Track 3

第3話_いっしょに作ろう!

トラック3「いっしょに作ろう!」 む~、私、こういう大道具みたいの作るのって苦手です! 必要なことだからって言われても、こんな雑用みたいなこと… まぁ、先輩がそう言うなら、私はいいですけど… それに、先輩と一緒に作業できるだけで、私はとっても幸せです。 先輩はいいですよね、男の人は重い物は持てるし、高いとこには手が届くし。 それに比べて私はこんなちんちくりんで、なかなか生きづらいものがありますよ… 「小さい方が俺は好きだな」って、何言ってるんですかこんな所で! もう、そういうこと言われちゃうと、頬が緩んで変な顔になっちゃいますからぁ… そう言ってもらえるのはとっても、とっても嬉しいんですが、やっぱり身長は気になります。 あと5センチ、いや、3センチでもあると、随分世界は変わって見えるんじゃないかなって思いながら、今日も牛乳を飲むわけですよ。 ほらほら、そんな話は置いといて、さっさとこれ片付けちゃいましょ? あ、先輩、そこはカッターナイフよりハサミの方がいいですよ。 曲線を切るのはカッターじゃ危ないですので。 「大丈夫」って、その自信はどこからくるんですか? まあいいですけど。怪我しないで下さいよ? あ、先輩!大丈夫ですか! うわぁ、親指ざっくり切っちゃってるじゃないですかぁ! 言ってるそばからやらかしちゃうのやめて下さいよぉ… ぁむ もー、先輩ったら危なっかしいんですから。 れろっ、ちゅ。 これですか?好きな人が指を怪我したら、それを舐めてあげるのが恋人の役目だって言うじゃないですか。 え、言わない? おかしいなぁ。持ってる漫画にはそう書いてあったんですが… ぺろ、れぇろ、れぅ、れろ、れる。 んむー?なんだか先輩の手から、すごく脈動が伝わって来ます。 ほら、どくどくどくって、すごい… これって、先輩のドキドキですか? あむ、ぇろ、れる、ぷゅ、みゅふふ でも、逆に出血ひどくなってるような… 先輩、もうちょっと落ち着いてくださいね? あむ、んむ、れぇる、れろ、んぷ んる、ぅえる、れる、んー、にゅぷ んー、ちょっとずつだけど血が止まってるみたいですね。 って、先輩!顔真っ赤じゃないですか! やっぱり痛いですか? 違う? じゃあもしかして、私に傷口舐められて恥ずかしいんですか? 女の子に指をぺろぺろしてもらってえっちな気分になっちゃう変態さんなんですか? あー、今ごまかしましたね? いいんですよ、私はどんな先輩でも、変わらずに好きでいられますから。 えへ、えへへへ~ 先輩って、いつもかっこいいなって思ってたんですけど、こういう風にかわいい一面もあるんですね。 はむちゅ、れる、れろれろ、んぷゅ、んちゅ、んる、れる、ぷゅぇ。 んふふ、すっかり出血は止まりましたね。 どうしますか? まだ、舐めてて欲しかったりしますか? 先輩、自分の欲望に正直すぎますよ… はーい。じゃあ、いただきまぁす。 はぁむ。 ひゃあ、びっくりしたぁ! なんだ、チャイムか… 「どうしてそんなに驚いてるんだ」って、女の子に指を舐めさせてる人間が言うセリフですか、それが。 もー、私だって子供じゃないんですから、これがどう言う意味合いを持ってるのかくらいわかってますよ? え?「どういうこと?」って… そ、そそ、そんなこと、言えるわけないじゃないですか! あー、今ニヤってした! 先輩、わかっててやってるでしょ!? 「さっきの仕返し」? んもぅ、先輩のばかぁ… んぷぇ って、こんなことやってる場合じゃないですね。 それじゃ今日はここまでにしておいて、先輩、帰りましょ? もうこんなに暗くなってますし、早く出て行かないと警備の人が見回りに来ちゃいますよ?