Track 3

File1-3・結果と所見

■03 [前トラックの直後] (※【望愛】【七希】お互いに呼吸を整える・10秒) 【七希】……部長さん、私、いい感じでしたか? 【望愛】そうだね……合格点、なんじゃないかな。 【七希】よしっ!そ、それでは、今度こそ部長さんのお耳を…… 【望愛】おっと、それは少し気が早いんじゃないかな? 【七希】うー……またですか? 【望愛】君は、今までしてあげてた相手を放置して次の行為へ進もうというのかい? 【七希】あ……それもそうですね。先輩さん、なんだかふわふわした表情してるので、このままでも良いのかなって思ってました。 【望愛】ふふ……アフターケアは大事だよ。 【望愛】それでは、七希君は彼の耳を拭いてあげてくれ。おしぼりはまだあるから、さっきの保温機から使ってくれて構わないよ。 【七希】はいっ (テーブルの保温器からおしぼりを取って主人公の後ろに回る七希) (ソファの上で主人公の正面至近距離に詰め寄る望愛) 【望愛】まったく、こんなにとろけた表情をして……(主人公にだけ聞こえる声量で) 【望愛】もしかして、僕との時よりも気持ちよかったのかい?ふふ……(主人公にだけ聞こえる声量で) 【七希】あ、部長さん…… 【望愛】いいよ。拭いてあげて。 【七希】はい、じゃあ、後ろから失礼しますね。 (後方主人公の両耳を拭く七希) 【望愛】今日のことはいつも通りレポートにして、明日提出ということで……いいね? 【望愛】うむ。よろしい。 【七希】先輩さん、くすぐったくないですか? 【望愛】ん、よだれが……んむっ……(軽く口づけして舐めとる) (それに気付いてちょっと気にしてる七希) 【七希】……よし、綺麗になりました。 【望愛】ご苦労様。使った後は流しのところに置いててくれたらいいよ。 【望愛】僕が後でまとめて洗っておくから。 【七希】いえ、部長さんにそんなことやらせるわけには!私がやっておきます! 【望愛】いいのかい?それではお願いするよ。 (おしぼりを洗いに少し離れた流しへ行く七希) 【望愛】さてと、君はこれからどうなると思う? 【望愛】おそらく彼女は本気だ。じゃないと初対面の異性の耳をあんなに熱心に舐めるなんて出来ないだろうしね。 (主「部長はどうするんですか?」) 【望愛】僕は……そうだね。僕も、同性同士というのは想定外だったし、少し困惑してるかな。 【望愛】でも同時に、これはここ最近なかった新しい刺激でもある。 【望愛】あえて流れに身を任せてみるのも面白いんじゃないかなって、思ってるよ。 【望愛】もちろん、君がよければこの関係も継続したい。 【望愛】なんだか彼女を利用してるみたいになってるかな。 【望愛】まあ……ちょっと耳を舐めさせて、それで満足してくれたら良いんだけど…… (主「部長の声、可愛いですもんね」) 【望愛】なっ、何を言ってるんだ、君は……! 【望愛】確かに、嬌声には異性を興奮させる効果があるのは知っての通りだと思うし、 【望愛】僕だって、先ほど耳を舐められてる時に君が漏らした声に……その、興奮、してしまっていたけど…… 【望愛】ん……では……んむ、ちゅ……んちゅ、んぷ…… 【望愛】ふふ、これは今日の研究への協力のお礼だよ。 【七希】おしぼり、洗って戻しておきました! 【望愛】ああ、ありがとう。七希君は気が効くね。 【七希】えへへ、それほどでも…… 【七希】それでは、部長さん…… 【望愛】ん……約束だったしね……覚悟は…… (チャイムの音) 【望愛】……と思ったけど、今日はここまでのようだ。(少しホッとした様子の望愛) 【望愛】恋研は時間厳守……というか、この学校自体が時間に厳しいから、下校時間を守らないと部室が使えなくなってしまうんだ。 【七希】そんなぁ……部長さん、ずるいです。 【望愛】まあまあ、そんなに落ち込まなくても。 【望愛】恋研の活動日は月水金の放課後。 【望愛】次は明後日だし、その時来てくれたら今度こそ……ね。 【望愛】ということで、助手くん。君は次回はお休みだよ。 【望愛】さすがに、君に三人称視点で見てもらうのは……少し恥ずかしいからね。 (望愛の反応を見て、この人はこの男が好きなんだなって察した七希) 【望愛】今日は解散だ。二人とも、お疲れ様。 【七希】お疲れ様です! 【望愛】それと、七希君。 【七希】はい、なんでしょう? 【望愛】本気で入部して、僕達と研究を続けていきたいなら、入部届を渡すから、次回の活動までに書いて来てもらって良いかい? 【七希】あ、はい!喜んで! 【望愛】ふふ、良い返事だ。まるで助手君が最初にこの部屋に来たときのことを思い出すよ。 【望愛】あと、今日のことをレポートにまとめて来てもらって良いかい? 【七希】レポート、ですか? 【望愛】まあ、感想文みたいなものだよ。 【望愛】恋研に所属している部員は、活動を介して思ったこと、知ったことをまとめておくんだ。 【望愛】それを編纂して、この部屋に残し、次の世代へと伝える…… 【望愛】僕の、そして君たちの役目だよ。 【望愛】今はネットなんかで簡単に他人の言葉に触れられる時代だけど、だからこそ、こういった「今」を生きる若者の記憶が、記録が意味を持つと、僕は信じているからね。 【七希】ふむ……あの本棚って、もしかして今までの部員のレポートが入ってるんですか? 【望愛】ああ、その通り。 【望愛】君もそのうち目を通しておくと良いよ。 【望愛】それじゃ、警備の人が来る前に撤収するとしよう。 【七希】はい、お疲れ様でした!