Chapter5_朱い告白
■チャプター5:朱い告白
[さらに1ヶ月、11月中旬・主人公の教室の入り口付近・放課後]
わっ!(驚かせるように)【※右方向近距離】
ふふ、びっくりした?【※前方近距離】
今日はうちのクラスのホームルームが早く終わったから、待ち伏せしてたの。
じゃあ、今日も一緒に帰ろ?
もちろん手をつないで……
え?どうしたの?私に見せたいものがある?
(両の手を朱音に見せる主人公)
……!
あ、指の傷、やっと治ったんだー!
うん、かさぶたも取れて、これでようやくって感じだね!
あ……でも、それじゃ一緒に手をつないで帰る理由が……
え?「ちょっとついてこい」?
待って、どこに行くの……
[人気のない校舎裏]
どうしたの?こんな校舎裏まで連れてきて……【前方中距離】
もしかして、私に好きだって言うためにわざわざこんなとこに……?
ふぇ?違う?
なーんだ、残念……
「なんで指が傷だらけになったか覚えてるか」?
そりゃ覚えてるわよ?
あなたのとっても美味しい血を舐めさせてもらうために、私が噛んじゃったから……
……もしかして、また舐めさせてくれるの……?
本当に?また傷だらけの指になっちゃうんだよ?
それでも……いいの?
「また手をつないで帰ってくれればいい」?
「ずっとそばに居てくれれば、それでいい」……?
……!
※ねえ、それってどういう……
【※前方近距離】
「好きだ」……?(徐々に感情が高まって行く)
「結婚しよう」……!?
ねえ……それ、本気なの……?
嘘じゃない……わよね?
う……うぐぅ……ぐす……
※ごめんね……ちょっと、現実があまりにも非現実すぎて……
そっか……やっと、振り向いて貰えたんだ……
えぐ……ありがと……ひっく……ありがとう……!(感極まって泣きじゃくる)
……ふえぇぇぇぇぇん!
(数分間泣き続けた後・主人公の胸の中で体を震わせる朱音)【※前方近距離】
はぁ……はぁ……
ごめん、もう大丈夫……
本当に急で、びっくりしちゃって……
だって、告白するために連れてきたんじゃないって言った直後に、あんな事言うんだもの。
もう絶対にあなたは私のものにならないんだって、内心思ってたから……
焦らして焦らして、手が届いてるように見せるふりして全然掴ませてくれなくて……
でも、なんで急に……
「自分から告白したかったけど、なかなか勇気が出なかった」?
そんな理由……なの?
……ぷ、ぷははははっ
ん、ごめん……なんだかとってもあなたらしいなって思って……
そっか、あなたも私の事、気にかけてくれていたのね。
本当に良かった……
でも結婚だなんて……ちょっと気が早くない?
あ、先にその話を持ち出したのは私だったっけ。えへへ……
そっか……やっと繋がれたんだ……
うん、大好き。
……大好き。
きっかけはどうであれ、今ここにあなたと私、恋人同士になれたんだね。
それも、婚約付きで……
私って、とっても幸せ者。
……今まで、自分がこんなに幸せな人生を歩めるなんて思ってもなかった。
血筋や、こんな体のこともあるしね。
自分の生まれを、こんな体質をどれだけ呪ったことか……
辛くて、暗くて、苦しい道を歩むことを強いられた人生を。
でも、あなたのおかげで私の人生、とても誇らしく思えるものになったわ。
想いを報いてくれたこと、本当に嬉しい。
……ありがとう。
だから、私もあなたの人生も彩ってあげたい。
私をこんなに幸せにしてくれるあなたの人生を、責任持って誰よりも幸せにしてあげたいの。
もちろん、私もその分幸せになる。
幸せが幸せを呼ぶの。
それで私たち、どこまでも、誰よりも幸せになれる。
幸せに……なりましょう?
※こんな不束な私だけれど、大切にしてね?
「当然だ」?
ふふ、頼もしいわね。
うん、私も。
あなたを誰よりも、どんなものよりも愛するわ。
私の場合、それはすでに実行していることだけど。
あなたの血が、なんてもう言えない。
あなたの血も大好きだけど、それより何より、あなたを愛しているから。
……今日は血はいいわ。
それよりも、キスしましょ?【※前方至近距離】
結婚式にはまだ早いけれど、誓いのキスを。
……晴れて恋人同士になれたんだもの、もうなんの問題もないことよ。
……というか、私がしたいだけ、なんだけど。
……ん。(触れるだけのキス)
えへ、初めてのキスの味……【※前方近距離】
あなたの味……
ここ最近、舌を舐めさせてもらうことはあったけど、唇はまた違った味がするのね。
ずっとずっと甘い……
これは愛情の味……?
……今度は、全部ちょうだい?
唇も、舌も、どちらも味わいたいわ……【※前方至近距離】
はぷ、ちゅ、ちゅるる……
(/深いキスを交わしつつ喋る)
素敵な味……んぷ……あなたの想いが入ってくるみたいに……ちゅぷ……感じる……
んちゅ、んぷ、ちゅむ、ん、ちゅるる……ぷぁ。
(深いキスを交わしつつ喋る/)
甘いとかおいしいとか、そんな言葉じゃ表せない味……
愛しい、って表現するのが一番しっくりくるかな……
この半年間、どんなにこの瞬間を、この味を焦がれたか、あなたにわかるかしら?
あなたにとっては5ヶ月くらい?
なんだ……結構前から両思いだったんじゃない、私たち。
もっと早めに勇気を出してくれたらよかったのに……
いいえ、きっと長い間そのままの距離だったからこそ、今こんなにも幸せなんでしょうね。
あなたに恋して、切なくて、苦しくて、夜も眠れなかった日々も、今となってはいい思い出。
その間、どこまでも好きになっていったわ、あなたのこと。
もちろんこれからも、もっともっと好きになって行きたい。
恋は愛に変わってしまうわけじゃない。
恋し続けた先に愛が待っている……
だから恋愛って言うんでしょう?
「ロマンチストだな」って?
そりゃそうよ。
こんなに幸せな恋に身をおいていれば、女の子は誰だってこんな風になっちゃう。
……こんな私にしたのは、あなたなんだからね?
責任とって、愛してよ?
(/キスしながらの会話)
はぷ、んちゅ、ちゅ、ちゅぷ……
んちゅ、ちゅ、ちゅむ、ちゅるる……んぷ……
優しいキス……あなたに愛されてるのが……んちゅ……わかるわ……
テレパシーとかじゃないけれど、私には伝わってる……
あなたの愛情……ん……とっても美味しい……
ちゅる……
好き……好きよ。
大好き……ちゅむ、ちゅ、んぷ……
(キスしながらの会話/)
「そんなに言われると恥ずかしい」?
ふふ、言うまでもなく、あなたには伝わってるのね。
でも、言いたいの。
言わなきゃ、想うだけじゃあなたへの好きが出し切れないの。
胸が破裂しちゃいそうなの……
それだけ好きなんだから、許して?
……もしよかったら、あなたからももっと聞きたい……
確かめ合うためじゃないの。
ただ、鼓膜に直接あなたの声が、音が欲しいの……
(耳のすぐ傍で愛を囁く主人公)
はぅ……耳……そんな風に耳のそばで囁くなんて……
ゃん……もー、くすぐったい……わよ……
えへへ……私も……【※右耳ゼロ距離】
(/耳の傍で囁き声で喋る)
好き……好き……
あなたのことが大好き。
最初はあなたの血が大好きで、
そのままあなたの優しさが好きになって、
今ではもう、あなたの全てが、大好き……
私の愛、もしかして重いかな?
だって、普通じゃないから。
でもね、嘘は何一つないのよ。
私の全身全霊で、あなたを愛してる……
大好きよ……
んちゅ……(耳にキス)
(耳の傍で囁き声で喋る/)【※前方至近距離】
えへへ。
ほら、もっとキスして……
ちゅぷ、ちゅる、んふゅ……
ちゅ、ちゅぷ、るちゅ、ちゅるる……
はぷ、んぷ、んぅ、んみゅ、ちゅぷ……
ぷはぁ……
なに?「いいことを思いついた」?【※前方近距離】
どうしたの?お口もごもごさせて……
(主人公、自分の舌を噛んで出血させる)
え?大丈夫?なんだか痛そうだけど……
ふぁ……血が出てる……
もしかして自分で舌を噛んだの?
……私の……ため?
血……あなたの……ごくん(生唾を飲む)
……いいの?
えへへ、ありがと。
じゃあ、いただきます……んむ【※前方至近距離】
(/舌を絡めながら、血を味わいながらの会話)
ちゅぷ、んちゅ……
れる、ちゅる、んりゅ、んぷ、れぷ……
痛くない?
私のためにしてくれるのは嬉しいけれど、あまり自分で自分を傷つけたりしちゃダメよ?
こんな痛々しいの、私が耐えられないもの。
ふふ、血が止まるまでこうしててあげるわ……
(ここから軽く舌を動かすだけのキス、あふれた唾液と血をすする様な動き)
ただでさえ素敵な味なのに、※さらにあなたの血まで追加されちゃって……もう何が何だかわからない……
んちゅ、ちゅる、んぷ、ちゅるちゅ、んぢゅ……
なんだか「好き」とか「おいしい」とか「気持ちいい」が全部混ざっちゃってるような、そんな感覚……
こんなの、ずるいよぉ……
はぷ、ちゅる……ぢゅる……
好きぃ……これ、しゅき……
ごめんね……ダメだって言いながらこんなに興奮しちゃって……
んじゅる……だって、これよすぎるんだもん……
大好きな味がいっぱいでぇ……ぢゅる、ちゅぷ、ちゅぅ……
ドキドキも、ふわふわも、止まらないの……
えへ、好き……大好き……
ちゅ、ちゅる、んぷ、にゅ、ぢゅ、ちゅ、ちゅるる……
ん、んぷ、んぢゅ、ちゅるる、ちゅぷ……
ちゅる……ん?血、止まったかな……?
でももうちょっと……ちゅる、ん、んぷ……
(舌を絡めながら、血を味わいながらの会話/)
ぷぁ……
あなたとのキス、とっても素敵……
ねえ、もっとしたい……
もう一度しても……いい……?
え?時間?【※前方近距離】
ふわぁ、もう真っ暗!
全然気づかなかった……あなたの味が、あまりにも美味しくて……
そうだね、もう校門しまっちゃったかしら?
あ、まだ7時前……
そっか、もうこんなに日が落ちるのが早くなったのね。(夜空を見上げながら)【※前方中距離】
最近ずっとあなたのことばかり考えて、あなたしか見てなかったから、季節が変わるのに気付く余裕なんてなかった。
でも、今日はこうやって、ふたり一緒に空を……もう冬の星座になりそうな星空を見てる。
こんな素敵な瞬間も、あなたがいてくれるから見つけることができるの。
……あなたと一緒なら、この世界の素敵をたくさん見つけられる気がするわ。【※前方近距離】
ふふ、誓ったものね。
いつまでも一緒に、どこまでもあなたと一緒に……
ん……ちゅぅ……ちゅ……【※前方至近距離】
なによ……ロマンチストはあなたじゃない。
※こんなにロマンティックなキス……
……また、あなたのことが好きになったわ。
ちょこっと血の味が残ってるのも、素敵……
今日も、一緒に帰りましょう?
あなたと一緒に、恋人つなぎで歩きたいわ。
指の傷は治ったけれど、もう許されることでしょ?【※右側近距離】
えへへ……
息は白いのに、全然寒くない。
手も、体も、心も、とても暖かいの。
あなたも?そっか。だったら嬉しい。
これが幸せの温度、なのかな?
好き。好きよ。
このまま誰も知らない世界へ、あなたと行くのね。
何て素敵なことなのかしら……
※さ、行きましょう。
これが二人で歩む、最初の一歩。
私たちの未来への、第一歩よ。
えへへっ