Chapter4:午前のあまあまタイム
Chapter4:午前のあまあまタイム
[夏の足音が聞こえる頃・休日の朝、近所の喫茶店で]
(テーブルの向かいでココアをすする朱音)
【正面・近距離】
ちゅるる……んく。
うふふ……なんだか素敵ね。
お休みの日の早朝のカフェで、甘いココアを一緒に飲んで……
あ、あなたのはコーヒーだったわね。えへへ。
誘ってくれてありがと。
このお店、こんな時間だとほとんど貸切みたいになるのね。
時々前を通る時に覗いて見るのだけど、いつも夕方くらいにはほぼ満席になっているんだもの。少し意外だったわ。
雰囲気もいいし、ココアも甘くてクリームたっぷりで美味しい……
あなたも一口、どう?
(カップの反対に口をつけ、軽くすする主人公)
ね?美味しいでしょう?
(「うん、おいしい」と、クリームでヒゲができてる主人公)
うふふふ……あなたったら。クリームでおヒゲができてるわよ?
ほら、じっとしてて……
(親指でクリームを拭う朱音)
…………
……はい、綺麗になったわ。
ん…………(親指を見ながら少し考える)
ぁぷ…………んむんむ…………(親指についたクリームを舐める朱音)
えへへ……勿体無いからつい……
あなたのおひげ、美味しかったわよv
(主「君はおひげ生やさないの?」)
私は……うふふ。綺麗に飲めるから、そんなことにはならないわ。
それとも、あなたも今の私みたいなこと、してみたかったかしら?
(主「まあそんなところかな」)
だったら素直にそう言えばいいのに……もう。
じゃあ……少しはしたないけれど。
(小指ですくったクリームを唇に少量つける朱音)
はい、どうぞ……
(それを直接舐める主人公)
んひゃっ……
もう……
まあ、あなたなら直接舐めてくるかなとも思ってはいたけれど……
(主「だって、唇につけたのはそういうことじゃないの?」)
や、唇につけたのは……あなたの指にキス、できるかなと思ってのことで……
……どちらにしても、今のは私の負けね。うふふv
でーも。
あまりそういうことは公衆の面前でするものではないわよ?(ひそひそ声で)
今は……その公衆がいないから、ぎりぎりセーフってところかしら。
あなたとこんな甘い時間を過ごしていると、自分の存在する世界がどこまで広がっているのか、わからなくなってしまうわ。
いっそ、あなたと私の二人しか存在しない世界にいたいって私、時々思うの。
お互いの両手を広げたくらいの世界の方が、いろんなことを考えないで愛しあえるんじゃないかって、ね。
それを半ば現実にしているのが、今の私たちの生活なのだけれど。
でも、学校だったり課題だったりアルバイトだったり……
時々、煩わしく感じてしまうこともあるわ。
だけど、今を乗り越えればその先で、もっと強く繋がり合えるって信じてるから……
このココアのように、甘くて、暖かい未来を、あなたと一緒に迎えられるって、
……信じてるから。えへ。
だから、そんな明日のために、いっぱいの幸せを、愛を……
二人で一緒に混ぜあいましょう?
(主「愛してる」)
えへへ……私も、愛してるわ。あなた。
ん……少しくらいなら……大丈夫よね?
【正面・至近距離】
あなた……ん、ちゅ……ちゅ、ちゅ……ちゅむ、ん……(店員の目を気にしながらのキス)
えへへ……あなたの唇、コーヒーの香りがするわ。
私のはココアの?うふふ……
【正面・近距離】
今日のキスの味はカフェモカね。
甘くて、甘くて、でもそれだけじゃない。
どこかほろ苦くて、深みがあって……
偶然だけれど、私たちの愛を形容するのに、意外とあってるかもしれないわね。
でも……これ以上苦くなるのは大変だと思うから、
これからは、もっとお砂糖を足していきましょうね。
このココアよりもさらに甘く……よほどの甘党じゃなければ口にできないくらいに……
コーヒー好きなあなたも、甘いのは大好きでしょう?沢山お砂糖、入れるものね。
いっつも私に甘い言葉をくれて、甘いキスをくれて、甘い血をくれて……
私にとってのあなたは、これ以上にないくらいの甘露なの。
甘くて、美味しくて、大好きなあなたと愛しあえる……
糖分の過剰摂取で病気になっちゃっても、それでも私はあなたが味わいたいわ。
あなた……ん、ちゅ……(もう一度キスを)
えへへ……おいしい……v