?
なら、ここに座っているわね」
【瑠奈々】
「貴方確か、明日はお休みだったわよね。
予定があったんじゃないの?」
【瑠奈々】
「特にないって、気遣いはしないでいいのよ?」
【瑠奈々】
「そう、そうれならいいけれど」
【瑠奈々】
「あ、膝は大丈夫。
ただ、傷はないけど見事に紫色ね」
【瑠奈々】
「それほど大きくないのが救いだわ。
これ以上の大きさだったら、目だってしょうがないもの」
【瑠奈々】
「それにしても酷いわよね。
ひったくりなんて」
【瑠奈々】
「ただ、私が無事だっただけでも儲けものって、
そう思わないと」
【瑠奈々】
「ふふっ、心配してくれたの?
ありがとう」
【瑠奈々】
「……ふぅん…………」
【瑠奈々】
「わりと小ぎれいなのね。
私が来たから?」
【瑠奈々】
「じゃあそういうことにしといてあげるわ」
【瑠奈々】
「あら、信じているわよ?
貴方の仕事ぶりを見て、人格は把握してるんだし」
【瑠奈々】
「総合的な判断……とでも言えばいいかしら」
【瑠奈々】
「ふふっ、これからも頑張ってもらうわ。
期待してる」
【瑠奈々】
「上司に褒められて、嬉しい?」
【瑠奈々】
「あら、珍しいっていうのは心外だわ。
褒めるべきところでは、私は褒めてたと思うけれど?」
【瑠奈々】
「でしょう?
厳しいだけなんて、それこそ偏屈上司になっちゃう」
【瑠奈々】
「……まあ、周りからはそう思われているでしょうけれどね」
【瑠奈々】
「ふふっ、力強かったわねいまの。
そんなことないですっ! って」
【瑠奈々】
「……いいの。
今のプロジェクトが落ち着いたら、打ち上げでもしましょ」
【瑠奈々】
「私は一次会で帰るから、
みんなで私の悪口に花を咲かせればいいわ」
【瑠奈々】
「ひねくれて言っているわけじゃないの。
そういう団結のきっかけも必要なのよ」
【瑠奈々】
「今の部署のみんな、私は好きだもの」
【瑠奈々】
「いつかは私の気持ちをわかってくれる……とか、
淡い期待を持ちながら、私も頑張っていくわ」
【瑠奈々】
「って、部下の一人である貴方に話したら、
カッコ悪いわね」
【瑠奈々】
「でも、さっきの言葉を受け入れるなら……」
【瑠奈々】
「友達として、貴方に話したつもり。
どう? これでいいかしら?」
【瑠奈々】
「ふふっ」
【瑠奈々】
「そういえば、私を背負ってここへ来る間に、
貴方の知り合いとかには合わなかったの?」
【瑠奈々】
「ほら、誤解とかされたらまずいじゃない」
【瑠奈々】
「なに、自慢できるって」
【瑠奈々】
「……美人って私のこと?」
【瑠奈々】
「……本気で言ってる?」
【瑠奈々】
「ならどうしてモテないんでしょうね。
そんなに美人なら、勝ち組よね、私」
【瑠奈々】
「でもそうじゃない。
つまりは、美人じゃないってこと」
【瑠奈々】
「もらってくれるの?
貴方が? ふふっ」
【瑠奈々】
「ごめんなさい。
笑いながら言っちゃった」
【瑠奈々】
「……そうね。貴方みたいな優しい男性がいたら、
私も幸せなのかもね……」
【瑠奈々】
「ああ、それでさっきの話の続き」
【瑠奈々】
「おんぶの疲労はないの?
結構な距離を歩いたのよ? 貴方」
【瑠奈々】
「たくましいのね。
心強いわ」
【瑠奈々】
「それで、私に何かできないかしら。
お礼はしないとさすがに」
【瑠奈々】
「料理は?」
【瑠奈々】
「コンビニ弁当ばかりだと不健康よ?」
【瑠奈々】
「包丁も調味料もないの? マヨネーズと一味だけ?」
【瑠奈々】
「そこはなんていうか、男らしいというか……」
【瑠奈々】
「じゃあお掃除……って、
遅くに掃除機は近所迷惑よね」
【瑠奈々】
「ねえ、なにかできることないかしら。
このままじゃ落ち着かないわ」
【瑠奈々】
「……二人でまったり?」
【瑠奈々】
「ええ、こんな会話はしたことなったけれど……」
【瑠奈々】
「なんか、ちょっと恥ずかしいわね。
あらたまって、話そう、なんて言われると」
【瑠奈々】
「だって、さっきはおんぶされていたから、
顔も見えないし見られないしで……」
【瑠奈々】
「楽しかったって……こっちはひどい目にあったのよ?
もう」
【瑠奈々】
「そうじゃなくて、おんぶが楽しかった?」
【瑠奈々】
「……貴方、おんぶ好きなの?」
【瑠奈々】
「嫌いじゃないって、とぼけた言い方するのね。
いいのよ? 素直に言って」
【瑠奈々】
「あら、人の好みにとやかく言うような人間じゃないわ」
【瑠奈々】
「貴方が『それが好き』っていうものがあれば、
そこはしっかり尊重します」
【瑠奈々】
「ふふっ、それで、おんぶが好きなの?」
【瑠奈々】
「あそこであの返事なんだもの。
詳しく聞きたくなるじゃない」
【瑠奈々】
「それで、どぉなの?」
【瑠奈々】
「ふふっ、顔真っ赤よ?」
【瑠奈々】
「……後ろからしがみつけば、
おんぶした感じになるかしら」
【瑠奈々】
「しなくていいの?
私じゃ不満かしら」
【瑠奈々】
「美人って言ってくれたの、貴方よ?
その美人がおんぶしようって言ってるのよ?」
【瑠奈々】
「ぐいぐいきてるかしら」
【瑠奈々】
「そうだ、って、どうしたの?」
【瑠奈々】
「はい?」
【瑠奈々】
「ええ、商品にはインパクトとネーミングセンスが必要ね」
【瑠奈々】
「そこで、なに?」
【瑠奈々】
「……前からおんぶ……?」
【瑠奈々】
「…………ええっ?」
【瑠奈々】
「前からって、それはおんぶじゃなくだっこでしょ?」
【瑠奈々】
「ね、ネーミングセンスって……」
【瑠奈々】
「あるけれど、確かにセンスあるけれど……」
【瑠奈々】
「インパクトもあるけれど……」
【瑠奈々】
「……美人に、前からおんぶ、されたい……の?」
【瑠奈々】
「ぅぅ…………」
【瑠奈々】
「……そこに座って、壁に寄りかかってちょうだい」
【瑠奈々】
「貴方がそうして欲しいと言うなら……いいわ」
【瑠奈々】
「ほ、ほら、早く移動して」
//トラック03 おわり