第4話・湯けむりなんとか
■第4話・湯けむりなんとか
[主人公の家]
(作った合鍵でドアを開けて入ってきたふたり)
【正面・中距離】
ただいま~……へへ。
初めての合鍵……感慨深いものがありますね、お兄さん。
(主「せっかくだし、一緒にお風呂入ろっか」)
【正面・近距離】
え、今から一緒にお風呂、ですか?
(主「月ちゃんちっちゃいし、それなりに広いから余裕だよ」)
いえ、昨日の夜に借りたので、広いのはわかってるんですが……
えっと、あの……ですね……
私、まだお兄さんに体を見られる心の準備ができていないので……
(主「でも、するなら裸になるんじゃないの?」)
あ~……それはそう、なんですけど……んむぅ……
実は、もしこの前お兄さんに襲われちゃっても、私は服、脱がない方針で行こうと思ってましたので……
(主「そんなに嫌?」)
あの、嫌って言うわけではないんですが……え~……
多分私の裸、見たらお兄さん、私のこと嫌いになっちゃうと思うので。
(主「大丈夫だよ、安心して」)
うぅ……本当ですか?本当の本当に?
(主「うん」)
そんなに言うなら……見せますけど……でも、絶対に引かないでくださいね?
(急に脱ぎだした月に少し動揺する主人公)
あ、全部脱ぐわけじゃないので……えっと、これなんです。
(腰や背中あたりの点在する丸いあざのようなもの(根性焼きの痕)を見せる月)
(主「これ、病気か何か?」)
いえ、病気じゃないです。
その、親のストレス解消の手段として何度か……熱いのをジュって……へへ(自嘲気味に)
(主「痛いの?」)
痛くはないです。もうずっと昔の話ですし。
でも、おそらく一生消えないんじゃないかなって思ってます。
なので、えっと……(続く言葉が思いつかない月)
(主「これ見て」)
わっ、急に脱いで、どうしたんですかお兄さん。
(腹部の手術痕を見せる主人公)
これ……手術の痕……ですか?
(主「月ちゃんのもこれも、どっちも今ここで生きてる証じゃないかな」)
ふへへ……お兄さん、やっぱり作家さんなんですね。
言葉の選び方がちょっとキザっぽいです。
でも……そうですね。ここまで生きてこれた証……なのかも、です。
どこかで折れてたら今ここにはいなかったでしょうし、お兄さんのそれも一緒……ってことですよね?
……気持ちが軽くなりました。お兄さん……ありがとうございます。
それじゃ……その、いいですよ。一緒にお風呂、入りましょう。
[お風呂、湯船に一緒に入ってるふたり(主人公の胸に背中を合わせて座ってる月)]
【正面・至近距離】
はふぅ……いいお湯です。
こうやってのびのびと湯船に入るのって、とっても幸せ……
私、こんなに甘やかされちゃっていいんでしょうか……
(主「いいんじゃない?」)
ふへ……お兄さんがそう言うのなら……私も、いっぱい甘えちゃいましょうかね。
ん……お兄さんも、結構寂しがり屋さんなんですか?
なんだか少しわかる気がします。こうやって、誰かに寄り添ってもらえるのって、いいですよね……
お兄さんに飼ってもらえて、私、本当に良かったなって。
お兄さん……へへ……大好きです……v
(月の胃のあたりを優しく撫でる主人公)
【正面・至近距離(少し揺れながら)】
あっ、んっ……ちょっとお兄さん、お腹触らないでください……
(主「お腹のここ、さっき食べたのは入ってるんだなって」)
だって、食べた後は胃のとこ膨らんじゃいますので……
ん、んふぅ……ふへ、ん……ふへへ……くすぐったいです……もう、お兄さんのえっち……
一緒に湯船に入ってること自体はそうでもないんですが、その状態で触れ合ってると少しクるものがありますね……えへへ……
申し訳程度にタオル巻いてますけど、普通に当たっちゃってますよ?お兄さんの。
(主「まあ、これはしょうがないよ」)
んむぅ……お兄さんは良くても、私が気になっちゃいます……
これ、動かしたらおっきくなったりするんですか?
(主「それは勘弁してください」)
ふへへ……分かってますよ。ちょっとからかってみただけです。
不慮の事故でも、お兄さん的にはアウトだと思いますし。
その代わり、少し強く抱きしめてください。
(その通りにする主人公)
えへ……あったかいです……お兄さん……大好きです……
こんなの、いっぱい好きになっちゃいますね……んふ……お兄さん……
(月の様子にグッときて少し反応してしまう主人公)
……あっ……お兄さん、これ……
(恥ずかしくていそいそと湯船から出る主人公)
【左側・中距離】
え?もう上がるんですか?
ちょっと待ってください、お兄さん!お兄さーん!