Chapter4_恋人つなぎ
■チャプター4:恋人つなぎ
[チャプター3終了の約10分後・教室に戻ってくる朱音と、その帰りを待っていた主人公]
はぁ……やっぱり私って何やってもダメだな……【※前方中距離】
って……うわぁ!
なんでまだいるの?
先に帰っててって言ったじゃない……
「もう暗くなってきてるし、ひとりにするのは心配」?
はぁ……そうでした。あなただったらきっとそう言うわよね。
……えへ、ありがと。
じゃあ、一緒に帰ろっか?
[すっかく暗くなった帰路]
【※2時半の方向】
ごめんね、本当はこんな遅くまで付き合わせるつもりはなかったんだけど……
あなたと一緒だと、一瞬で時間が過ぎ去ってるんだもん。
好きな人とのぉ……あまぁい時間。
うふふ、大好き。大好きよ……
ねぇ、手の傷、早く治るおまじないがあるんだけど、試してみない?
私が望んでる……面も確かにあるわね。
だけど、私はあなたの手をこんなにしてしまったこと、本当に申し訳なく思ってるのよ?
ほら、手を出して……
(ぎゅっと手を握る)
ふふ、こうやって私と手をつないで歩けば、きっと傷も早く癒えるわ。
根拠?
これはね、私のおばあ様から教えてもらったことなの。
私たちの血族は遠い昔、人の生き血を吸って生きてたって話はしたわよね?
その頃からの特殊能力……みたいなもので、触れているものの自然治癒力を高めたりできるんだって。
生き血をエネルギー源としてた時代は、基本的には頸動脈から血を貰ってて、頂いたらすぐにその力で止血していたらしいの。
じゃないと血が止まらなくてそのまま餌……って言い方は良くないわね。
パートナーが失血死しちゃうから。
もう出血を即座に止めるほどの力はないけれど、それでも気休め程度にはなるのかなって……
確かに口の方がいいのかもしれないけど……
でも、そしたら私が我慢できなくなっちゃうから。
どう?握った手、何か感じるかな?
「あたたかい」って……
えへ、えへへへ……
実は……それを口実に手を繋ぎたかっただけだったりして。
あぁ、でもさっきの話は本当よ。
本当って言っても、聞かされたただのおとぎ話なのかもしれないけれど。
それでもいいでしょ?
私とあなた、どこからどう見てもラブラブなカップルに見えると……思わない?
やぁ~、逃げようとしない~!
ほら、もっとぎゅっとして。
ちゃんと指の付け根まで絡めて……?
えへ、恋人つなぎの出来上がり~
……あなたには早く指の怪我を治してもらわなきゃいけないから、これから毎日こうやって帰るわよ。
ふふ、別に構わないでしょ?
それとも、もう他に恋人がいるの……?
だから私の想いが受け取れないの!?
(そんなことはないと否定をする主人公)
……あ、なんだ違うんだ。
はぁ……よかったぁ……
ちょっと早とちりしちゃったね。てへっ
※それじゃあどうして……とは、今は聞かない。
きっと理由があるんでしょう?
いつか話してくれるまで、私は待ってる。
……本当はダメな理由よりも、愛の告白の方が聞きたいのだけれど。
どっちでも、あなたのいいタイミングで教えてくれればいいわ。
それまで、こうやってつきまとわさせてもらうからっ
えへ、えへへへ~