Chapter2:静かな食事
Chapter2:静かな食事
[大学の校舎・授業終わりの主人公を教室に見つける朱音]
【左側・中距離】
んーっと……あ、いたいた。
あなたー!(遠くから主人公のことを手を振りながら呼ぶ朱音)
(主「どうしたの?」)
【正面・近距離】
えへへ。きちゃった……なんてv
ねぇ、あなた。次の時間も講義、あるのよね?
(主「うん。あるけど。」)
悪いのだけど、今から少しだけ時間……いいかしら?
(主「どうかした?」)
その……こんなことを言うのは、はしたないとわかっているのだけれど……
えっと……急に、その……あなたの血を……頂きたいなって……
[人通りの少ない棟の階段で]
【正面・近距離】
(主人公の指から血を貰っている朱音)
んく、んく……ちゅる……んちゅ……んきゅ、っふぁ……
人がほとんどこない場所なのはわかっていたけれど……んく、ちゅる……
すごく音が響いて……なんだか恥ずかしいわ……
ごめんなさい、あなた……
その……最近あまり貰う機会がなかったから……
(主「気づけなくてごめんね」)
いえ……あなたが謝ることはないの。
ただ……我慢できなかった私が悪いだけ……だから……
私もね?なるべく、あなたに迷惑かけないようにしようって思っているのよ?
でも……前の時間、恋愛哲学の講義だったのだけれど……
他の人の話を聞いたり、自分の恋愛観について考えたりするうちに、なんだか前の……あの……
……そう。あなたの腕に、一生消えない傷を残してしまったあの夜のことを、少しだけ思い出してしまって……
でね?暗い気持ちになっちゃダメだって、自分に言い聞かせるために、あなたの味を思い浮かべてたら……その……
(主「欲しくなった?」)
欲しく……んぅ……そんな言い方、意地悪だわ……
それだと私、自分の欲望を抑えられない人間みたいじゃない……
んれぇ、れる……ちゅるる……でも、そうなのかも……
んぢゅ……くぷ、ぅくっ……ん……ぢゅる……
いつでも……この衝動に突き動かされて……ちゅる、れる……大事な所で失敗してる気がする……
(主「でも、そのおかげで出会えた」)
ん……んもう……あなた、急にそんな……
ええ、そうね。私が吸血鬼じゃなくてこの衝動がなければ、あの時、あなたの血を舐めることもなかったわけで……
んぷ、ちゅ……れる……こんなに美味しいものに……じゃなくて、
こんなに素敵な人に、出会うこともなかったのよね。うふふ。
こんな私でも許してくれて、認めてくれて、愛してくれて……
でも、だからこそ、私もちゃんとしなきゃって思うの。
じゃないと、あなたはどんなに悪い私でも、その大きな愛で包んでしまいそうだから……
愛されるのが嫌って言ってるわけじゃないのよ?
ただ、どこまでも甘えてしまうと、そのまま沈んで行ってしまいそうだから……
だって、それだと、私があなたを包んであげられないもの。
あなたが私を愛してくれるのと一緒で、私もあなたを愛してあげたいって……
いっぱいの愛で包んであげたいって、思っているのだから。
あなた……あなたぁ……ぁぷ、れる、ちゅるる……んれる……
好き……れる、りゅ……だいしゅき……ぢゅる、ちゅぷ……んぷぁっ……
んちゅ、ちゅる……くぷ、ちゅぷぷ……んふ……んぷぁっ
ん……ごめんなさい……あなたの指のことだから、気づいているとは思うけれど……
もうとっくに血は止まってるのに……全然止められなくって……
まだあなたの血の味が……匂いが、残ってて……ぇる、れりゅ……んちゅ、ちゅぅ……
(主人公の指を舐めて、血の残り香を楽しむ朱音)
んちゅ、ちゅ、れる……ん、ぁぷ、ちゅるる……れる、れぇる……んぷ……
んちゅ、ちゅ、ちゅ、ちゅむ……ちゅる、れる……ぢゅるる……
(近くの廊下を誰かが走る音が聞こえ驚くふたり)
んぐっ……ふっ……
っはぁ……少し驚いたわ……
こっちに来るのかと思ってしまったけれど……
今の足音、なんだったのかしら。
(主「たぶん、ここを近道として通ってる学生じゃないかな」)
ああ、なるほど……ここ、ちょうど近道として使われてる建物だったのね。
……って、知ってたならなんでこんな所で……
(主「思ったより時間、かかっちゃったみたいだから」)
あぅ……私がずっとあなたの指を舐めてたから……
講義、もう始まってしまうのね。
ごめんなさい……しばらくぶりだったから、その……美味しくて……
(主「講義よりも君の方が大事だと思ってるから」)
うふふ……あなたがいつも私のことを1番に思ってくれているのは知っているわ。
それはとっても嬉しいことだもの。あなたの大好きなとこの一つよ。
でも、ちゃんと講義には出なくちゃ。ね?
今日は……私の方に非があるから、あまり言えた立場じゃないけれど……
ほら、今からでも間に合うでしょう?
(主「もう大丈夫?」)
ええ、私はもう大丈夫よ。あなたにいっぱい愛をもらったから。えへへ。
はい。……ん、ちゅ。(唇に軽いキス)
行ってらっしゃいのキス。
頑張ってきてね、あなた。
お家で、朱音印の美味しいご飯、作って待ってるからv